2006年4月1日
1.開催日時
平成17年8月31日(水)18時~20時15分
2.開催場所
県庁行政庁舎11階1107会議室
3.出席者(敬称略)
《宮城県議会議員》
前文教警察委員会委員長/安部孝(司会兼立会人)
《宮城県教育庁関係者》(文中では「県教委」)
教育長/白石晃
教育次長
鈴木隆一、矢吹隆志
高校教育課長
黒川利司
同課長補佐
浜田毅
改革推進班長/中川昭三(進行役)
同主幹
狩野宏史
高橋真由美
《宮城県仙台第二高等学校関係者》
(文中では「二高」)
校長/柏葉浩明
教頭/渡辺尚人
副参事兼事務室長/平川弘二
《宮城県仙台第二高等学校PTA関係者》
(文中では「親の会」)
会長/鈴木密明
副会長/内田正之
会員/渡邊世津、鈴木かおる、樋口郁子
《宮城県仙台第二高等学校同窓会》
(文中では「同窓会」)
副会長/高橋正道
会員/柴田克彦、朝倉亮、山下健二、佐藤茂
〈安部孝〉
今日は、8月5日に引き続き第4回目の調整会議であり、毎回、関係者の皆様には大変熱心な議論をして頂いている。傍聴者も通常より大分多いような気がするが、この調整会議は全面公開ということで、傍聴人あるいはマスコミの方にも円滑な議事進行が図られることをお願いしている。拍手、激励、野次などはできるだけ慎んで頂いて、実のある会議にしたいと思うのでよろしくお願い致したい。時間も8時までの2時間の予定なので、質疑応答は極めて簡潔に、皆さんに分かりやすい形でお願いしたい。では早速始めたい。議事の最初は前回の調整会議の議事録について諮っていきたいと思う。
〈白石晃〉
当方は異存がない。
〈浜田毅〉
何か修正する点があればどうぞ。
〈安部孝〉
二高関係者の方はどうか。
〈鈴木密明〉
PTAの方も特に問題はない。
〈安部孝〉
それでは第2番目として、第3回の会議で積み残し部分があったので、まず同窓会の高橋副会長から質疑ということでお願いしたい。
〈高橋正道〉
議事内容については、先に同窓会から大きく4項目を差し上げている。①「共学化開始時期発表前の県教委の同窓会への説明について」の部分は、前回・前々回を含めていろいろやり取りがあった。それは、それで終わりということではないが、限られた時間の中でやっているので、一応前に進めることが必要だと思い、②「未発表校の共学スケジュールについて」に進みたい。全体としては、またいろいろ関係するので、戻る部分があるかも知れないが、できるだけ議事を前に進めるという考え方をしているのでよろしくお願いしたい。②については、議会採択附帯意見の1に「全体スケジュール及び将来像を明確に示し、推進されたい」と記されている。これについてはいろいろ伺っている部分もあるが、この正式な調整会議の席で、全体スケジュール及び将来像を明確にお示し頂きたい。ともすれば、附帯意見3の二高の平成19年度共学化開始ということに集中しがちであるが、附帯意見の1,2,3は全て関係しているので、まず、附帯意見1について県教委側から明確なご説明を頂きたいということを最初に申し上げたい。
〈安部孝〉
それでは執行部の方からスケジュールについて…。
〈白石晃〉
それではお答え申し上げる。
確かに請願採択の際の附帯意見の1に、「全体スケジュール及び将来像を明確に示し、推進されたい」とあるので、それを我々の方も真摯に受け止めて、未発表校等もまだ残っているので、それを具体的にどうするかということで今、調整中である。調整中ということは、発表に至るまでは、いろいろ学校の内部事情とか県の財政状況とか、いろいろな条件をクリアして行かなければならないということがあるので、そういう点で調整の時間がかかっているということである。従って、そういったところで現在調整中なので、できるだけ早い時期に発表したいと考えている。
〈高橋正道〉
教育長からのそのようなお話だが、この点については再三申し上げているが、二高は単独で18年度共学化実施ということがあり、それに対して請願を行い、それが採択されたという経緯がある。それに対して、その他の学校については一部の学校を除いては明確になっていないということで、二高だけが先に進んでいるような感じだが、これは全部関連していると思うので、そのような曖昧な回答では我々としては納得も理解もできない。県が一律共学化(方針)を出してきているにもかかわらず、現在まだ8校が発表になっていない。2月の請願採択からもう既に半年も経っている。それでなおそういう状況というのは私共としてはちょっと理解できないということを申し上げておきたい。
〈白石晃〉
それについてはいろいろご意見があると思うが、共学化の開始時期については将来構想の中にもいろいろ書いてある。共学化の時期の契機となる部分についてはいろいろあると思うが、統合する場合やあるいは学校を大改造する時期、いろいろな時期があるので、そういった時期を捉えて各学校毎に共学の開始時期を決めて行きましょうと構想の中にも書いてある。そういった時期を踏まえながら各校の共学化開始時期を決めていくといった手続きをとって行くということである。それで、これは再三言っている話だが、二高の場合は先行しているんじゃないかというお話がもうずっと言われているが、これについて私としてはもう繰り返さないが、条件が整ったということがあったので、最初は18年度開始ですよということでお話を申し上げた。その後の経緯については副会長さんの方が十分にお分かりかと思うが、そういったことで二高だけがということではなくて、二高はそういう条件が整ったから、それはそれとして発表してほしいと、それからまだ発表していない学校については、これは先程言ったように学校のいろんな条件があるので、その条件をクリアしながら発表時期を固めて行くという作業をしている。
〈高橋正道〉
教育長は再三そのような表現で仰っているが、我々の立場からすると、二高が先行して、その他については現在検討中ということでどんどん時間が経っている。それで、二高のメンバーが一番疑問に思っている点は、なぜ二高が18年度ということで最初発表されたかということもそうだが、その後もその他の学校については明確にされないままであるということ、その点が(疑問の)1つだ。
それから、他の学校は将来像が示されないままに平成22年度ということになっているが、他の学校にもそれぞれ生徒や保護者がおられ、その方々に理解できるような将来像の内容が発表されていないのに、二高だけが(先行実施)という形になっているのが一番の問題だと思う。二高との調整会議だから二高について縷々仰るのはよいが、この調整会議が始まる前に最初に我々としては申し上げたのだが、「(共学化凍結請願書連名)連絡会」(以下、「連絡会」とする)というものがあって、そこでその他のことも含めてずっとやってきている。
それで県の方から調整会議の申し入れがあり、定期的な話合いを求めてきている。話合いの場を作ってもらうので我々は出席しますよということは、「連絡会」の了解を得てこの場に出席しているのだ。
その他の学校関係者も非常に関心があるから傍聴にいらっしゃるわけだが、他の学校について県教委の考え方が全然見えないままに、時間が経っているということが非常に問題なのではないかということを申し上げているのだ。だから、県教委がいつも仰るような言い方では全体的には理解できない。いわゆる議会の方も将来像を明確にしなさいと言っているのだから、それについてはできるだけ早くしないといけないのではないか。
附帯意見の1,2,3については並行して一緒にやらなければならない問題だと考えているのに、この部分だけが遅れているということは我々としては非常に不満というか理解ができない部分だ。
〈安部孝〉
教育長、新しい動きとか何かがあればどうぞ。
〈白石晃〉
繰り返すようだが、全体スケジュールについては請願採択の際の附帯意見ということで明確に出されているので、これに対する対応は当然とらなければならないと思っている。
ただ、今までの共学化の開始時期については、仙台都市圏、仙台市内の学校だけでなく、例えば他の学校、築館とか角田とか古川、石巻について発表した時期はみんなばらばらである。それで今回、他の地域はあくまでもそういう条件が合ったので共学化開始はこの時期にやりますよということで発表した。その文脈に立ったところで仙台二高も同じ位置に立っただけだ。
ただ、残っている学校についてはどうするんだというところを明らかにせよとの議会の話もあったので、それは今、鋭意いろんな、先程から繰り返しているようにいろんな条件があるので、その条件をクリアしながらいずれ早い時期に全体的なスケジュールを明らかにして行きましょうということで、今は明らかにできないけれども、それこそこの話合いと同時に我々としてはいろんなことをやっているのである。それで、これはPTAの方に回答を申し上げたところだが、この会議の話題としてふさわしいかどうかちょっと分からないが、例えば、ある高校について、新聞紙上でもご存知だと思うが、共学化に向けての通信制の話があった。
それで、通信制をどうするんだということについてのその学校なりの問題点があるということになったので、我々としてはこれを1つの大きな課題と受け止めて、じゃあその通信制課程を独立させる方向で行きましょうということで、これはもう場所的な話も含めて、全面的な話も含めて、今までずっと検討してきてようやくこの前新聞に出たということだ。1つの例をあげればそういうことだが、他の学校でも一つ一つそういう条件をクリアしていって、それを積み重ねて行くという作業をやっている最中だ。だから今の時間、時点では高橋さんが言うように、全体的なものは確かに絡み合うかも知れない。1つは例えば学区の話がある。そういう話とずっと絡み合ってくるのだから、いわばそれを全体的にどうして、どう持つかという話については、例えば仙台だったら仙台都市圏の中の学校をどうすべきかということを、ある程度全体的な話として考えていかなければならないだろうという認識は確かにある。
それで、じゃあ二高だけは何で先行したんだということについては、また話は戻るが、二高の場合は条件が整っているということだったので、それではやりましょうとなった。それはあくまでも今までの他の学校、仙台市都市圏以外の学校のやり方と全く同じやり方でやってきた結果だ。
〈安部孝〉
通信制はご存知のとおり、一高のことだと思うが…、今のスケジュールに関連して、じゃあ、柴田さん、どうぞ。
〈柴田克彦〉
今の教育長さんのお話を聞いて、二高のことだけではないが、ものすごく理解できないことが沢山ある。
例えば、二高は一応準備が整った、受け入れの準備が整ったから始めるとの話だが、二高の受け入れが整ったというのは、あの二高の校長さんが出した二高の今後の5年計画か10年計画か知らないが、あの紙1枚、そこに書いた紙1枚で整ったと、そんなふうな結論を出すのであれば、あれぐらいのものは県教委がきちんきちんと日にちを決めて、こういうものを出しなさいというんだったら、三高でも一高でも一女高でも二女高でも三女高でもどこの学校でも直ぐに出ると私は思う。
それぞれ学校はいろいろだ、学校毎にいろいろあるんだと、一高に通信定時制があるということは初めて分かったことじゃないよね。一高の定時制、通信制は昭和20年からずっとあるんだ。それがあるということを知っていながら、「いやぁ、この問題が大きくなりましたからちょっと待ちます。これはそういう事情で…、一方、二高は整ったからやるんです。ほかの学校も今一生懸命整えるためにやっているから…」というふうなそんなお答えは、ちょっとその場限りのもののような気がする。
〈安部孝〉
はい、次長。
〈鈴木隆一〉
今、柴田さんは、(学校の)事情についてお話しをされたと思うのだが、PTAの方に書面で回答した。その中の一覧表で、それぞれの学校の事情について我々の表現できる分は表現させて頂いたが、それを見て頂ければ、それぞれの学校ではこの程度の物理的なものも含めて課題があるのかなというのはお分かりだと思う。だからそういうことを申し上げているのであり、そういうものを一つ一つクリアして行かなければいけないと言っているのだ。
〈高橋正道〉
この間の回答書のことか。
〈鈴木隆一〉
前回、PTAの方にご回答しているものだ。
〈白石晃〉
PTAから質問があったときの回答の中に入っている。
〈安部孝〉
では、スケジュールに関連して…、
〈鈴木密明〉
新聞によると、例の一高の通信制の分離のことで62億円という多大なお金をかけてやるということだ。この62億円というのは果たして相当なお金なのか、本当にそんなにかけてやるのかどうかという議論は、また別の問題になるが、一高としてはこの問題はクリアされたと(いうことのようだが…)。
それでは質問させて頂くが、県側としては一高のそれ以外の整備されていない課題というのをどのように捉えているのか。それについてはこの場で言えないということではないと思う。きちっと回答されいるのだから…。
一高の1つの課題である通信制は一応クリアされて、この部分については今後また協議しなければならない。くどい質問だが、その以外の一高の課題、条件が整っていないということになれば、それは何かということをちょっとお聞かせ願いたい。
〈安部孝〉
一高のことになってしまったけれども、教育長。
〈白石晃〉
(鈴木)会長さんの、ここで明確に答えられるんではないかというお話だが、ここはあくまでも基本的なことをお話しする(場だ)と、二高の共学化の調整会議のお話になるので、一高の問題についてここでお話しすることは相応しいことなのだろうか。
〈鈴木密明〉
延長線上にあると思う。
〈白石晃〉
延長線にあるというその根っこの部分は、先程、高橋副会長さんが言うように、他の学校の発表はどうなんだというところからきている話だと思うが、私が全体のことをお話ししたので、それはそれで終わりではないだろうか。
だから、一高とか一女高とか、あるいは三高とかの個別のことはまた別の機会に、この場ではなくて別の場でやった方がよいのではないかと思う。
ここで、鈴木密明氏から発言を求める挙手あり
〈安部孝〉
(鈴木密明氏に対して)その話か?
