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2006年4月1日

議事報告

第2回「(仮称)仙台二高共学化調整会議」議事録

1.開催日時
平成17年7月25日(月)18時10分~20時10分
2.開催場所
仙台二高会議室
3.出席者(敬称略)
《宮城県議会議員》
文教警察委員会委員長/安部孝(司会兼立会人)
《宮城県教育庁関係者》
(文中では「県教委」)
教育長/白石晃
教育次長
鈴木隆一、矢吹隆志
高校教育課長
黒川利司
同課長補佐
浜田毅
改革推進班長/中川昭三(進行役)
同主幹
狩野宏史
高橋真由美
《宮城県仙台第二高等学校関係者》
(文中では「二高」)
校長/柏葉浩明
教頭/渡辺尚人
副参事兼事務室長/平川弘二
《宮城県仙台第二高等学校PTA関係者》
(文中では「親の会」)
会長/鈴木密明
副会長/内田正之
会員/田中留美子、渡辺幸枝、池原理枝子
《宮城県仙台第二高等学校同窓会》
(文中では「同窓会」)

〈中川昭三〉
司会兼立会人の安部議員が所用のため少し遅れるので取りあえず開会する。まず、議事の(1)『第1回「(仮称)仙台二高共学化調整会議」議事録』について進めて参りたい。

〈高橋正道〉
これについては、県教委からも頂いているし、県教委には二高側で記録した議事録を差し上げており、互いの突き合わせをした結果、言葉に多少の違いはあるが、意味合いにおいては問題がないと思う。県教委の方ではどうか。もし問題がなければ、正式には県の方は県教委のまとめた議事録と当方でまとめた議事録の両方をもっておいて頂ければよいかなと思う。

〈白石晃〉
我々が記録したことをベースにしているので内容的に特に異論はない。議事録は当然にお互いが持つという形にしたいと思っている。議事録の取り扱いの関係は、これからも会議を何回かやっていく中で、常にずっと積み重ねて行くというやり方をしたいので、この点をご了解頂きたい。

〈高橋正道〉
記録はかなり精密にとられているのでそれでよいと思う。

〈内田正之〉
これだけ詳細に記録をとって頂き、有り難く思っている。発言者の肩書きについてのことだが、今日の会議の要請書や質問書にもあるように、私達保護者の中には、「親の会」のように共学化を凍結して欲しいというスタンスをとっている保護者だけではなくて、共学化賛成の保護者、あるいは態度が定まらない保護者等もおり、それらの多様な意見を反映させることも必要だと感じている。第1回調整会議の時は、この辺は私の方でも特に意見を申し上げなかったが、「親の会」という肩書き、発言者の肩書きはこれはこれでよいが、第2回目以降については、できれば「仙台二高PTA」という肩書きをつけて頂きたい。これについては、おそらくPTAの「P」は分かるが、「T」は会議に入っていないじゃないかというお話があるかと思うが、「T」を会議から除くというのはどこで、誰が決めたのか。県議会の附帯意見によれば、「関係者の理解を得て」というふうに書いてあり、その「関係者」とは常識で考えれば、「二高PTA」が入ることは明らかだと思う。ただ、県教委としては既にはっきり方針を決めたことなので、各現場では県教委の決めた方針を実行してもらわなければならないので、現場の教師達に好き勝手なことを言われては困ると…、また現場の教師達も好き勝手な意見を言う立場にはなかなかないと思う。事実上はそうかも知れないが、本来からいえば、現場(の教師)・校長先生・教頭先生を含めた意見を集約した上で、共学化を進めるべき話だと思う。私達としては、一般の教員の方がここにきて、調整会議に加わることは何らおかしくないと思う。事実上これないかも知れないが、そういう意味でも「二高PTA」という肩書きをつけて頂きたいということが1つ。どうしてもそこのところで折り合いがつかないというのであれば、その間口の問題で中身に入れないのもつまらない話なので、この場では「保護者」という形で統一するとか、何か表現上の工夫をして頂きたい。基本的には「仙台二高PTA」という肩書きにして頂きたい。重ねて言うが、一般教員の方がここにきて現場としての意見を言って頂くのは私の方としてはむしろ望むところだ。

〈中川昭三〉
只今の提案に対して…、

〈鈴木隆一〉
只今の内田副会長さんのお話だが、「(仮称)調整会議」の持ち方、参加者、進め方等について、副会長さんはじめ数名の役員の皆さんとの間での何度かの事務的な打合せをさせて頂いて、進め方なり参加者をどうしようかという話も当然その中の大きな要素なので、やらせて頂いた中で、我々はこれでスタートできるという理解でスタートさせて頂いたという経緯がある。あらためてそういう申し出があり、「PTA」でなくとも「保護者」ということであれば我々としては乗れる話かなと思う。ただ、副会長さんのお話にもあったけれども、「PTA」ということになると、お互いにお話が調整の中でもでてきたという経緯はあったと思うが、この種の提案であれば今後のお話合いの余地はあるのかなと思う。