〈鈴木密明〉
その話だ。
〈安部孝〉
(鈴木)会長さん、どうぞ。
〈鈴木密明〉
今、教育長から一高のほかの問題についてはここで言及できないというお話があったが…、
〈白石晃〉
言及できないということではない。
〈鈴木密明〉
お話しできない…?(それについては)まあ、よい。
それについては百歩譲るとしても、前回私共が頂いた回答書の5頁に、「共学化に向けた課題」ということで、いわゆるこれが先程から言われている条件が整っていないということだと思うが、一高の場合は2つある。
通信課程の分離の問題はクリアされたと思うが、2つ目に「同窓会、保護者会及び生徒会などの反対の動き」というように明確に書かれている。二高の場合はアンケートでもいわれていた。今日も多くの関係者、いわゆる傍聴者が多数ということは非常に関心がある。アンケートでもあのぐらいの反対がある。あるいは賛成でも、もう少し議論すべきじゃないかとか、いろんな問題があると思う。
一高については、反対の動きが課題であるというふうにはっきりペーパーに出ているが、二高の現状がこういう多くのお母さん方が声を大にしているのを課題と捉えていないというのは、どう考えたらよいのだろうか、浜田さん。
〈安部孝〉
それに対する認識の問題として執行部はどう考えるのか。では、次長、そのことについての回答をお願いしたい。
〈鈴木隆一〉
傍聴者もいるので、さっきの通信制分離のことは誤解を招く。62億円という話があったが、基本的に通信制の話は総合センター、研修センターを作って、その一部に付け加えるということであって、その本体を含めて62億円だから、通信制の話はその一部だ。その本体が62億円ということなのでこれだけは誤解のないように…、傍聴者もいることだから。
〈鈴木密明〉
分かっている。62億円かかるということについて我々は議論をするつもりはないが、いずれにしても1つのきっかけとしてトータル的には62億円のお金がかかるということは間違いないわけだ。
私が言っている反対の動きが一高の問題であって、我々は反対ということではなくて十分に意見の交換をして納得するということをお願いしているわけだ。浜田さんは、二高のPTAは先に別学化ありきじゃないかということだが、決して我々はそうではない。
〈安部孝〉
一高の関係者のことを執行部はどういうふうに認識しているかということでの話だと思う。
〈鈴木密明〉
我々の課題でもあるんじゃないのかなと思うが…。
〈浜田毅〉
一高の関係だが、PTAや生徒会がいろいろ反対の動きがあるということで、我々はその理解を求める最大限の努力をしなくちゃいけない、そういう課題があると認識している。
ここは二高のことを書いていないのでじゃあ、二高のそういったことが課題じゃないと、そういうこじゃなくて、そのためにこの調整会議があるんじゃないかというふうに考えている。
〈鈴木密明〉
5頁の資料を見ると、「未発表校の状況」としてあるが、教育長が冒頭に言われた条件が揃ったということで、くどいようだが一高の反対の動きは「条件が揃っていない」というふうに読み取れるのだが…。
〈安部孝〉
一高の動きになってしまったけれども、では、執行部。
〈浜田毅〉
そういった条件は少し違う課題かなと思う。我々は共学化の条件というのは、共学化後の学校のあり方とそれについての例えば、施設設備の面とか、ソフトの面もあると思うが、そういった準備が整って共学と。但し、そういった理解を得なくちゃいけない課題があるんだというようなことで、ちょっと付け加えさせて頂いた。
〈安部孝〉
(鈴木)会長さん、最後に1つ。
〈鈴木密明〉
どう考えても、読み替えると「課題」=「条件」になる。
〈矢吹隆志〉
それは違うんじゃないだろうか。
〈鈴木密明〉
じゃあ課題でもよいが、そういう課題があるわけだから、やっぱり課題をクリアしなければ、当然ながら、そういう制度問題の改革というのはできないのではないかと思う。
県は一高の場合は反対の動きを課題として捉えている。二高も反対とは言っていないが、きちっと議論をして納得のいく、いろんな問題、時期の問題とか、そこが同窓会は反対と言っている。反対でも何でもよいが、取りあえずこういう動きがやっぱり我々にとって大きな課題であって、それは条件が揃ってないということだ。
〈安部孝〉
ここの認識のところで、はい、教育長。
〈白石晃〉
1つの大きな問題は、繰り返すようだが、12年度に構想を作った。そしてその時の打ち出し方として、全ての学校について22年度までに共学化をしますよという話がまず前提としてある。
そこまでに至る問題として、アンケートの問題とか有識者の懇談会の話とかいろいろ仰りたい部分は今までの議論に確かにあったけれども、いずれ12年度の中で将来構想をまとめてそういう方向付けをしたということである。それが大きな前提である。そしてその前提に立って我々はこういう作業を各学校毎にやってきた。それで問題は、全ての学校を共学化するわけだから、全ての学校(の共学化)をやるというときに、個々の学校でいえば共学化をどうするんだということになる。
それで、共学化を開始する時期、その時期についての設定の仕方、これはこの前から言っているが2つある。1つには、学校の中で将来的にどういう形をとっていくのかということでの議論が十分なされているかどうかということ、それが二高の場合は将来ビジョンということで形があるでしょうということが1つ。
2つ目としては、共学化にあたっては、例えば、部室の話、更衣室の話、トイレの話、こういうハード面の整備がある。こういった中で、こういったものをクリアするために予算的な裏付けがきっちりできるかどうかである。その2点の条件が整えば、共学化開始時期をいつからやりますということでの発表をするということにしている。それで、ここでいう回答を申し上げたものについては、将来構想のあり方についていろいろ議論する課題としてのぼってきている。例えば、一高の将来のあり方について、仮に男女共学化をする際に、通信制はどうするんだという議論がある。
それで、一高としては通信制を独立分離させろということである。そういったことが1つの課題としてあったということだ。これが学校の中で一高の将来的な話として、話の中の1つの要素として、それが取り上げられているということである。
たがら、これは条件でも課題でもどちらでもいいんだが、そういったことが学校毎に将来を考えた際には、課題として出てきているということでそのような表現になる。例えば、郡部というか塩釜の関係でいえば、あそこには塩釜高校と塩釜女子高の2つの学校があるわけだが、近いところにあるということがあって、じゃあ、それを統合するということになればどうするのか、クラスの規模が大きくなるとか、それから学校のあり方について2つの校舎をどうするのかといういろんな議論がある。
そういった中で、じゃあ、科目をどう設定するとかいうことでの議論が出てくる。それが将来を考えていったときのあくまでも1つの課題ということで捉えて頂きたいというふうには思っている。
〈安部孝〉
じゃあ、関連で佐藤さん。
〈佐藤茂〉
将来構想の第5章を読むと、男女共学化の推進についての基本方針というのがあり、「男女別学校については校舎の改築や学科改編・再編などを機に対象校毎に関係者の理解を得ながら全ての男女共学化を推進します」と書いてある。それでは二高はどうなのかというと、校舎の改築、これはもう20年余り前に終わっている。それから学科の改編・再編、こういうものはない。「など」とあるが、これは何の意味か分からない。聞いてみたいと思う。
それから、「各対象校毎に関係者の理解を得ながら…」とある。白石教育長が先程、準備ができたというお話を繰り返し仰っていたが、少なくとも二高の中期総合ビジョンについては同窓会は排除されたまま、保護者などもそこには入れないまま議論が進んでいた、密室での話ではなかったのか、そのような事実からすると二高の場合は、その基本方針の条件、学科の再編とか校舎の改築、それから関係者の理解、これらはいずれも満たしていないということになる。
それなのになぜか突如として共学化の日程が発表になる。従って、関係者がここで感じているのは端的にいえば、ある種の政治的なごり押しじゃないかと、二高を一種の標的にして、それでやってしまおうという、政治のごり押しと皆さんは感じているところだ。だからこの共学化の推進についての基本方針、これについて二高はどうなのか、きちんと説明して頂きたい。
〈安部孝〉
基本方針について、教育長。
〈白石晃〉
「など」とかという話があったけれども、例えば…、
〈佐藤茂〉
手短にお願いしたい。さっきから同じことを繰り返し仰っておられるから。
〈白石晃〉
同じことを質問されているから言っているのだ。「など」の部分は例えば、古川高校、これは全く単独(共学化)だ。
〈佐藤茂〉
「など」というのは学校ではなくて、その機会のいろいろの「など」、学科の改編とか。二高の場合はそれが何に当たるのか、校舎はとうに改築したものだし、学科の再編も改編もない。それじゃあ、何に対するんだと、それは何なのかと。
〈白石晃〉
繰り返すようだが、先程から言っているように、全体として全ての学校を共学化するという話がある。
〈佐藤茂〉
いや、だからそれは勝手な話で、そもそも我々は納得していない。
〈白石晃〉
納得していない部分があるからそういう質問が出るのだろうけれども…、
〈佐藤茂〉
いや、それは納得させてないそちら側の責任だ。
〈白石晃〉
それは違う。
〈佐藤茂〉
説明責任の不足じゃないか。
〈安部孝〉
じゃあ、次長。
〈鈴木隆一〉
ここに当てはまるものがなければ何も障害がないので、直ぐにいけるということだ。
会場から、“何を言ってるんだ”等の発言が飛び、騒然となる
〈安部孝〉
関連で、朝倉さん。(傍聴席に向けて)静粛にお願いしたい。
〈朝倉亮〉
教育長にお伺いするが、共学化というのは全県で既に決定しているということを今、言われた。こういうことが背景にあるから、学校長から具申されれば直ぐやるんだという考えになるのだ。
要するに、13年の構想に出ている関係8校に共通しているものは何なのか、それから二高だけがクリアしたというものは何なのか具体的に言ってほしい。例えば、さっきの一高の問題だって同じことだが、一高には通信制の問題がある。それから校内にもいろいろ意見があってまとまらない問題がある。じゃあ、二高も同じじゃないか、共通しているじゃないか。
だから、13年構想を実現するのに8校に共通している問題、二高だけがクリアした問題などをはっきりしてほしい。
〈安部孝〉
じゃあ、認識の問題で、はい、教育長。
〈白石晃〉
それは認識が全然違うと思う。我々がさっきから言っているように、12年度に作った将来構想の上に立ってやっているわけで、そのところはもう全然駄目だよと言われれば、時計を元に戻すしかないが、それはできないと言っているのだ。
会場から、“何でできないんだよ”の発言が飛び、またまた騒然となる
佐藤茂氏から、“針を戻せとは言っていない。ちゃんと説明しなさいと言っているのだ”との発言あり
安部孝氏より、“教育長、続けて…”との発言があり、教育長の発言が続く
〈白石晃〉
それで、何でそうなるのかというところは、PTAの質問書にもあったように、何で共学化を進めるんだという話については、これは言語化して文書で返しており、その部分で説明していると我々は思っている。
だから我々は今の時点、平成17年時点で、12年度の構想の上に立って、その構想を実現するために仙台市の部分は遅れているが、ほかの地域は全部共学化を進めてきた。だから、例えばさっきから言うように、構想に則って角田、築館、古川、石巻、これは全部やってきている。そして残った部分については、問題は「いつから開始するか」ということだけだ。そうすると、開始時期をいつからやるかという設定を、これはもう何回も言っているけれども2つある。2つの条件が揃ったから二高は18年にしたという話だ。
〈安部孝〉
そのことについて、反論があれば…、はい、じゃあ、高橋さん。
〈高橋正道〉
先程から聞いていると、実は私が最初に申し上げたことで始まっていることだが、教育長が今、2つのことをクリアしたと仰っているが、実際には議会・県教育委員会を含めて、関係者の理解を得なさいということが第3の条件なのだ。
それを無視して進めてきたから、議会も、また議会の採択があったから県教育委員会もそうなのかも知れないが、1年間をかけて理解を求めなさいということを言っているのだ。だから、2つだけの条件で先に走るというのはおかしい。それが1つ言いたいことだ。それから、地方高校と市内の高校というのは、差をつけるわけではないが、地域的な問題として地方の高校はいろいろ歴史的な経過を含めて学区制があって、それで今回、少子化という現象が出てきて統合せざるを得ないという状況で、各地区がそのようにさせられているわけである。
仙台市というのは行政の単位としては(仙台市)1つである。県が学区制を決めているから分かれているように見えるが、実際にはみんな仙台市民だ。だから仙台市の中で、対象のメンバーからすればなぜ二高が先行するのか、それは非常に公平感を欠くという疑問が絶対的にあるのだ。
だから、県がその考え方だけで行政のごり押しをしてるじゃないかと言われるのは、今のその条件の問題と、そういう地域に関する考え方というのが、ある意味では我々からすれば一方的になされているという印象があるからだと思う。
それからもう1つ、先程ちょっと触れようと思ったのだが、二高以外の各学校について、今回二高が18年度となったからこうやって要望書も出し、請願書も出し、議会が採択をし、それから県教育委員会も入って1年延ばして話し合いなさいと言っているのだが、ほかの学校だって同じ問題を抱えるいるのだ。それに対して今までどういうことをしているのか。
だから、「連絡会」と話し合いましょうと再三言っているのに、県教委はその申し入れを断って話合う必要はないと言っているが、二高と同じような過ちを-我々は過ちだと思っているが-これだけ非常に大きな問題になっており、そういうことをまた各学校に対しても繰り返そうとしている。
〈安部孝〉
これは質問になると思うが、はい、教育長。
〈白石晃〉
まず「連絡会」との関係だが、こことの話合いはあくまでも請願を出す際のことであり、その後、「連絡会」から話合いを持ってくれという要求があった。
高橋さんも私もいろいろ話したところだが、あくまでも我々は、請願を受け取ってから請願をどうするかということでの話合いですよということでの条件があって、それで話をしたわけだ。その後、請願が議会で附帯意見を付けながら、ああいう形の決着を見たということなのだから、その時点で「連絡会」との話し合いは終わりでしょうねということになったと(考えている)。それが1つ。
それからもう1つ、仙台市内の高校と仙台市以外の学校とは違うのではないかと…、
〈高橋正道〉
違うとは言っていない。地域事情が違うんじゃないかと…、
〈白石晃〉
少子化の話でいえば、確かに仙台市はほかの地域と比べればさほどないでしょうと、違うものがあるんではないかというお話だが、それはいわば統合の契機があってそれで共学化したいということだ。
その点で捉えれば、違いはあるかも知れないが、おしなべて男女共学ということでの切り口は全く同じだ。これが1つ。
それから、請願で1年延ばしたということだが、さっきから言っているように、1年延ばせということの前提としては、二高での条件が整ったということで我々は18年4月に共学化を開始するということを発表したということであり、その後同窓会、PTAそれから生徒会からいろいろ話が出てきて、それがそのまんまこじれた関係が請願というところまで持ち込まれたということだ。
それで最終的に議会としては、将来構想については尊重するけれども、全体的なスケジュールをきっちりと出しなさい。それから学区、学力、それもきっちりとしなさい。それから3つ目としては、これは二高だけの話だが1年延期しなさいと。そしてその間、十分な話合いをしなさいということだ。
高橋さんが言うように、そこは県教委が同窓会、あるいはPTAに対しての説明が不十分だったのではないかというような意識が議会筋の方からあって、県教委が18年度にやると発表したにもかかわらずやっぱり1年延ばしなさいと、そして1年延ばした中で話合いをしなさいということになったと我々は理解している。
〈高橋正道〉
もう1つ申し上げた。まだ発表になってない学校に二高と同じ関係で、同じ問題を抱えているから…、
〈白石晃〉
もう1つは先程から言っているように、共学化をいつから開始するかについては県教委が学校といろいろ協議して決める。県教委が決める。
ここで佐藤茂氏から、“関係者の理解というのはどうなったの?”との発言あり
〈白石晃〉
県教委が決めてそれを発表する。それで発表してから、いずれああだこうだという議論はまたここと同じように出てくると思う。
ここで佐藤茂氏より、“関係者の理解を得てないからでしょう”との発言あり
〈白石晃〉
ということで、それはその時点からいろんな話合いが出てくるだろうと思っている。
〈安部孝〉
先程から女性の方がずっと手をあげているので、関連で、はい、どうぞ。
〈渡邊世津〉
この調整会議をどういう形で持っていくかということで、県の方から2人の方が来られて、その方達とすり合わせを行った。その時点で、二高が18年度になるのであれば、遡っていつから説明を受けたか、22年度に一律共学化するのであればその期間と同じくらい、ほかの学校にも当然説明されますよねということを私が質問したら、“いやぁ、それがまだなんですよ”って、それで頭を抱えていた方が2人ほどいらしたよね、浜田さん、そうだったよね。
そのような話があったのだ。私は、(浜田毅氏に向かって)あなたに“じゃあ、二高だけでもう終わりなんですかって”、その時に話した。そしたら、“いやこれから早急に進めます”と。
そして、年が変わったらもうばたばたばた、“ほかの学校も22年度にはなるから、今進めてますから”と言って…、それってやはりおかしいんじゃないかと、もうその時から、「えー」って、この信頼関係とは何か、えっ、何を話しても本当に信頼できるのかなと…。
その時さえ言いくるめれば、それで次はもう二高だけが(共学化に)なって、あとはちょっと条件が揃わないとか何かそういうことで、もう統合してしまうのかなという不安がすごくある。それでその方がどこかの、今回話題にあがっているところの校長先生で行かれたけれども、その時のことを私のもうしっかり覚えている。
〈安部孝〉
はい、では浜田さん。
〈浜田毅〉
私が、PTAではなくて「親の会」といろいろ意見交換をしましょうということで、行ったときの話合いのことで、今、渡邊さんの言ったのはどういうことなのかなと私はちょっと…、
〈渡邊世津〉
いえ、私はそんなに深くものを考えて質問できなかったものだから、単純な質問しかしなかった。二高を18年度で進めるのであれば、それに遡って説明を受けた時期があるはずで、その同じ時間をかけて他校にも説明しますかっていう質問をしたものだ。
〈浜田毅〉
他校はまだ発表していない時期だから…、少なくとも正式な説明というのは共学化開始時期を発表した後に説明することになるので…、
〈渡邊世津〉
いえ、その時はもう出ていた。みんな知っていた。
〈安部孝〉
茶飲み話になるのはちょっとまずいので…、じゃあ、この辺をちょっと整理して、次長。
〈鈴木隆一〉
さっき渡邊さんから、22年度、あるいは二高だけが共学になって、ほかの8校はそのままということがありうるかどうか、あり得るようなお話があったが、そういうことは絶対にない。
〈渡邊世津〉
でも先に延びるということは得る。
〈鈴木隆一〉
「先」というのは22年以降ということか?それはもうない。
〈渡邊世津〉
でも二高に説明した期間は、やはりほかの学校も要すると思う。それをなくして、“(共学化が)進んでいるので、もう2年しかありませんけど始めます”って言ったら、やまりまたそれはすごい大きな問題になるんじゃないかなと思う。
〈安部孝〉
はい、次長。
〈鈴木隆一〉
だから、PTAの皆さんにお示ししたペーパーの一覧表にも書いてあるが、そういうことを今きっちり詰めている。いずれ教育長が言ったように近々全体スケジュルを発表するので、あとはそれに向かって我々としては全力で進む。そのための課題の解決なり条件の整備は今やらせて頂いている。
〈安部孝〉
鈴木(かおる)さん、どうぞ。
〈鈴木かおる〉
すごく単純な計算だが、二高が具体的に18年度からということで説明を受け始めたのが2年ちょっと前、具体的な数字が出たのが単純に考えて5年以上前だ。
でも、17年度から22年までに4年はない、ないというか、ほとんどぎりぎりだ。そこに全ての学校がざーっと行くのかなというのはとても信じがたいし、ほかの学校も大変だろうと思うが…。
〈安部孝〉
考えられないということだが…、はい、次長。
〈鈴木隆一〉
そこはもちろん、予算的なこととか、そういうことも加味してながら、スケジュールを立てるわけで、ご心配の向きも分からないわけではないが、我々としてもきっちりやらせて頂く。
〈鈴木かおる〉
その発表は行われないということか。発表は行われないで水面下で行われるということか。何年度というふうに発表されている学校は、はっきり22年までという数字はよく見るが、具体的に20年度とか、そういうふうに発表した学校はあるのか。
〈鈴木隆一〉
今、8校についてそれをやっているところだ。22年度までの間で、いつ、何々というのが、言ってみればスケジュールだ。
〈高橋正道〉
基本的な問題が置き去りになりそうなので…、
〈安部孝〉
PTAの話題も取り上げなければならないので…、取りあえず同窓会としてまとめて下さい。はい、高橋さん。
〈高橋正道〉
先程教育長にお伺いした中で特に問題なのは、佐藤茂君からも出たのだが、条件が2つあると。それさえクリアすれば、強行していいんだというふうにお答えになっていたけれど、条件は2つだけではない。
議会の採択の中でも、県教委は話合いをしなさいというのは、黙っていれば(県教委は)話合いを抜いてやってしまうところだったけれども、(我々が)黙っていなかった。これからはほかの学校も黙っていないと思う。だから、この条件をクリアしなければ前には進めないのだ。
それを抜きにしてやろうとするから問題が大きくなっていくので、それを2つだけでいいんだというふうに決めて、2つの条件が揃ったから二高をやったんだというふうな言い方は非常に乱暴なので、今、県教委がそういう考え方だったらこんな話合いなんか必要ないということと同じことだ。
〈安部孝〉
はい、朝倉さん。
〈朝倉亮〉
じゃあ、二高の条件が揃ったということについて、仮にその前提で質問する。共学にした場合、グラウンドはどうなるのか。共学になった場合、女子高生はソフトボルなどをやる必要はないのか。それは学校教育法違反だろう。
「心身の健全な発達に応じた常識ある人間を育てること」、これが学校教育法だ。高等教育の目的だ。
ソフトボールもできない、体育館も共通でどっちも駄目になる。そういう不完全な学校教育をやっていいのか。学校教育法違反だ。学校教育法をもう1回読んでみよ。
〈安部孝〉
黒川課長。
〈黒川利司〉
説明させて頂く。学校教育法には高校教育の目的と目標が示されている。それはあくまで高校教育の目標と目的であって、例えば学校設置基準というのがあり、そこにはどれぐらいの面積のグラウンドがなければならないとか、そういう具体的な規定はない。
ここで同窓会側から、“だからどうだっていいということには
ならないではないか”との発言あり
だから、そういう規定は具体的にはないということだ。
〈朝倉亮〉
(具体的な規定が)ないということだけだろう?
しかし、じゃあ、各校に完全な体育館があるとして、それを男女共学にして、今度は倍ぐらい必要になるが、今、完全なものをなぜ不完全な状態にするのか。
〈黒川利司〉
学校によっては面積の広い学校、狭い学校それぞれある。ただ、狭い学校の中でも一生懸命やっている学校もある。
〈朝倉亮〉
怪我をしたらどうするのか。
〈安部孝〉
ちょっとこの議論はやめたい。
〈高橋正道〉
私は先程、教育長に質問をしているのでそれに答えて頂きたい。
〈安部孝〉
しゃあ、ここで一通りまとめて、教育長。
〈白石晃〉
先程、「強行」というお話があった。
〈高橋正道〉
表現は別として、実際にやってらっしゃるわけだから…、
〈白石晃〉
実際はそういう条件が整ったからやると、それで…、
〈高橋正道〉
それは県教委が考えている「条件」ではないか?