〈高橋正道〉
私は、「PTA」という組織があって、その中に賛成も反対もあるかも知れないが、組織としてこのような場面に出てくるということであれば、(内田さんが)今仰ったようなことの方が自然かなと思う。

〈内田正之〉
事前打合せの経緯については、少なくともPTAとして事前打合せに入れてもらったという認識はない。多分、PTAには事前打合せの声がかかっていなかったと思う。それからもう1つは、今日提出した質問書に、6月に実施した保護者アンケートで出た多様な意見を今後の調整会議に反映させて行きたいということを申し上げているが、このアンケート自体はPTAの役員全員に声をかけ、当然のことながら、教頭先生も副会長なので、「P」だけではなく、「T」である役員も入った上でその実施を決めている。そういう趣旨からも、この保護者アンケートの意見を反映させて行くというのは、「P」だけで…ということではない。ただ、事実上一般の現場の教員がここに出てきて意見を言うかどうかは分からないが、そこまで出してくれなければ駄目だという趣旨ではない。

〈鈴木隆一〉
それは中身の理解の仕方も一つあると思う。確かに現場の先生方にとっても教頭先生を中心に学校では今まで十分に時間を重ねて議論しているという経過があり、我々は一般の先生方の意見を聞かないということはない。今後二高をどうしていくかという話のときは、現場の話は当然重要になってくるので、その点では(内田)副会長さんの今のお話は理解できる。

〈白石晃〉
仮に「PTA」という形で入ったときに、今の「仙台二高親の会」はどういう扱いになるのか。

〈内田正之〉
「親の会」のメンバーは必ずPTAの「P」の会員になっているので、それはどちらでも構わない。

〈白石晃〉
そういうことであれば、例えば、「仙台二高親の会」という形で入るのではなく、「PTA」ということで入るという意味でよいのか。

〈内田正之〉
保護者を、「親の会」会員である保護者と「親の会」会員でない保護者に区別してみてもあまり意味がないと思う。どちらかに統一するとすれば、「PTA」か「保護者」という形にした方がよい。

〈白石晃〉
分かった。それではそういうことにしたい。

〈鈴木隆一〉
(話の)流れの中で、議事録についてはお互いに保管して行くということなので…、(2)「調整会議の名称」ということでよいか。

〈高橋正道〉
(2)に入っても結構だ。

〈中川昭三〉
それでは、(1)の「議事録について」はよろしいようなので、(2)「調整会議の名称について」に入る。

〈高橋正道〉
これは事前打合せでは調整がついていない問題で、こちらからは「共学化調整会議」について、「共学化問題」というふうに、「共学問題調整会議」ということで申し入れており、ご検討頂くことになっている。前回の会議では、教育長の個人的見解ということで議事録に載っているので、それについて伺いたい。

〈白石晃〉
あの時申し上げたのは、我々はあくまでも今までの流れからして、共学化は平成19年4月にやるという方針がカチッとあるので、そこに向けての話だということで理解している。従って、あくまでも共学化に向けたいろんな問題があるので、「共学化調整会議」ではないのかという話があった。それでその辺は個人的な話ということで一応申し上げたけれども、その後、我々の中でもいろいろな議論をした。結論からいうと、調整会議を立ち上げる際に趣旨や話合うべき内容についていろいろお互いに事務的にやってきて、その段階で一応「趣旨」というものが出て、それでお互いにこれでよいでしょうという話になったということなので、その趣旨に反しない限りは、あまり名称にこだわらなくてもよいのではないかということになった。皆さんも持っているかと思うが、その趣旨についてちょっと読んでみると、「本議会の判断、特に附帯意見の3に沿ったものとして、仙台二高の円滑な共学化の推進方策や共学化後の仙台二高のあり方などについて検討するために、仙台二高関係者と仙台二高・県教委で話合いを行うこと」であるという趣旨でまとめられている。そしてお互いにこれでいいですよねという話になって、名称は仮称だが一応、「共学化調整会議」になった経過がある。従って、趣旨はこのように書いてあるので、この趣旨をきっちりと反映したものということであれば、さっき申し上げたように「共学化問題」であろうと…、それは単なる名称の話なのでそれはいいじゃないかという話になっている。〈佐藤茂〉趣旨の点についてだが、そもそもなぜこの話合いの時間をとる必要が出てきたかというと、その大本の根幹的な趣旨にあると思う。生徒、父兄、あるいは同窓生などの十分な理解と納得が得られていない状況にあって、それが議会で明らかになり、その上で理解を求めるための話合いの時間を設けるということで、1年という時間がそこにできたわけである。それに則れば、名前にばかりこだわる必要はないけれども、共学化についてこれは話をすべしということであって、私はそこに「問題」という語を入れるべきだと思う。