〈白石晃〉
さっきから言うように、問題はあくまでこの学校においていつから共学を開始するかということだけだ。問題はそこだ。根幹的な話については本当に同じことを何度も喋っている。結局はその構想段階で、その延長に我々は立っている。
だからその延長に立てば、あくまで二高をいつから共学にするかということだけだ。そしてそのいつからやるかというときも、条件としてはそういうことなんだということを説明しているのだ。
〈高橋正道〉
県教委は条件を2つだけ仰っるが、今のこの民主主義の世の中で関係者の理解が得られないままに、その2つだけの条件で進められると思っているのか。
〈白石晃〉
一応、18年度でやりますよということで発表して、それは内示をした。7月にやるという内示をした。
〈高橋正道〉
それに問題があるのだ。
〈佐藤茂〉
内示に何か根拠があるのか。そんなの関係ないと思う。
〈白石晃〉
「内示をした」という手続きも一応した。これについてはおおっぴらになるわけだから、そこの段階からもう議論にはなるだろうと(思う)。それは当然の話だ。それで我々としてもそういうことを唐突に発表すると、それこそ同窓会、PTAは新聞紙上で初めて見たということになり、困るだろうということになって、あくまでも事前情報として流したということだ。そういうことがあって、5月の初めぐらいになるが発表した。
そしてその間、学校当局の方から主だった人達に話をした。それでいずれ発表すれば、それこそ根本論から始まっていろんなご意見が出てくるのは当然の話だ。だからそこはとにかく発表してからも経過でいろいろ書いているけれども、いろんな形で説明した。そしてその1年間かけてやったんだけれども請願という形が出されて、議会としてはそれでは不十分ではないかと。従って、1年延ばせということでの結論になった。
〈高橋正道〉
なぜ要望書が出、請願が出たかという経過を理解していないからそのように仰るが、この問題は必ず後からもう1回出すけれども、今のような「あれっ」というのは、内示をした、伝わってるはずだと思っているが、全然伝わってない。校長が言ってないんだから。
そういうことを確認して、確かに伝わっているということを確認して仰っているんだったら別だが、校長は聞いていないと(言っている)。内示しなさいという指示をしたのかも知れないが、校長は実際に同窓会にそのことは言っていない。直前に明日何か発表があると、だけど二高が入るかとか何かいうのは全く分からないと言っていた。
〈安部孝〉
はい、じゃあ、ここまでのところで、教育長。
〈白石晃〉
高橋さんはそう仰るけれども、この話題は前回の第1番目の質問に絡んでくる。
〈高橋正道〉
だからこれまた戻るよ。
〈白石晃〉
戻るから、先程副会長さんがさらっと流したんだが、例えば正式説明の有無について説明を求めたいということであるが、これは先程から言っているように県教委はPTAや同窓会には直接これはやってない、正式発表前はやってない。
〈佐藤茂〉
それが問題なのだ。
〈白石晃〉
だからさっきから言うように、内示の話をしたのだ。
〈高橋正道〉
公示をしたつもりでいるだけだ。
〈白石晃〉
それから、学校が関係者に正式説明を行ったことを確認したのかというようなご質問があったが、これは確認している。
〈高橋正道〉
確認してると言うが、こっちが聞いてないので何の確認か分からないけれども…、校長先生もサラリーマンだからね。
〈白石晃〉
日付まで言ってしまえば言える話だが、これは確認している。それは、内示をした段階で、お話をして関係者のご意見はどうだったのかを取りまとめて報告しなさいということにしている。
ここで佐藤茂氏より、“まとめてないんじゃないですか?”との発言あり
取りまとめをしたんだ。それで一応その中で…、
〈高橋正道〉
じゃあ、それではあとで文書のコピーをもらいたい。
〈白石晃〉
それはこの前の経緯、あれを見れば十分分かるはずだ。
〈高橋正道〉
何月何日、誰々校長が、どういうことで伝えたというような…。
〈白石晃〉
十分に分かるはずだ。だから同窓会の三役に対してこれを説明しているよと、日にちについてはあの経緯にちゃんと書いてある。経緯に書いてあるから、高橋さんの日記帳なら日記帳を見てほしい。それで受けたかどうか、そしてまた、副会長さんの一人が、そこにいなかったので、学校としては電話で連絡しているという事実もある。そういった事実もあるから…。
〈高橋正道〉
それは調べてみないと分からない。
〈白石晃〉
我々の記録として残っているのはそういうことだ。だからこそ言うのだ。
〈高橋正道〉
ただそれで理解を得たということにはならない。
ここで朝倉亮氏等から、“そんなことが何の根拠になるんですか。
何の根拠にもならないです”との発言あり
〈安部孝〉
取りあえず1時間経った。あと残されている時間は1時間なのでPTAの方からの質問を。
〈鈴木密明〉
前回、教育長をはじめここにご列席の8名の方にいろいろお聞きした。
共学・別学についてどういう不都合があるかというご質問をさせて頂いたところ、もう1度レジュメを読むと、不都合ではないという方が3名、分からないと仰った方が4名、それから、男子高でコミュニケーションがとれなかったから男子高は嫌だいう方が1名おられた。
つまり、不都合でない方が3名、分からないという方が4名いらっしゃる。実際、宮城県の高校教育の将来を考えると大変失礼だけれども、分からないというのは裏を返せば宮城県の教育がどうあるべきかということを真摯に考えなきゃならないのではないかと。
先程、大変寂しいお話で、もう既に12年度に決定したことだからこのまま行ってしまうという考え方で本当に宮城県の教育というのが大丈夫なのか。そして宮城県の一番大きな課題は、ご存知のとおり、今のままで行くと2007年には準用財政再建団体に転落するという予測がある。17年度の地方債、いわゆる赤字額が今の見込みで行くと2兆3,835億円で、普通の会社だと2007年には倒産だ。それでご存知だと思うが、平成13年10月に宮城県は財政再建推進プログラムというのを発表している。多分これが全ての宮城県の県政の出発点だと思う。その中に教育問題も含まれていると思う。その中で極めて厳しい財政運営を迫られているというふうにうたっている。
平成13年に策定した、今申し上げた財政再建推進プログラムに則って、徹底した支出・歳出削減策を図るといっている。但し、その中で緊急性や優先度の高い施策には重点的に配分するともいっている。
具体的にいうと、地震の問題とか宮城らしい教育の実現にはお金を使おうといっている。この「みやぎらしい教育の実現」というのは非常に重い言葉だと思う。見ておられると思うが、「みやぎらしい」というのは全部平仮名だ。「宮城県の」ということじゃなくて、「みやぎらしい」、そこに県側も本当に宮城県の学力をよくしようという思いがこの中に含まれていると私は思っている。
その中で浅野知事は、みやぎらしい教育の実現として「一人一人の個性を尊重し、創造性や能力を伸ばす選択肢の多い学校とか施設を作って行こう」と言っている。そして、2002年3月に県の総務部広報課がホームページで、このみやぎらいし教育の実現はどうやったら最もよい教育を与えることができるのか、ここを検討しなければならないとうたっている。
そして、財政再建プログラムの中に大規模事業の具体的な見直しということで、県立高等学校等の施設整備という欄がある。読ませてもらうと、「県立高等学校等の施設整備事業については、現在の整備費を縮減し、それぞれの施設整備について見直しを行って下さい」となっている。これを踏まえて教育庁のところでは、現状維持または所得額の確保に努める事業一覧、いわゆる削減をするけれども教育庁関係については2つほど確保しましょうといっている。
1つは県立全日制高等学校管理経費と生徒の教育書活動に直接かかわる経費であることから、必要額の確保に努める、つまり苦しい財政の中でよりよい学校にするためなら、県側としてはお金を出しましょうといっている。
それなのに今聞いていると、既に12年度に決まったことだから一律にやってしまおうと。そんなことで宮城県の教育って、本当によくなるのだろうか。我々は単に反対しているわけではない。
いろいろ県の財政を考えて、非常に切り詰めた財政運営をしながら、学校には十分なお金を投資しようという中で、単に決まったことだからメリット・デメリットも考えない、しかもこの前頂いた回答の中で、5つほど公的機関だから、家庭科が男女必須科目になったから、性差がなくなったから等々の議論で片づけられる問題なのだろうか。それが多分、PTAの多くのお母さんの生の声だと思う。そんな簡単にこの問題を制度が決まったことだからやってしまおうというのは、何かすごく悲しくなってしまう。教育長、そんなことで宮城県の教育を考えて本当によいのだろうか。
私は反対のための反対じゃなくて、お母さんのいろんな意見を聞いて、本当に学力の問題等いろんな問題がある一方で、制度的には何ら問題がない。それなのに一方的に(共学化を)やってしまっていいのかなというのがお母さん方の意見だと思う。長くなってしまい申し訳ない。
〈安部孝〉
ちょっと大きな議論だが、教育長、まとめて。
〈白石晃〉
将来構想というのは、男女共学化だけの話ではない。当然に先程言った特色ある学校づくりとかいろんなものが入っている。そしてそれをまとめたのが将来構想だ。男女共学化については1つの施策として入っている。それで、我々は男女共学を進めるけれども、特色ある学校づくりというのは当然やる。それは総合学科であるとか、中高一貫教育であるとか、それはそういった方面もとにかくやる。
それからる学力向上の話も当然、問題としてある。そういったものを全て網羅的に全体を見回してそれをやるのが教育行政だと思っている。
それで先程、財政再建プログラムのお話があった。私もちょっと関わったが、あの時は4年で800億円、、1年間に200億円ずつ返していくということであり、そのプログラムに一応私も関わっているけれども、その際には切り詰めるところは切り詰めて行きましょうということにしていた。
そして方法論としては、要らないものから順番に切って行きましょうという荒っぽいこともやっている。
それで例えば、学校の施設整備の関係も全体枠の中でどの程度取るかということなので、今までの具体的な数字を申し上げると、施設整備費の関係では100億円取っていた。それを取っていたんだけれども、そういう財政再建プログラムをやる際には、これを15億円カットしましょう、85億円でやりましょうと。85億円の中で、全部将来的な話も含めてその中で考えて行きましょうということにした。そしてそれは今も続いている。85億円の中でずーっとやってきてるから我々は財政的にかなり厳しい状況にある。そうするとその回し方をこれから男女共学の関係でいけばハードの整備が出てくるから、その時にどういう回し方をするのか、それが一気に膨らんでいけば85億円なんていうのは直ぐに吹っ飛ぶことになる。
そういうことはできないので、あくまでも学校の整備計画というものをきっちりと作っておいて、85億円の中で、85億円ということは例えば、4ヵ年であれば大体300億円あるから、300億円の中でどう回していくのかという議論になる。
それをやりながら男女共学をいかに進めるべきかという議論をやる。
だからここら辺の回答がちょっと散漫になってしまったけれども、財政的な話もやっているし、それから宮城県のこれからの教育というのはどうあるべきかということも男女共学も含めてだが、十分に議論しているところだ。
ここら辺はほかに何をやっているのかということがあれば、ほかにもっと出してもよいが、いずれいろんな問題が出てくるので、それらを網羅的にやっているというのが事実である。
〈安部孝〉
はい、鈴木会長。
〈鈴木密明〉
今お話を伺うと、教育長も財政再建推進プログラムをお作りになった中で、改革の実施に関しては事務事業の縮小や廃止、サービスの制限などで痛みを伴うけれどもやるということになっている。県の税金を使いながらやっていくわけだが、ある試算によると残りの8校を共学化した場合の投資金額は数百億円にもなるということだ。浜田さん、違うだろうか。
〈浜田毅〉
数百億円というと、結構ばらつきがあるので…。
〈鈴木密明〉
では、どのくらいの認識か、ちょっと教えて頂きたい。
〈浜田毅〉
それについては、今はちょっと…、大きな話なので…。
〈鈴木密明〉
県の税金を使うわけだから、県の方が明確にすべきだと思う。
〈浜田毅〉
先程言ったように、今、財政危機も含めてできるだけそういう調整をしており、今日は4回目の会議だが、できるだけ早く、できたら本当に近いうちに…、大きな校舎の改築というようなところもあるので、そういった話を庁内でオーソライズしながら発表できればということで…、何百億という話は私には分からないが、そういった大きな話も含んでいることは確かだ。
〈鈴木密明〉
約3兆円の赤字、17年度、3兆円の赤字の中で何百億というお金を使うことになる。
ここで県教委側から、“3兆円というのは、その…”という発言あり
〈鈴木密明〉
私のデータの取り方がちょっと違うかも分からないけれども…、
〈白石晃〉
おそらく今、起債の関係では1兆4千億円から3千億円…、
〈鈴木密明〉
赤字?
〈白石晃〉
いえいえ、起債。
〈鈴木密明〉
じゃあ、財政赤字は17年度でいくらぐらいになるのだろうか。
〈白石晃〉
赤字をどう捉えるかということもあるけれども…、
〈鈴木密明〉
いわゆる財源不足、調整額として…、
〈白石晃〉
調整額については、これからの話だけれども、いずれ財政当局の方でプログラムを出すだろうが、一応18,19,20,21年度,それでいわれているのが2千億円という数字が出ている。
〈鈴木密明〉
2千億円、それは赤の2千億円?
〈白石晃〉
当然、赤だ。
〈鈴木密明〉
じゃあ、2兆でも2千億でもよいが、我々庶民にとってみれば途方もないお金だ。その中でいわゆる県の税金の議論もせずに、何ら変更をする制度もないものにお金を投入する。もう少し議論があってもよいと思う。
それで県民1人当たり、県税をいくら払っているか浜田課長ご存知か。普通の大体年収500万円の人間が県税をいくらぐらい払っていると思うか。
〈浜田毅〉
県税にも固定資産税からはじまっていろんな種類のものがあるんで…、500万円の方だと、固定資産税とか自動車税とかいろんなものを含めて、20万円前後になるんだろうか。
〈白石晃〉
単純に財政構造からいけば、歳入の関係でいえば交付税、それから地方税収入、それで地方税、交付税はだんだん減ってきているけれども、交付税が大体2千億ちょっと超えるんではなかろうか、地方税そのものは2千2~3百億というところだ。だから、それを230万人(宮城県の人口)で割ればという感じだ。
それで先程の財政再建団体の話だが、一般財源4千4~5百億円の5%、200億円超ぐらいの差が出てくれば制度上は赤字団体と考えられる。
〈安部孝〉
財政の話になってしまったんだけれども、はい、鈴木次長。
〈鈴木隆一〉
(鈴木)会長さんの仰ることはよく分かるけれども、県全体の年度予算が総会計で1兆円ぐらい、一般会計で8千億円ぐらいある。そういう中で、先程言ったのは、施設整備が85億ぐらいの枠の中で、我々は学校補修だとか、あるいは新設校があれば新設するという仕事をしている。
県全体でいえば、先程の教育長の話では25%ぐらいの予算があるが、そのほとんどが人件費だ。9割以上が人件費、先生が2万人いる。仙台市の職員も県費で払っている。そういうわけで25%の中の大部分が人件費だ。そういう構造になっているけれども、ただそれは、今、例えば二高の改修だとか、あるいは統合するときの新設校に対する予算だとか、大変厳しい中で、22年度までの中でスケジュールにはめ込んでいくことになる。
そのほかにもいろんな事業があるわけだから大変苦しい。そこは優先順位をきっちり議論して、財政課ともやり合いながら内部での、各課でやりたい仕事がいっぱいあるわけだから、そういう議論をしながら予算を組んでいる。
鈴木会長さんが言うのも分かるが、そこだけをとらまえた議論にはならないので、そこは是非ご理解頂きたいと思う。
〈安部孝〉
高橋さん。
〈高橋正道〉
いろんな数字が出たけれども、問題は大分先に一律共学化を決めて、もう何年も経っている。県教委は地方を統合で共学にした時から仙台もやると言ってるんだと、そういう約束もしているから仙台もやらざるを得ないというが、地方の状況と仙台の状況は違う。その間に財政状況も変わってきている。
そういうことに対して当然見直しがあって、仙台もそのうち少子化がもっと進んで今の地方と同じように状態になったときには考えなくてはならないかも知れない。今、一律共学を決めたから、地方をやったから仙台市もやるんだということで、特に二高を18年度と言い出したというのは非常に乱暴なので、それは慎重にやるべきだったと思う。
それを行政の力で突破しようとしているからおかしなことになるんじゃないかと、これは普通の常識で考えたらそういう見直しがあってもよいのに、これについては全く触れないで進めようとだけしていると、また、ほかのところは22年度といってるだけでさっぱり進まないのは、多分財政問題が絡んでいるんじゃないのかなと、二高が一番お金がかからないでやれそうだからというようなこともあるんじゃないのかななど、いろんな勘ぐりがある。
ただ、教育行政全体のことだからもっと慎重にやるべきじゃないかという意見は、かなり良識のある人には言われている。そういうことについて一顧だにしないで進めようとしていることが一番の問題だと思う。
〈安部孝〉
ちょっと予算の話なんで最後にしたい。今の話に対して、はい、矢吹さん。
〈矢吹隆志〉
皆さんご存知だと思うが、地方で、郡部でという言葉がよいか悪いか分からないけれども、合併による共学は3地区である。合併による統合は角田、栗原、気仙沼の3つだ。古川高校と旧古川女子高は単独共学だ。だから2つの学校が残っている。石巻高校は単独、石巻女子高は好文館という高等学校に変わり単独共学だ。
だから郡部だからということではなくて、確かに統合によるのは3つある。そういう意味では、誤解なさらないように、知識として…。
〈高橋正道〉
誤解はしていない。ただね、財政状況が影響しているんだと思うが、やむを得ずなのか、喜んでなのか、その事情は分からないが、とにかく統合になったところはむしろ非常に期待して、OKしてから非常にそういう夢を持っていたと思う。
ところが、実際には保護者とか何かが最初に考えたのと違って、言うならば安普請みたいな感じでがっくりしているというようなことも聞いている、確認はしていないが…。財政問題はそういうふうにかなり影響してきているはずだ。
だから、仙台市をやろうするときにはそういう財政問題が必ず引っかかってくるだろうと思うので、その辺を踏まえた見直しがあってもいいんじゃないのかなということで、そういうことを言うのは当然のことだと思う。
それは反対だとか何だとかいう問題じゃなくて、行政の方が本当に考えなくちゃならないことを民間人が言ってるのだ。
〈安部孝〉
鈴木次長。
〈鈴木隆一〉
仰りたいことはよく分かる。やはり今日の会議の冒頭で、我々がまだ全体スケジュールを示さないということで、いろんな憶測なり心配なりがあるというのはあらためて感じた。
だから教育長も先般申し上げたけれども、その辺のスケジュールについてはやはり最大限の努力をして、できるだけ早く出させて頂く。
あとはもう1つ、高橋副会長さんが仰っている例えば22年をもう少し先延ばしするとか、今までのその考え方を変えるとかというお話にも言及されていると思うが、そこは前回の県議会の議論もあり、それを受けての委員会での議論もある。
だから施策としては固まっているということで、そこをクルクル変えるということは、仕事のやり方というか、県政の大きな施策の進め方としてそれはすべきではないというふうに思う。
〈安部孝〉
最後の関係で、はい、柴田さん。
〈柴田克彦〉
今、鈴木次長さんの言われたことは、県の一職員としては非常にけしからんことだと私は思う。
もうとにかく議論はしないんだ、結局、全部男女共学にするんだ、その決定の上で話合いをするんだ、この決定の線を認めなければ話合いはしないんだ、という態度だ。
例えば、財政問題について鈴木会長あるいは高橋副会長から話が出たが、私のもとにもこういうデータがある。
それは白石教育長よりも3代前まで、この前だと柿崎教育長とか、今は県政の中枢にいる方、こういう方のご意見は聞いていない。その前の教育長さん達、3代前の、名前をいえと言われれば言うが、今日は名前は言わないつもりだ。
こういう方のご意見を聞いても、今これだけ宮城県の財政のひどいときに、誰もが望まない、もっともっと検討すべき男女教育の問題になぜ大金を使うのか、というような意見の方が非常に多いことだ。
同じように仙台二高の校長さんにも一応話は聞いている。前の校長さんは不運にも自分の発言がなくて定年でお辞めになった。その前の校長さん、これも名前は申し上げない。このお二人が(共学化の)準備が整ったとか何とか言った人だ。この2人は何をしたのか。
教育庁の次長から二高の校長に行った人だ。教育庁で無我夢中でいろいろ作った人達だ。その前の人も教育次長から(二高に)行っている。この方は勘弁して下さいというような話だったが、その前の人達はこんな馬鹿なことをやってもいいのかというふうに話しておられる。中には、「俺の名前さえ出さなければ、俺はいっぱい書いてやる」と言ってくれる元二高の校長さんもいらっしゃる。
それからもう1つ、宮城県の公立高校の校長さんを退職した方で、今生きている方が、400人ちょっとおり、毎年1回この方々が集まっている。でも元気で集まってくる方は、まあ、いろんな用事もあるから大体130人ぐらい。多分80歳前後までだと思う。こういう130人ぐらいの方々に、「今、一斉男女共学化をしようとしているけれども、宮城県の教育界で一体何をしなければならないのか」ということについて、仙台市と地方とに分けて「ご意見はどうなんですか」というアンケートをとった。
100通のアンケートをお願いしたら、約60通集まった。その中の70%の人は、今、宮城県の教育界でやるべきことは、まず財政をきちんとし、しかも学力問題などもある程度きちんとした上で、男女共学を考えるべきだ。
仙台市の男女共学はもっときちんと考えなきゃ駄目だと、61歳から80歳ぐらいまでの、県教委の課長さん、部長さんよりももっともっと40年も教育に尽くされた方々がそう言っているのだ。
「男女共学をどうするんですか」という真っ正面からの質問に対しては、こういうことを言っている。
いつかは話合いの上で男女共学の時代はくるでしょう。しかし今はその時期ではない。まず一番にやらなければならないのは、県教委が知事の意向を受けて、知事の県政の1つとしてやらなきゃならないんだという態度を捨てて、本当の男女共学とはどうあるべきなのか、男女共学がよりベターなんだと、―ベストというものはないから―、そういうことを十分に話合い、県民に理解させてこそ男女共学が可能なのであろう。こんなふうな形で返事を下さった方が50%を超している。
さっき浜田さんや鈴木さんが言っていたが、宮城県の財政は本当に大変な状態にあるんだろうと思う。そのようなことを無視して、例えば一高の通信制をなくす、そのために何もかも含めて60億円をポンと出す。そのほか22年まであと3年か4年しかないのに全部立派にしますよ、ある程度理想、夢を持てるような学校にしますよ、そんなお金は今出せる状態じゃないでしょう。
そういう面で鈴木会長が発言し、そして財政のことまできちんとお話をしているんだ。あなた方はそういうことをもう少し考えてほしい。
〈安部孝〉
意見の陳述のようになったが、回答というのはあるのか。校長先生の名前もちょっと出たんだけど、今の二高の校長先生ということではないと思う。議事録の関係もあるから…。
〈柴田克彦〉
前の二高の校長先生は言いたくても何も言わないうちに2年間でお辞めになった。その前の二高の校長さんと、その前の二高の校長さん、これは共学大賛成で県教委の教育次長をなさったあたりからこれに関与していた。
それで二高の校長にそれぞれ2年ぐらいいた校長先生、それ以前の校長先生は、県教委の次長までされてもこういう問題は一切処理していない。
〈安部孝〉
はい、鈴木次長。
〈鈴木隆一〉
我々からすれば大先輩である柴田さんの貴重なご意見は拝聴させて頂いた。
柴田先輩の周辺でそれぞれいろんな意見を言う人はやっぱりいると思う。それはそれで分かる。
ただ我々としてもその構想を作るに当たっては、全てオープンで議論している。もちろん議会、先程から何回も申し上げているように、県民の意見の集約をして議論をする場というのはやっぱり最大のものは議会だ。あとは県教育委員会だ。
皆さんも議会の方に随分働きかけたり、説明もしたと思う。その中で議会の議員にもいろんな説明をしたと思う。今、安部さんもこういう立場としておられるが、(前文教警察委員会の)委員長としてやってこられた。だから経緯も随分分かっておられると思うし、安部前委員長に対しても随分説明をしたと思う。
それが年4回の議会の中の議論を経て、結果として請願の採択、最大のテーマであった採択についても結論が出た。それを受けて何回も申し上げるが、県教育委員会でも結論を出した。それを前提として我々は仕事を進めている。
人生の大先輩である柴田さんの仰ることもよく分かる。ただ私が感じているのは、いずれはくるという話もいろんな人の意見の中にあるという話だったものだから、それはそれでやっぱりご理解頂いている部分もあるのかなというふうには感じた。私としては非常にホッとしているところもある。
〈安部孝〉
じゃあ、佐藤さん。
〈佐藤茂〉
議会、議会と仰るが、例えば平成13年3月の議会でどういう話、議論がなされたのか私が調べた。例えば本会議では、質問があってそれに対して当時の柿崎教育長が、将来構想の中間報告でございますと言って何かを報告する。それだけだ。
それからその元である文教警察委員会、これも議事録を調べたけれども、当時の小野寺初正委員長が、「県教育庁側から将来構想について説明を受けた」と、ただそれだけだ。議会として何か議論をしているのかといったらろくな議論はしていない。それが事実だと思う。
〈安部孝〉
(話題が)議会の方にきたが…、何か反論がある?