〈高橋正道〉
それと、こちら側からも「調整会議の趣旨について」というものを出している。それは次の4項目である。1.議会採択内容の解釈について、相互に合意が必要であること。2.議会採択解釈は、議論が分かれるのは当然だが、自説のみにこだわらずに、相互に理解しつつ、議論を進めること。3.議会が共学化の方向性を示したことは否定しないが、大事なことは、1年延期して話合いにより理解を求められていることをきちんと実行することが前提であること。4.「請願書連名連絡会」との話合いは不要との考え方は改めて欲しいこと。これがまだに解決されていないので、もしこの辺のことについて議論になるようであれば、このことだけで時間をとるのもどうかと思うので、当面、「仮称」ということで行くしかないと考える。

〈白石晃〉
今、仰った話については、いずれこの会議というか話合いの中でいろいろ出てくるだろうと思う。必要であれば、単なる「話合い」でもよいと思っている。だからあまり名称にこだわらなくてもよいのかなという感じはしている。「仮称」は「仮称」のままでもいいとは思うが、ただいずれ「仮称」を取り除いて形にして、どういう趣旨の打合せを持つのかという点だけははっきりしておきたいということだ。

〈高橋正道〉
もしそうだとすれば、そのことについての話合いの時間をどこかでとらなければならない。

〈白石晃〉
それではまた入口論に戻ってしまう。

〈高橋正道〉
だから…。

〈白石晃〉
そこではあまり議論の時間をとりたくないというのが私の本音だ。

〈高橋正道〉
そのことで時間をとるのは我々も賛成ではない。そのことについて別途話合ってもよいという雰囲気が出てくれば別だが、現在のところはまだすれ違いの部分があるので、「仮称」という形で進めていった方がよいのではないかなというのがこの間の私の意見だ。

〈白石晃〉
私も大体同じだけれども、いずれ「仮称」というところを問題にするのか、「調整」にするのかということでまた意見が対立するのであれば、「仮称」のままで走っていって、それでお互いにずーっと話合いをするという事実を積み重ねていくことの方が重要ではないかという感じはしている。

〈高橋正道〉
結果的にそうなるかも知れない。議論をする方を先にしたいということだ。

〈白石晃〉
そういうことであれば、「仮称」をつけて走ってもいいんじゃないかということだ。

〈高橋正道〉・〈鈴木密明〉
「仮称」で結構だ。

〈中川昭三〉
「仮称」をつけたままでこの会議を続けるということで意見の一致をみたが、他に何かないか。

〈朝倉亮〉
教育長のお話について佐藤茂氏も反論したが、(議会が)「1年間話合いをしなさい」というのは、この1年をかけて従来理解が得られていなかった部分について話合いなさいということだと思う。だから力点は、従来理解が得られない部分について、今まで多少趣旨の違いはあるかも知れないが、(話合いを)やらなければ、私は本当の理解と信頼が得られないと客観的にみて感じる。私達同窓会は今、105年の伝統があるわけだから仙台二高関係者として無視されることはないと思うが、同窓会が半年間議論に議論を重ねて、代表者会議を何回も開いて、そして昨年の7月に西澤会長名で「共学化凍結」の申し入れを差し上げた。これに対して昨年8月23日、県知事さんと教育長さんの正式回答があった。その中のいろいろな問題と議論があり、仙台二高は少なくとも同窓会がメンバーとなっている以上は、あの原点に返って、回答の原点について疑問があるので、それについていろいろ議論なり質問が始まらなければならないと私は考えている。そういう意味では、趣旨の食い違いはあるといっても、(あの回答についての)説明そのものもまだ受けていないのだから、あの回答を頂いたが、その内容がわからない。具体的にはちょっと遠慮するが、家庭科の問題とかね、そんなことまでやりたくはないが、私個人としてはやっぱりそういう分からないものをそのままにして進めるわけには行かない。だからもう少し柔軟にお考え頂きたいと思う。

〈白石晃〉
その辺はおそらく1回だけの話ではないので、何回か重ねていく中で、8月の時点に戻った形で、あの部分は全然不当であったということなので、朝倉さんの方から具体的に話を聞かそうということであれば、その場で出して頂いてそれに答えるという形の方がよいと思う。これは話合いだから、いろいろなものが出てくると思うので、そんなに限定して考える必要もないんじゃないかという感じがしている。

〈朝倉亮〉
その中でいろいろ説明して頂くということであれば了解した。

〈白石晃〉
その通りだ。

〈佐藤茂〉
もう1つ付け加えて申し上げたい。それは名前や題名を官の側がつけて、それを一方的に押しつけるということだけは避けて欲しい。学校というのはお役所だけで成り立つ機関ではなく、多くの保護者や同窓生、同窓会等の支援もあって成り立っているものだから、そこを十分に考えた上で柔軟な姿勢を示して頂きたい。

〈白石晃〉
「柔軟に」という部分はよく分かる。我々としては押しつけるというよりも、1つの原案を出さなければ話が進まないので、これはあくまで「案ですよ」ということで話をしているのだ。その案に対してのご意見があって、それで一応いろいろな案件をまとめて行くという作業を今やっている最中だから、単に押しつけて、これでやれということでないということだけは理解して頂きたい。

〈佐藤茂〉
そうであるならば、今後とも話合いの名称については柔軟に対応して頂くということをここで明言した頂きたい。

〈白石晃〉
だからさっきから言っているように、「仮称」でいくことで決着したということで理解して頂きたい。

〈佐藤茂〉
あとで「仮称」を勝手にはずすようなことだけはやめて頂きたい。

〈白石晃〉
それはお互いの信義則(信義誠実の原則)にかかわることなので、そういうことはしないと思う。

〈中川昭三〉
只今の「調整会議の名称について」はこれでよろしいか。続いて、(3)「前会議での未回答案件や再説明案件について」というところに入らさせて頂く。

〈高橋正道〉
(3)の議事に入る前にちょっと申し上げておきたい。PTA関係のことで本日の議題には入っていないが、資料も差し上げているようで、「調整会議に関する要請及び質問書」というものだ。これについては、今日議論までは行けないと思うが、最後のところでちょっと時間を頂きたい。

〈鈴木密明〉
(4)「その他の意見交換」のところで時間を頂きたい。

〈白石晃〉
これはまだ立会人がきていないので…。

〈鈴木密明〉
だから、(4)「その他の意見交換」というところで、時間を最後にとって頂くということで…。

〈中川昭三〉
只今のことについては、最後の意見交換の場でということでよろしくお願いしたい。それでは、未回答案件及び再説明案件ということで、まず、①「共学化開始時期発表前の県教委の同窓会への説明について」事務局から説明をお願いしたい。

〈白石晃〉
前回の会議で、次のような質問や話が出た。1.共学化開始時期発表前に県教委は同窓会にどう説明したのか。2.まだ発表していない学校の共学化スケジュールをどう考えているのか。3.学力向上問題4.中期総合ビジョンまず、第1点については共学化に係る経緯というものがあり、これは既に請願審議の際に我々の方から出した資料の一部を抜粋したものだが、簡単に説明したい。同窓会、PTA、生徒それぞれへの対応ということで分けて書いてある。特に同窓会の関係だが、最初に書いてあるのは平成13年3月、これは県立高校将来構想策定発表するということで、年度からいえば12年度になる。そしてこの構想に当たってはアンケート調査、有識者の関係それからあとは公聴会等々を1年くらいかけて構想をまとめた段階から書いてある。それで平成15年7月18日、ということでご覧頂きたいと思うが、県教委は仙台二高をはじめとする5校の共学化開始時期を発表するということで書いてある。それでこの5校というのは次の通りである。これは、「(仮称)第2回仙台二高共学化調整会議」資料2頁「県立高校共学化の進捗状況」の2.共学化の開始年度発表校14校のうちの最後の5校だが、古川高等学校については平成17年4月から、二高のほか石巻高等学校、石巻女子高、石巻商業高校の4校については平成18年4月からとなっている。これらについては、単独共学化ということでこの段階で同じ日付で発表している。もう一度元に戻って頂き、7月18日に先立つ5月9日、私から仙台二高ほか4校の校長に対して共学化開始年度及びその発表時期を内示した。結局は、正式発表をする前に関係者に対していろいろ事前にお知らせする必要があるという判断から従来からやっていることだが内示という形をとった。そしてこの段階では県教委は学校を通して同窓会の方に話をするというやり方をとっている。5月9日、内示を受けて校長先生は次のような行動をとった。5月23日、同窓会三役会で共学化開始年度の発表が近々ある旨の説明をした。6月16日、同窓会会長に対して中期総合ビジョンについて説明をした。それで中期総合ビジョンというのはその前に書いてあるが、平成15年3月20日に仙台二高の共学化を盛り込んだ中期総合ビジョンというものを決定するということにしているので、当然に共学化を盛り込んだ内容で説明をしているということである。そして、直前になって校長から「明日発表いたします」ということで連絡をするという経過をとった。この段階までは、県教委は学校だけを対象にして連絡をしているというのが実態である。そしてその後だが、県教委が一応出てきているのが具体的にいうと、10月31日、県教委から同窓会に対して共学化について説明を行った。それから年が明けて、1月9日、県教委から同窓会長等に対して説明を行った。それからあと、校長先生からは、同窓会の各支部総会において共学化についての報告あるいは説明をするという形をとっている。共学化の発表前、二高自体は次のようなことをやっている。平成14年6月14日、同窓会常任委員会での校長さんの挨拶の中に、女生徒への門戸開放を検討している旨を盛り込んだ。同7月6日、同窓会総会での校長挨拶で、女生徒への門戸開放を含めて現在ビジョン委員会で検討を重ねている旨の話をした。この間、ずーっとビジョンの策定をやっており、平成14年度の最後(平成15年3月20日)に共学化を盛り込んだ中期総合ビジョンを決定したということである。それで平成15年5月2日、同窓会三役会で校長から中期総合ビジョンを盛り込んで説明したという経過をたどっている。県教委は何をやってきたのかという話があるが、県教委は正式発表後からしか同窓会とは直接話をしていない。正式発表前はあくまで学校からのお願いやお話を申し上げたということだ。次にPTAとの関係を申し上げる。これは父母教師会議での校長の挨拶や前校長と歴代4代のPTA会長が集まった席で共学化についての懇談をするという経過があった。同じように、平成15年7月の段階で発表しているわけだが、その後で県教委からPTA役員に対して共学化について説明をしたり、12月22・25日にPTA全体集会を2回に分けて行い、そこで説明をしている。それから生徒に対しては、全校集会あるいは生徒総会等で、そこに記載されているようなことをやっている。これらの経過はあくまで事実であり、これらについての評価や言い分はいろいろあると思うが、我々のメモでは一応このような事実があったということだ。