〈鈴木隆一〉
ある。
〈安部孝〉
じゃあ、事実の確認という意味で…。
〈鈴木隆一〉
要するに議会というのは、委員会なり何なりで我々が説明をする。そこに質疑、反論がある。これはまずいとか質疑があれば議員の方からどんどんくる。そういう状況だ。要するに、議員の質問を塞いで、我々が一方的に説明して、「はい、終わり」ということではないのだ。
〈佐藤茂〉
でも、報告して終わりではないか。
〈鈴木隆一〉
報告は議論をするための報告、説明なのだ。そういう場なのだ。いずれにしても委員会を傍聴されていると思う。
〈佐藤茂〉
議事録を調べた。
〈鈴木隆一〉
議事録ではなくて、議事録に書いてないということは議論がなかったということだから…。
〈佐藤茂〉
議事録は見た。議事録が全てだろう?
〈鈴木隆一〉
議事録でも何でもいいが、ただ質疑がないということは…、
〈佐藤茂〉
議事録じゃなくて、当時の教育長が小野寺初正文教警察委員長に報告して、「はい、報告を承りました」、それで終わりだ。
本会議だって、当時の教育長が「中間案でございます」と言ってるだけだ。
〈鈴木隆一〉
それは…、
〈柴田克彦〉
(鈴木隆一氏に対して)ちょっと待ってよ。今、あなたの言っていることは重大なことだよ。もしそうだとしたら、議会も県教委も県民に対して全然透明性がないよ、それは密室だよ。疑問のあった人が係に聞きに行って決めるとしたら、そこであった話はどこに出すのか、これは議会に対する侮辱だ。
〈安部孝〉
はい、鈴木次長、議会のとらえ方を。
〈鈴木隆一〉
議会の場は全てオープンである。傍聴もして頂ける。だから密室でやっているという部分は全くない。それは逆に議員に対してもまずいと思う。県民の前での議論だから、議事録もあとで当然全てオープンになる。
それから、基本的に我々の仕事のやり方はいろんな会議、委員会があるが、これも全てオープンだ。ただ残念ながら、230万人の全ての県民に、何時いつ、どういう会議があるかということを全て明らかにするというのはこれはできかねる。できる範囲ではお知らせしている。
〈柴田克彦〉
そんなことを言っているのではない。今、うちの佐藤君がこういう質問をした。12,13年当時の議事録とかそういったものを調べ、それにはこれしか載っていないよと(言った)。それに対してあなたは、「いやそんなことはない。そういうものに出ていなくとも、こっちはいろいろ議会で説明して、それに対していろいろ疑問を抱いた方、先生方は直接いろんな質問をぶつけてきます。それで解決してる」って言われたから、こういう発言になったので、そこのところをきっちりね、自分の言ったことを何を言ったかきちんとしてほしい。
〈安部孝〉
次長。
〈鈴木隆一〉
誤解があるようだが、その場での議論があるということを申し上げている。
〈柴田克彦〉
それなら質疑応答の部で議事録か何かに載っているだろう。それはないのか。
〈佐藤茂〉
そのようなものは載っていない。「報告した」と書いてあるだけ。
〈柴田克彦〉
全部ではないのか?その概要だけでも載るだろう?こういう質疑応答があったとか、はじめから終わりまでざーっと書いているんじゃなくて、その中の要点はきちんとどこかに記録があるだろう?
〈佐藤茂〉
今日ここに持ってきているが、ここに全部載っている。で、最後にこの議事の内容は事実と間違いないということで、確認署名というのを議員さんがなさっておられる。当時の小野寺初勝正さんとかの名前が載っている。これが全てだ。そこで議論がなされていないのは、要するに密室とか何とかということになってしまうんじゃないだろうか。
〈安部孝〉
ちょっと、平行線になってしまうんで…、
〈佐藤茂〉
議会で決まった、決まったと仰るけど、肝心なことを何も議論していないのではないか。
〈安部孝〉
ここは平行線なので、調整会議もこれで終わりということでもないので…。
ここで傍聴席より、“立会人の安部先生、ちょっと発言させて頂きたい”との発言あり
〈安部孝〉
ちょっとお待ち頂きたい。今、こちらで会議をしているから、一応確認してから…、
〈発言者〉
いや、僕は知事と教育長に去年9月に配達証明つきでだしている。返事をよこさないのでこの場で聞きたいと思う。
〈安部孝〉
お名前は?
〈発言者〉
「タカハシキヨヒサ」といいまして…、
〈安部孝〉
はい、高橋さん。
〈高橋清久〉
元仙台二高の校長、元一女高校長。
〈安部孝〉
はい、じゃあ、簡潔に3分ぐらいで…、
〈高橋清久〉
それでは教育長にお伺いする。私は配達証明つきで教育長と知事に対して(手紙を)出したが、お読みになったか。
〈白石晃〉
読ませて頂いた。
〈高橋清久〉
それではなぜ返事をくれないのか。第8項に、「返事を下さい。面会の日時を教えて下さい」と書いた。今、返事をしてほしい。会えるのか、会えないのか。7項の第8項めにそう書いてあるのに無視している。
それが100万人に答えられないとか何とか、私ははっきりと今でも郵便局の受領書を持っている。なぜ返事をよこさないのか、そういうものなのか?それで教育行政ができると思っているのか。馬鹿にしている。あなたは私を馬鹿にしているのだ。
知事も同じだ。敵前逃亡をした知事には何も言う必要はないけれども…。
今、返事が欲しい。会ってくれるのか、会ってくれないのか。
〈安部孝〉
そのことだけでよいのか、あとの質問はなし?
〈高橋清久〉
はい。
〈安部孝〉
じゃあ、教育長、答えるように。
〈白石晃〉
元校長先生がお会いしたいということであれば、私も当然にオープンにいきたいので、どうぞ。
〈高橋清久〉
会ってくれるんだね。いつなのか?
〈白石晃〉
それは時間調整したい。
〈安部孝〉
調整し、会うということなのでよろしいか?
〈高橋清久〉
了解した。
〈安部孝〉
あと残り時間は25分しかない。今日は新しくPTAの役員さん、女性の方3名、先程、渡邊(世津)さんは発言したので…、内田さんは、PTA関係で何か(発言は)あるか。
〈内田正之〉
2つのことを申し上げたい。
1つは、先程途中まで話題になっていた採択請願の件だ。これは教育長のこれまでの、今日を含めて4回目のいろいろな答弁をお聞きしていると、採択された請願のうちの附帯意見の3番目、「仙台第二高等学校の共学化は1年延長し、その間関係者と十分な話し合いをされたい」、これによってこの会議を開いているんだと。
それはそれで論理的には正しいんだと思うが、採択された本文、あるいはほかの附帯意見との関連をきちんと意識して答弁されているようには思えない。
つまり、これは先程の共学化自体、二高の共学化自体はもう既に決まったことで、あとは時期だけの問題なんだということはもう第1回目から繰り返し仰るけれども、これはその採択された請願の本文の部分、それから附帯意見のほかの条項、これらを合理的にかつ意味のあるものとして理解すれば、おそらくそういった答弁というのはなされないんだろうと思う。意見があればあとでお聞きしたい。
採択された本文、「仙台第二高等学校の平成18年度共学化を当分の間凍結し…」、これは特に1年とは言っていない。
「地域の特性を活かした今後の県立高校のあり方について十分な議論を尽くし、…」、よろしいか?
「県立高校のあり方について十分な議論を尽くし、関係者の理解と協力を得ながら進めること」。じゃあ、関係者の理解と協力を得ながら十分な議論を尽くさない、あるいは関係者の理解と協力を得ないというときにはどうなるのか、それについて教育長はどうお考えなのか、まずこの点をお伺いしたい。
あともう1つ、附帯意見の1番目、「県立高校の共学化は全体スケジュール及び将来像を明確にし、推進されたい」。
2番目に、学力向上・学区制、3番目に、先程紹介した二高の1年の延長、本校関係者との十分な話合い。
この附帯意見の3だけ、しかも1年間とにかく話合いをすればいいというものではなくて、県立高校のあり方を含めたものについて十分な議論を尽くし、関係者の理解と協力を得ながら進めるんだと。この点は条件ということばで呼ぶかどうかは別にして、これはその県議会では必要だというふうに判断したんだろうと思う。その決まった時期だけが問題だという答弁で、「関係者の理解と協力を得ながら」ということの趣旨に合致するかのどうか、私は合致していないと思う。それが第1点。あと、別な2つ目のことを言う。
それは前回、前々回の「要請と質問」に対する回答の点だが、まず、今日は70名ぐらいの傍聴の方がいると思うが、なぜこれだけ今回、前回に比べて多くなったか、これは前回の回答があまりにもひどすぎたからだ。
政策の変更の問題だということ自体はお認めになっておられる。しかし、メリット・デメリットということばに違和感をお感じになるとすれば、政策変更によって得られるもの・失うものとういふうに替えても構わない。
政策変更をする、しかも財政の話は細かには繰り返さないけれども、県民起債を起こしてまで共学化を進める、そういったその予算を使う政策変更をするときに、メリット・デメリットの判断、得られるもの・失われるものの具体的な判断はしませんでしたと。本当にくどいくらいに具体的に説明して下さいと、その政策変更によって失われるものと得られるものについてどういう議論が県教育委員会でなされたのか、また、教育庁の方でなされたのか、どういう過程を経て、過程というのは手続きではなく、実質的な議論において、どういう議論をしてそういう政策決定をなしたのか、その点を十分に具体的に説明して下さいというのが前々回の質問だった。
それに対してああいう抽象的な、しかもいうに事欠いてメリット・デメリットみたいな判断はしてません、こんな回答では納得できない。一体どういう調整会議をやってるんだというふうにお思いになった方が多いから今回これだけ詰めかけているのだ。
回答書については、私らも仕事をしながらだから十分な検討をしていないので、また第2弾目の質問書という形、これは次回までの間に文書でお出ししたいと思うが、本当に政策変更に伴って得られるもの・失われるものの具体的な検討というのはやっていませんという答弁を維持されるのかどうか、そこは是非お聞きしたい。これが2つ目だ。
〈安部孝〉
多岐にわたっているが、はい、教育長。
〈白石晃〉
まず議会の請願に対する取り扱いの関係、第1点についてだが、請願の要旨のうちで、仙台第二高等学校の平成18年度共学化を当分の間凍結し、地域の特性を活かした今後の県立高校のあり方について十分に議論を尽くし、関係者の理解と協力を得ながら進めなさいと、「進めること」ということは、あくまでも請願の中の表現だ。ということで、我々は当然押さえている。そういったことが書かれていることに対して次の附帯意見を付して採択するものということにしたいということだ。ということは、次の附帯意見の方がこれが重要なポイントになるというふうには認識している。
ここで内田正之氏より、“それについてはあとで反論するけれども…”との発言あり
〈白石晃〉
また前文として、「県立高校将来構想の推進にあたっては着実に進めなさい」とある。「着実に進めなさい」ということは、将来構想の推進だからあくまでも将来構想は共学化だけの話ではないが、共学化を含めた構想だ。その構想の推進にあたっては着実に進めなさいということだ。
ここがキーワードだと思っている。そしてその際に次の3点に配慮してやりなさいと、着実に進めなさいということだ。従って、議会としては将来構想を否定しているわけではない。かえって着実に進めなさいということで表現をしている。
但し、着実に進めるにあたっても、それはいろいろ問題はあるでしょうねということで3つの条件を付けたということで理解している。
それから2つ目、これは直接的に将来構想と関わるかどうかというのはちょっと疑問、私としては疑問な部分なんだけれども、「学力低下、学区制の諸問題についても配慮されたい」ということである。
学区制の関係は将来構想の中ではほとんど触れられていない。だから将来構想の推進にあたって着実に進めなさいという中で、諸問題についても配慮されたいということになるから、その将来構想のほかにプラスアルファとして、学力低下や学区制も宮城県の教育界としては問題があるでしょうねと、こういったこともきっちりとやりなさいよということの条件があったというふうに思っている。
それから3番目の二高の「凍結し」の部分について、次の附帯意見を付して採択すべきものと決したということだから、附帯意見、これが「共学化を1年延長し、その間、関係者と十分な話し合いをされたい」ということだ。
ということは、我々は16年度が始まるときに、18年の4月にやりますよということで表明している。それに対していろいろ議論があって、話合いがなされたわけだが、それがこじれたままできているからということがあって、二高の共学化を1年延長しなさいということで、その間、1年間延長した中で関係者と十分に話合いを進めなさいということである。
従って、今、副会長さんが前文とうか請願の趣旨の方を引用しながら仰っているが、その部分については附帯意見の方が優先するだろうというふうに我々は考えている。
〈内田正之〉
それは教育長のお考えだね。今の点はそれでよろしいか?後半の方はもうちょっと長くなるだろうから…。
〈安部孝〉
教育長、簡潔に。
〈白石晃〉
メリット・デメリットの話だが、これは我々がなぜ共学化を進めるのかということについての書き方がひどいじゃないかと、いろいろ話が出たけれども、一応、①から⑤までの理屈はつけた。
ここで会場から、“一応?一応ねぇ~”などという声が起こる―――
〈内田正之〉
一応…?