〈中川昭三〉
只今の説明に対して何か質問、意見等はないか。
ここから安部孝議員が出席

〈高橋正道〉
只今の教育長の説明にあった平成14年あたりからの同窓会常任委員会や総会での校長挨拶の中に盛り込まれたようなことは、ほとんど新聞紙上でぼつぼつ出ているような内容であって、正式な説明とはいえない。少なくとも、会長・副会長で構成されている三役会の挨拶の中で言ったとか、総会とか常任委員会とかあるいは支部総会での挨拶の中で言ったことを正式に説明したという形でとっているのはおかしいと思う。これらの話の中には、時期の問題とか二高だけとかいう話は全く出ていないわけで、我々はそういう話でこれを正式な事前説明ととることはできない。それから、中期総合ビジョンが平成15年3月20日に決定して二高の当時の佐藤三之校長が3月末の定年になる前に県教委に提出したもので、我々は3月末までの間、勿論内容も全然見ていない。。しかも経過としては、その前の渡辺校長のときに「21世紀の二高を考える会」というのがあって、それには同窓会から2人入っていたが、その後の佐藤校長になってからは、学校内でやっているそういう会議には同窓会からは一切メンバーとして入っていない。だからその内容については全く知らない状態だった。なお、中期総合ビジョンを各学校に出すように県教委が指示し、二高はそれについて検討して出したということを5月になってから校長から聞いたので、他の学校も当然中期総合ビジョンを出しているのだろうと思っていたが、2年経った現在、出ているのは二高と宮三女高だけで、一高、一女高、二女高は多分まだ出ていないのではないかと思っている。そういう指示というのは、行政のやっていることに対して我々は非常に不信感を持ってしまう。二高の当時の校長だけが何か早とちりをしたか、あるいは二高は万全の準備ができたということでお手柄を示したかったのか知らないが、こういうことで平成18年度の二高共学化が決定したというように後から聞いているが、このような進め方には非常に問題がある。中期総合ビジョンについては、その後、5月2日に後任の佐藤(隆信)校長から申し送り事項としてこのようなものができているので説明させて欲しいということで我々としては初めて正式に聞いたものだ。そしてその後、7月18日の河北新報1面トップ記事で「二高共学化」、二高だけの共学化というのが出て我々はショックを受けた。確かに何か近づいてますよというような話は校長から聞いていたけれども、二高だけという話はその際も一切なしに、共学化についての発表が近づいているよというふうなことは確かにニュアンスとして校長の話からはあったが、河北新報に出たような内容の話ではなかった。後任の佐藤校長は、私はほとんど知らされていないんだけれども何か近づいているようなことを感じているのでお話ししておきますよという程度の話だった。だから今、教育長の仰っているような当然正式な説明をしているとか、校長から同窓会の方に言っているというような経緯については、現場の状態としては非常に問題がある進め方がされていたと感じている。二高がさっさと出せた中期総合ビジョンが、それから2年も経っている現在、まだ他の学校がやっているのかいないのか我々はよく分からないが、そういうような行政の進め方というのは非常におかしいということ、この点をここではっきり申し上げておく。

〈山下健二〉
教育長は今、県教委は正式発表前の同窓会への説明は校長を通して行うと仰ったが、この共学化の方針なり政策を決めたのは県教委あるいは県の教育委員会のはずだから、それをどうして直接学校関係者に説明しなかったのか。何か内規でもあるのか。教育委員会の決めた共学化を表に出すともめるかも知れないので、校長を派遣して時候の挨拶か何かのついでに、ちょこちょこっと挨拶で言っておいて、言った言った、説明した、説明したということで、実績づくりをして、後は無し崩し的に進めればいいんじゃないかと考えて策を弄したものと勘ぐりたくなる。県教委としては、後ろに引っ込んでいて、それでうまく行けばいいやというように聞こえる。非常に策略的だと思う。本来、こういう大事なことは県教委自らが、決めた本人自らがきちんと説明すべきが筋ではないのか。

〈白石晃〉
共学化を全てやるということは政策決定だ。これは平成12年度にその方針は決めてある。そうすると各学校としてはいつからやるのかということだけが残ることになる。いつからやるかということについては、我々県教委が責任を持って発表するということだと認識している。従って、我々が正式発表する際に学校関係者に対しては、やはり事前に連絡しておく必要があると考えている。ただ、全ての方に事前連絡をすることは不可能だ。従って、同窓会であれば同窓会の役員に対して一応説明すべきであるという判断に立っている。それで誰が説明するかという話だが、それは県教委ではなくて、校長、学校が我々の考えを聞いて、同窓会やPTAの方に説明をして頂くのが普通のやり方だと思う。但し、発表した後はもちろん県教委が責任を持ってやるわけだから、学校の方から説明にきてくれということであれば当然に行く、そういう仕方を当然しているということだ。

〈佐藤茂〉
政策決定だというお話だが、将来構想の中では、共学化という項目は多数の項目の中の1つとしてあがっている。多数の項目のうちの1つだ。しかもその共学化の項目の中には、「各学校関係者の理解を得ながら進めること」と記されている。理解を得ながら、理解を得たその上で進めるということなのだから、理解が得られなかったらこれは進められるかどうか、これは別問題ということになると思う。それが将来構想の内容だ。将来構想が出されたのが平成13年3月で、二高が中期総合ビジョンを出した平成15年3月20日までの約2年間、当然のことながらご父兄や同窓生、同窓会またそれを交えた上で合意形成を図りながらこの中期総合ビジョンというものを打ち出すべきではないのか。このビジョンを見ると、校長とか二高の中の検討委員会とか学内関係者だけで決めている。それは当然、理解を図るとか合意形成を図るとかそのような過程が一切抜けているように思う。従って、理解を得ながら進めるという将来構想の趣旨からいってもこれはずれていると思う。

〈白石晃〉
理解を得るということは当然構想の中には書いてある。ただ、理解を得る前段階として、共学化をいつから開始するかということが明確にならないと、理解を得るも得ないもない、これは話にならないと思う。例えば、共学化の開始を平成18年4月からと一応発表しているわけだから、その場合、18年4月にやることについては理解を得なさいという読み方だろうというふうに思う。そしてさっきから言うように、体制としては県内全ての学校については共学化するということで方針を出しているわけだ。

〈佐藤茂〉
それはあくまで方針だろう?

〈白石晃〉
方針だ。

〈佐藤茂〉
理解を得ながら進めることになっていると思う。

〈白石晃〉
だから政策方針だ。これは構想をまとめる際に、共学化すべきかどうかについてけんけんがくがくやった。そして結局は全ての学校をやりますよというまとめ方をしたということだ。そしてその際には、さっき言ったようなアンケート-このアンケートについてはいろいろ議論があると思うが-それから有識者会議、そして県内各地でのいろいろな懇談会、そういった意見を踏まえて構想を作り、この中で共学化は全てやるよということでの了解をもらったということだ。だから各学校にすれば、しゃぁ、いつからやるのかということだけだ。

〈佐藤茂〉
それはちょっと飛躍ではないか。

〈白石晃〉
飛躍ではないと思う。

〈佐藤茂〉
(その将来構想については)理解も了解も得られていないと思う。有識者会議でも共学化に関しては1回しか開いていない。しかもその会議は2時間の会議だったが、調べてみると正味1時間半しか議論をしていない。さらに、各有識者がいろいろ個人的な感想だとか思い出だとか、それらをバラバラ述べただけであって、体系的な議論でも何でもない。最後に座長である水原教授が全部の共学化を一方的に結論づけている。このことは県の資料の中にも出ている。だから、理解とか了解を得ながらこの将来構想なりビジョンをまとめたとは到底いえるものではない。