〈白石晃〉
一応というか、それは…、
〈内田正之〉
一応ではなくて、求めたのは、「具体的にお答え下さい」ということだ。
〈白石晃〉
それは1番から5番まで書いた。例えば教科の話、それから就職の話についても触れた。これは具体的な例といわれればそれはそうかも知れないが、表現としてはそういう表現をさせて頂いた。
これでいけば、メリット・デメリットの議論というよりは、いわばそういう状況の中で県立高校の将来を考えていったときに、男女共学化が望ましいというところからの議論に入る前の議論だというふうには思う。
だからその点でいけば、例えば性差による入試、入学制限はこれをやるべきではないとか、それからあとは、教科が男女の関係でだんだん差別がなくなってきたと、そういう状況変化の中で、男女共学やむなしとの議論があったということだから、それはメリット・デメリットということは当然にそこのところの切り口ではなくて、あくまでもそういった状況変化をとらまえての共学化の話だ。
〈安部孝〉
内田副会長。
〈内田正之〉
簡潔に申し上げる。
最初の採択の件、前文というふうに仰るけれど、その採択の文章は請願の要旨のうち、「かぎ括弧」を附帯意見を付して採択すべきものと決しましたと。採択の対象は「かぎ括弧」である。何を採択したのかといったら「かぎ括弧」だ。但し、それについては附帯意見を3つ付けましたと。これが常識的な読み方ではないだろうか。
附帯意見の方に重点があるというのは、教育長の独自の見解だと思う。それは意見になるからそれはそれで構わないが…。
それからメリット・デメリット、得られるもの・失われるものについては、その前の段階の理念についてはそれは両方あり得ると思う。
一律共学化を良しとする理念もあるだろうし、今までのような一部別学を残すということも良いというのも理念としてはあると思う。
ただ私達が回答を求めたのはそういうことではなくて、これだけの政策変更をするときに、得られるもの・失うものについての具体的な検討というのは、多分やっただろうと考えたわけだ。何をどういうふうにやったんでしょうかと。そんな形での説明なくして、その県立高校のあり方について、関係者の理解と協力を得ながら進めるということになるんだろうかという素朴な疑問だ。
それはもう検討しませんでした、そんな具体的な得えられるもの・失うものについての検討はしませんでしたと言うんであれば、それが事実だと言うんだったらそれはそれで結構だけれども、それを明らかにしてほしい。
〈安部孝〉
そこは大事な議論なので、経過の説明をして頂きたい。はい、教育長。
〈白石晃〉
そこは私が回答したつもりだが、あくまでもメリット・デメリットの議論ではないでしょうねと言っている。だから、そこに書いある①から⑤までの理屈、理由、そこをもって共学化を進めるべしということなのだ。
〈内田正之〉
では、メリット・デメリットの議論はしたのか、しなかったのか、その点についての回答はどうなのか。
〈白石晃〉
そこだけメリット・デメリットの議論というのは、これは埒外だ。
〈内田正之〉
「埒外」なのでしてないのだね。はっきり答えてほしい。
〈白石晃〉
具体的にいえば、そこら辺はいろんな場面で、例えば共学化すれば学力問題の関係はどうだとかいう話はあったかも知れない。
〈内田正之〉
まさにそういう話を聞きたかったからああいう質問をしたのだ。
〈白石晃〉
その点でいえば、事実としてそれはあったかも知れないが、共学化を進めるべしの理屈はそこなんだということだけだ。
〈内田正之〉
メリット・デメリットで判断したことではないという回答は維持されるということか。
〈白石晃〉
そうだ。
〈内田正之〉
そういう政策決定、政策変更の決定は得られるもの・失うものとの相互検討により判断したものではないと、そこはお認めになるということだね?
〈白石晃〉
繰り返すようだが、あくまでそういう、我々が今、時代が動いている中での話だ。
〈内田正之〉
「時代が動いている中で」、というのはよく分からないが、結論としてはそういうことだね?得られるもの・失うものについての具体的な検討はさておいて、先程述べた①から⑤によって、一律共学化の政策変更を決定したと、そういうことだね?
〈白石晃〉
そうだ。
〈安部孝〉
じゃあ、黒川さん。
〈黒川利司〉
前回、第3回目のときに私共の方から文書と口頭で説明させて頂いたことについて、内田副会長さんからご意見があったわけだが、それぞれメリット・デメリットを比較して判断したものではないというふうにお話をした。
これに対して鈴木会長さんから頂いた質問は次のようなことだった。
「一律共学化することによって、一部に別学が残ることと異なるいかなる教育上のメリットがあるのか」というご質問だった。
教育上のメリット・デメリットというお話だったので、教育上のメリット・デメリットを比較して判断したものではないということをお答えしたものだ。
ここで朝倉亮氏より、“一番大事なことじゃないですか”との発言あり
〈内田正之〉
「教育上の」という修飾語がついた場合とつかない場合で回答が異なるということか?
ここで黒川利司氏より、“私はそのように理解しました”との発言あり
〈内田正之〉
じゃあ、それはそれでまた別の質問をさせて頂く。
〈鈴木密明〉
教育上以外のところについては、メリット・デメリットを議論したということだね?
〈黒川利司〉
いや、そうではなく、あくまでも質問についての回答ということで補足したまでだ。
〈鈴木密明〉
私の質問は、教育上以外のことについてのメリット・デメリットは議論したのかどうかということだ。
〈鈴木隆一〉
そこは教育長がお答えしたとおりだ。
ここで朝倉亮氏より、“全くしていないということだ”との発言あり
〈鈴木密明〉
それでよろしいね?はい、了解した。
ここで内田正之氏より、“少しでもしてるんだったらご回答下さい
というふうに何遍も申し上げているんですよ”との発言あり
〈安部孝〉
ちょっと時間がなくなってきた。はい、高橋さん。
〈高橋正道〉
次回のトップに今の関連の問題を出したいのでよろしくお願いしたい。
〈安部孝〉
了解した。PTAの方から新しいご意見を頂けるのであれば…、
柏葉校長先生がずっと手をあげているので、5分差し上げる。5分以内で総括的に…、やり取りにならないように。
了解した。PTAの方から新しいご意見を頂けるのであれば…、
ここで会場から、“5分は長すぎる!”の声あり
〈安部孝〉
じゃあ、3分以内で…。
〈柏葉浩明〉
今日は4回目の会議になるが、本校の将来像について各方面からいろいろな形でご意見を頂いていることは、学校を預かる者として本当に感謝の一言しかない。こちらの学校のこれからをご心配頂いている上でのご発言だろうという具合に私は受け止めている。
それで、今日の事前協議の中で若干時間を頂けそうだということを伺っていたものだから、お話ししたいことをある程度まとめてはいるのだが、残りの時間ではちょっと話し尽くせないところがあるので、これはお願いだけれども、次回に、学校としてこの問題をこれまでどんな具合に捉え、どんな姿勢でこれまで考えてきたのかということ、そして今後をどのように考えているのかということについて、お話をさせて頂く時間を少し設けて頂ければ有り難いと思う。
〈安部孝〉
要望と承った。それはお互いに当事者間で議論にしたいということの確認がとれたら是非そうしてほしい。じゃあ、樋口さん、3分でどうぞ。
〈樋口郁子〉
県側からの平成13年度に「案」として出された平仮名文字の「みやぎらしい教育の実現」で浅野知事が仰ったという「一人一人の個性を大事にして、選択肢の多いものにしたい」というのは、本当に言葉だけでよかったと思う。
その上で共学化が進められているかと思いきや、今のお話を伺うと、共学化するためのメリット・デメリットや教育上の話合いがされていないということで、正直なところ本当にがっかりした。
この言葉が宮城県の将来を預かる子供達の教育に携わる先生のトップでいらっしゃる教育長さんからお話し頂けるとは思ってもいなかったので本当にショックだ。
私の3人の息子達は自分の意思で男子高を選択した。私は女子高出身だし、夫は男子高出身で選択肢があった。
男子高でなぜ悪いのか、女子高でなぜいけないのか、男子高出身のOBの方々や現高校生や大学生は大勢いるが、その人達が教育学的に、教育上や社会的に人間的欠陥要素を持っていて何か迷惑をかけたとか、そういうことがあったのか。
これはどうしようもない、こういう事件が数々起きてはどうしようもない、何とかせねばならぬ、ということで話が進められて、その1つの手段として共学化がいいんじゃないかということなら納得できるが、そういうこともないと思う。
私もそういう息子に育てていないし、私自身そんな欠陥があるような恋愛もしていないし、正常に成長してきた。だから、息子が男子高を選択するときは本人が行きたい、まあ、青春期だから、女の子が恋しくて、女の子がいれば楽しいんだろうけど、別に不自由もなく楽しくやっている。その二高で十分だということで今、通っている。すごく残念でならない。
それから先程、財源の話が出た。(県は)借金を抱えている。いずれ息子達も縁があれば子供が生まれる。その子達にまでこの共学化にするための借金払いはさせたくない。それは一人の親として切に思う。それでもし、仮にこれだけのお金があるのなら共学化に使うのではなく、今、現場でアップアップしている子供達のために使ってほしい。小学校は40人制でどのクラスもアップアップしている。子供もアップアップ、先生もアップアップ、親もアップアップだ。
中学校はグラウンドに砂一袋もまけない。その一袋をまけば怪我を予防するために少しでも違うんだけれども、その予算が下りない。
二高のグラウンドを見てほしい。二高は文武一道の高校だ。入学式の時に校長先生が仰って下さった。進学校であり、部活も一生懸命している。全国的にみても素晴らしい高校だというお話をして下さった。
狭い環境の中で必死にやっている今の二高生を見たときに、この予算があるならもう1個グラウンドを作ってほしいと思う。それで頑張っている二高生の部活を応援してあげたいし、文化部も同様だ。
そういうところにお金を使って、将来の日本を担う大人に成るべく、子供達にもっと有意義な予算を使って頂きたいと思う。
もっと言いたいことがある。うちの子供が言っていた。国立でお茶の水女子大や奈良女子大が許されている。なぜ宮城県でそれができないのか。選択肢をなぜ残すことができないのかと。
それからもう1つ、親の立場、大人の立場、県の立場で話合うのもよいが、現に行っている俺たちの意見も聞いてほしいと、二高に限らずこれから予定されている一高と一緒でもよい、一女高や三女高のお嬢さん達と一緒でもいいから、一度そういう場を設けてほしい。今日、北陵館からこちらに変更したことで話が聞けなくて本当に残念がっている子供達が沢山いる。その辺を汲んで頂きたいと思う。
〈安部孝〉
意見の陳述だったが、はい、佐藤さん、3分以内で…。
〈佐藤茂〉
冒頭に4つの課題があげられている。その課題は1,2,3,4とあって、生徒の多様化とか中卒者の現状とか地域社会とかあるが、4つ目に「男女共同参画社会に向けた取り組み、そのための男女共学の推進をする」と書いてある。
県の方針として出したこの一律共学化の根拠文書である将来構想には、「男女共同参画社会に取り組む」旨が書かれていて、それで男女共学化の推進ということになっている。男女共学化の根源となっているのはここだが、さっき私が共学化の理由を聞いたら、①から⑤までだということだった。①から⑤までの中に「男女共同参画社会の推進」ということが書いてあるか?