〈白石晃〉
そこら辺は手続きをどう評価するかという話になる。

〈佐藤茂〉
評価の問題ではなく、これは事実だ。

〈白石晃〉
評価というか、その過程の中で…。結局、平成13年3月に構想ということでまとめてそれを発表したという事実は残る。その上に立って我々は今やっているということだ。
〈高橋正道〉
先程ちょっと触れたが、各学校の中期総合ビジョンの提出についてはどのような指示をしたのか。

〈白石晃〉
それは2番目のテーマに関係してくる。
〈安部孝〉
まずちょっと遅れたことをお詫びする。(会議は)もう1時間くらい経っており、私の手元の資料ではあと4つほど前回の未回答部分がある。そこで、この問題をもうちょっと詰めるか、それとも時間も限られているので、前回の未回答部分を少し披露して頂いてから、その後でまたやってもいいかとも思うがどうか。

〈高橋正道〉
(相互に)関係している(テーマだ)。

〈朝倉亮〉
関連している。説明したかしないかという話だから、これは基本的な話だ。

〈安部孝〉
それではその問題をもう少し続けるということで…、朝倉さん、どうぞ。

〈朝倉亮〉
平成13年から14年まで、6,7月に同窓会の常任委員会と総会で女生徒への門戸開放を説明したとあるが、私は出席していたけれど聞いていない。(当時は)ほかの問題でもけんけんがくがくの議論をしていたので、校長さんがどんなことを言うか聞き耳を立てていたのだが、私はまず聞いていないということだけは申し上げておく。こういう問題があるから疑問があるのだ。こんなことでは同窓会総会で説明したということにはならないと思う。みんなも意見があると思うからもう少しこの問題を詰めて欲しい。

〈山下健二〉
校長に任せるからこのような議論は当然出てくるのだ。校長によっては、人柄やその時の状況がいろいろあるわけで、その言い方も(校長に)任せている。(県教委は)指示はしている、内示をしてそれを徹底しなさいということが普通のやり方だと仰ったが、何が普通のやり方なのかよく分からない。これだけ体制が変わるわけだ。別学を共学にいつからするかということが具体的に打ち出されていて、それを学校関係者に説明するのに当然に校長に任せるというのは普通のやり方ではないと思う。これだけ大きな問題ならば、しかもそれだけ前に県教委として方針を打ち出したのであれば、県教委が前面に出てきて、きちんとその発表前に説明するというのが筋の当然ではないのか。その程度のことで共学化を考えているのだったら、共学化とはもともと何なのか。先程も出たが、有識者会議も本当におざなりな議論だ。共学化のメリットというか、別学のデメリットというかについて、水原教授がたった1人、1つだけ「別学出身の大学生は女の子とのつきあい方が下手だということを聞いてます」というこの程度のことが別学のデメリットとして出ている。あとは、私は2割ぐらい別学の方がよいとか何か非常に感覚的な話の中で、水原座長が強引に決めている。それからこれはまたいずれ何回目かの会議で出てくるけれども、手続きで決めた、決めたというが、平成11年のアンケート、それから有識者会議、その後の県民各界各層に対して2回にわたり各30回意見を聞くあるいは説明をしたという、これについても具体的にきちっと議事録を要求するが、どんな意見が出て、それはどういう処理がされたのかというようなことがうやむやだ。そんな中で、決めた、決まった、それはもう既に決まっているんだから、あとは現場の校長に任せて正式発表前に説明しておく。それで県教委が事前に説明した、事足れりというのはあまりにもおざなりで無責任だと思う。これが普通のやり方だというが、それでは何が普通でないやり方なのか具体的にあげてみて欲しい。

〈白石晃〉
我々が行政を進める際には、先ず政策決定をする必要がある。そして政策決定を全体的な話としてやって、そこからどう動くかということを具体的に考えて行くことになる。県立高校の将来のあり方については、共学化だけでなく、いろいろな統合の話もあり、中高一貫教育の話もある。そういった学校のあり方について将来的に10年を見込んだときにどうあるべきなのかという議論もする必要があるだろうねということで始まったのが将来構想だ。そしてその将来構想は当然のことながら行政だけで決めるわけには行かない。そのためには、いろいろな方達、県民の方達、それから有識者、いろんな方からの意見を聞かなければならない。そしてそれを聞いた上で、これは議会も含めた話だけれども、その中での議論を通してこれはこの方針で行くべきかどうかということを判断する。そういった経過を踏まえて平成12年度中に、全ての学校については共学化するという方針を決めた。その手続きはいいのかという話はあるが、いずれそういう手続きはとってきた。そこで我々からすれば、全ての学校を共学化するという前提に立ってそこから仕事をすることになる。そうすると例えば、一高をどうする、二高をどうする、一女高をどうすか、あるいは他の学校をどうするかということを考えることになる。そして、2番目の問題とも絡んでくるが、それぞれの学校の事情がいろいろあるので、それをいろいろ聞いた上で、じゃあ、この学校についてはいつからやりましょうねということで、県教委と学校側との話合いになる。その中で、一応この辺で行きましょうねということであれば、その段階で我々というよりも学校の方からPTAや同窓会に話して頂くということである。