〈黒川利司〉
回答してよいか?
〈佐藤茂〉
書いてあるか、書いてないかで…、
〈黒川利司〉
そういう一律的な質問ではなくて…、
〈佐藤茂〉
いや、そうではなくて、①から⑤までの中に、男女共同参画社会の推進、そのための共学化などということは全く出ていない。
〈黒川利司〉
具体的には5つあげているが、例えば、②とか③とか④がそれに該当するものだと考えている。それを具体的に示したものだと私は考えている。
〈佐藤茂〉
それらは男女共同参画社会とは関係ないんじゃないか?
〈黒川利司〉
いや、それを具体的に答えさせて頂いたものだ。
〈佐藤茂〉
本来、男女共同参画社会推進のための共学化、これは実は将来構想の中間案が発表になる前、浅野知事が平成11年9月30日の県議会本会議で言っている。
県教委が方針を明確に出す前に、男女共同参画社会推進のために全ての県立高校を共学化すると知事が言っているのだ。
本来ならば、県教委の仕事としてやるべきことがなぜ最初に知事の口から出ているのか。そもそもそれがおかしいのだが、発端を「男女共同参画社会」と書いておきながら、なぜごまかしてはずしておくのか?これはごまかしではないか。
〈安部孝〉
この議論はまた長くなると思うので、これは次回のテーマにして頂くか、お互いに確認して、そのための提案というふうに私は受け止めておきたいと思う。
予定の時間がきたが、できればこの場で第5回目の調整会議の日程調整ができればよいのだが、浜田さんから事務局案があれば…、
〈浜田毅〉
9月県議会の終わるのが9月29日なので、その直後ということで、皆さんのご都合も勘案し、10月3日ではどうか?
県教委としてはいつでもよいということになっているので、学校、同窓会、PTAの方のご都合を確認したい。
〈一同〉
10月3日に異議なし。
〈安部孝〉
それでは、第5回調整会議は10月3日、月曜日、午後6時からということにしたい。
〈鈴木密明〉
前回からお願いしているように、多くの関係者の理解という趣旨を踏まえると、やはり多くのお母さんに生の声を聞いて頂きたい、あるいは現役の生徒にも聞かせたいというのが希望なので、10月3日については是非北陵館での開催をお願いしたい。
〈安部孝〉
それは今、回答できるか?
〈白石晃〉
会場については調整させてほしい。
ここで会場から、“安部先生、2分だけよろしいか?”との声あり
〈安部孝〉
じゃあ、お名前を述べて、2分で…。
〈発言者〉
仙台一高の今、PTA会長をしている「ワタナベ」です。
〈安部孝〉
一高のワタナベさん、はい、どうぞ。
〈渡邊大助〉
今日、一高の話がかなり引き合いに出された。おそらく通信制を今度の何とかセンターにするという昨日の新聞記事が出たからだと思う。
前回頂いた未発表校の課題で、仙台一高の場合は学校関係者、要は父兄であるとか、在校生、同窓生の理解、反対の動きありというのが、1つの課題として載っていたのはなぜかというような質問もあった。
私の記憶間違いでなければ、県立高校将来構想が13年3月に発表される前に、確か「素案」というのが出ていたと思うが、その素案が出た段階で、我が一高では平成11年1月の生徒総会において、圧倒的多数で共学化反対の意思表示をして、それをもとに県教委に再三申し入れをしたが、断られた。
そういう意味で非常に早い時期から、生徒諸君が問題意識を持って活動している。生徒が集めたアンケートがどこかに紛失してしまったとかいうどこぞの高校は大変残念な高校だなというふうに思うが、そういう意味では在校生諸君、非常に立派な一高だと私もOBなので誇りに思っている。
それから私共の聞き間違いでなければ、これから一高辺りでも当然具体的な共学化時期の発表があるのだろうけれども、共学化の時期を決めて発表してから関係者、要は在校生、同窓会、それからPTA、保護者と話合うというのでは、話合いにはならないと思う。発表前に話合うというのが本当の話合いだと思う。そうでなければ、もう決まったことを伝達するだけで、それは話合いにはならない。
それから教育長が時計はもう元に戻すことはできないと仰ったが、ではその将来構想を決めるプロセス、そのアンケートにやや誘導尋問的な問題があるとか、あるいは有識者会議の座長―水原さんという方は二高のOBだとか?―が、宮城県民の男女交際が下手なのは別学校のせいであるとか、そういう方が有識者会議の座長にどういう理由で選ばれたのかよく分からないが、私から言わせれば、将来構想を決めるにあたって瑕疵が多過ぎる。それが時計を元に戻せないというのでは、いつまで経ってもこういう噛み合わない議論で、どうなることやら非常に心配している。
学校というのは、高校というのは、これからは入ってくる生徒のためのものであって、同窓生とかそういうことよりも、これから入る子のことを考えないといかんということは確か浅野知事が仰っていると思うが、ただ一方で、現実的に高校が運営されているのは、もちろん県費を頂いてやっているわけだけれども、同窓生、同窓会の補助とか自発的なカンパであるとか、それからやっぱり在校生のいろんな活動であるとか、そういうものによって長くずっと作られてきた伝統とか校風というものがあって、それでその校風に魅力を感じた子供が入ってくるということで、そのよき伝統が新しい血も入れながらずっと続いている。
それはやはり先程仰ったように、失うもの・得られるものの検討なしに決まったというのは、私も前回聞いて本当にビックリした。ほかにもいろいろ言いたいが、部外者なので以上で終える。
〈柴田克彦〉
これは私個人だが、30秒だけ…、
〈安部孝〉
柴田さん、ちょっと待って頂きたい。それをやってしまうと延々となってしまうので…。
(皆さんに)確認して進めたいというんであればやっても構わない。時間の制約があるので…、
ここで会場内から、時間の延長を求める声あり
それじゃあ、時間の延長をするか?執行部はそれでよろしいか?
ここで白石教育長等から、“もうやめましょう”との発言あり
〈安部孝〉
じゃあ、(この会議は)やめたい。
ここでまた会場内から、発言を求める声あり
〈安部孝〉
どなたかは分からないけれど、名前を、ルールは2分だから、じゃあ、思いを伝えてほしい。
〈発言者〉
私は平成17年度宮城県仙台第一高等学校一律共学化反対委員会副委員長、「ダイドウジリュウヤ」です。
〈大道寺隆也〉
仙台一高の生徒のスタンスとしては、先程仰ったように生徒の8,9割が反対している。今は4人になっているが、今日も6人参加しており、生徒の意識はめちゃめちゃ高い。
話は変わるが、つい先日一高祭があり女子高生なども来るわけだが、そのとき俺はよく思う。一高にはもちろん女子はいないが、一高祭とかそういう場面、あるいは学校を出た場面で、女の子と会うことによって男の視点から女の子を見ることができる、相対化できる。
そういうのが別学のメリットであると俺は思っているし、ほかにも一高で一斉に反対する理由があり、とにかく(共学化には)反対である。
それで我々は訴えて行きたいわけだが、何が一番言いたいかというと、県教委の皆さんが我々の声に対して全くリアクションをしてくれないし、それを聞いているのかどうかも全く分からない。
このような状況がずっと何年間も続いてきた。今日の話合いの姿勢を見ていても、例えば我々は教育論や行政論に関しては素人であり、そういうことに関してはもちろん先生方の方に利があるわけだが、何か俺たち反対派の人間のことを退けようとか、質問を早く終わらせようという姿勢がどうしても見えてしまう。少なくとも俺にはそう感じられた。それにこの場だけではなくて、いろんなところでも話合いの不足というのがよく見られる。先程、PTA会長さんが仰っていたが、発表されてから話合う、そんな馬鹿な話はない。
例えば、我々が学校の中で啓蒙活動や校外的な広報をやっているのに、それで話合いも設けてほしいということを何回も言っているのに話合いを設けてくれない。それは真に民主的なやり方だろうかと俺はすごく疑問に思う。
だから我々一律共学化反対委員会、そしてここにいる一高生、二高生、別学校生がみんな思っていることは、もっと生徒が自由に発言して話合う権利・機会がほしいということだ。
俺は1回、別学校の女子高の人に何かイベントをやりませんかということで手紙を送ったところ、その学校の教師が握りつぶして、私のことを処分するようにと一高指導部に手紙がきた。そういうことがある世の中だ。でも俺は真の民主主義社会はそうじゃないと思うし、ことに共学化問題に関しては俺たち現役生の反対であるという意思を県側にもっと尊重してほしい、そういうふうに思っている。
〈安部孝〉
まだあるだろうが、一番の思いはそこだと思う。多分いろんな議論があると思う。それはいろんな機会を作りながら、やっぱり十分な議論をして行く必要があると思うし、執行部の言いたいこともあると思う。
皆さんも言い足りないことがあるかも知れないけれども、今日はこれで一応時間になったので閉会とさせて頂きたい。
お互いにいろんな思いを受け止めて次の調整会議を作って行きたいと思う。
〈柴田克彦〉
私から30秒、県教委の方々にお願いがある。私は頭を下げるというのは、今まで私達は子供達の気持ちをあまり汲まないできた。けれども、子供達はもう15歳から18歳になろうとしている。
それで一高や二高、その他の学校でも子供達は、「これでは駄目だ」、「俺たちは反対だ」というような動きがいろいろ出ている。このことは非常によいことだと私は思っている。ところが学校によっては、“いいか、共学に反対したら停学だぞ”などと脅す校長さんすら出ているという噂が入ってくる。
どうか教育長さんとかの名前でもいいし、あるいは課長さんからの電話でもいいから、別学校の校長さん、あるいは指導部長さんに、男女共学の風潮に反対する子供達に対して嫌がらせあるいは強権を発動するようなことは絶対にしないでほしいということをお願いしたい。
今の白石教育長さんはじめ皆さんは、まさかそんなことを、全部取り締まれなどということはやっていないと思うので、そういうことは宮城県には起こらないように一つお願いしたいと思う(会場から大きな拍手が起こる)。
〈鈴木隆一〉
誤解を招くかも知れないので、もしそういうことがあったら学校名を具体的に言ってほしい。
〈柴田克彦〉
それじゃあ、今後は申し上げる。
ここで会場から、“二高でもありましたよ”等の声あり
〈鈴木隆一〉
それは事実を確認する。
〈柴田克彦〉
鈴木次長さん、具体的なことを言ってほしいということだが、次長さんが個々に助けてくれるのなら、私共同窓会の立場として次長さんのところにお話を持って上がりたい。
こういう公開の場で、この学校だ、あの校長だ、この指導部長だというようなことで事態を荒立てたくはない。そういう面で個人的に持っていくので一つ善処をお願いしたい。
〈柏葉浩明〉
生徒諸君に一言話をしたい。いつでも話を聞きたいと思うし、皆さんの意見を抑えるとか、聞かないとか、そういうつもりは全くないのでいつでもきて話をしてほしいと思う。
〈安部孝〉
それではこれで閉会とする
以上