〈佐藤茂〉
それはいかにもお役所的な、中身のない手続き形式主義だ。県立高校は県民の税金で成り立っている。重要なのは、それを支えているのは何も県教委のお役人ばかりでなく先生、生徒、父兄、同窓生、同窓会等全体なのだ。それなのに、それらの人々が含まれていないところで、勝手に決めておいて、これは決まったことなので、あとは日程をはめ込むだけだから日程についてだけお話をしますというのは話の矮小化だと思う。我々がなぜ理解も納得もできないでいるかというと、それは我々がその意思決定過程、それから合意形成過程に含まれておらず、排除されていることだ。繰り返しになるが、現に、資料8頁の「同窓会への対応」では、平成13年3月から15年3月に至るまで、父兄も同窓生も含まれていない。これでなぜその政策決定ができたのか、理解と了解を得たといえるのか。これは限りなく詐欺に近い行為だと思う。校長が挨拶の中で盛り込んだと繰り返し言われるが、先だって同窓会総会で柏葉校長からそのご挨拶の中で期せずして共学化についてのお言葉を頂いたが、それは何も我々が共学化を理解したわけでも納得したわけでもなく、ただ単に挨拶の中でお述べになっただけのことである。それをもって、やりましたとか説明しましたとかは言って欲しくないし、それは何の根拠にもならないと思う。

〈白石晃〉
それは全体的な政策決定の話と学校レベルの話を混同しているんじゃないかと感じる。

〈佐藤茂〉
混同はしていない。根幹の将来構想がおかしいと言っているのだ。

〈白石晃〉
政策決定の関係は県全体をどうするかという話が先ずあって、それは一応将来構想という形でまとめた。そして構想をまとめるに当たってはいろいろな方達から意見を聞いた上で政策決定したということである。そして、全体的なベースができて、じゃあ各学校毎にいつからやるんだということになれば、さっきからいうように学校の事情があるので、学校の方の動きは次の問題になる。次の問題とは、さっきから問題になっているが、例えば中期総合ビジョンはどこまで検討されているのかという話になる。この中期総合ビジョンについては、先ほど「我々は聞いていない」というお話があったが、これについてもいろいろなやり方があるのだと思う。そして我々が聞いている中で、中期総合ビジョンも共学化を盛り込んだ形で検討した上で、平成15年3月末には作ったということだから、共学化を発表する要件として十分だということの判断があり、それて発表したということだ。

〈高橋正道〉
その部分についてお聞きしたい。中期総合ビジョンが15年3月20日に決まって、3月末に校長から県教委に出し、県教委は校長が説明するようになっているとさっき仰った。だから県教委としては同窓会や二高の学校関係者に説明していないともさっき仰った。じゃあ、それは誰が説明するかというと、学校長が説明することになっているということだ。

〈白石晃〉
そうなっているというか、そうしたということだ。

〈高橋正道〉
ところが、その校長は中期総合ビジョンを学校関係者である同窓会とかPTAに説明しないで県の方に出して、その後定年でいなくなってしまった。その後任の校長が、「いや実はこれは申し送り事項だけれども、同窓会さんは聞いていますか」と言うから、我々は「全然聞いていない、初めて見た」ということになった。そしてその後任の佐藤校長に対して、あなただったらこれが決定したときに同窓会に説明するかと聞いたら、私だったら当然説明すると仰っていた。前任の佐藤三之校長は説明しないで逃げてしまったわけだ。それは前任校長の責任なのか、それとも県教委の指示なのか、あるいは故意にそうしたのか分からないが、少なくとも説明もしないで出したものによって県教委は二高の18年度共学化を決定したということは非常に大事な部分だ。それは校長の判断だ、校長のミスだ、あるいは早とちりだということで県教委の責任は逃れられない、県教委の責任は絶対にその点にあると思う。

〈佐藤茂〉
校長先生というのは県教委の管轄下にあるはずだ。その伝達を十分にしなかったというのは県教委の責任になるのではないか。

〈高橋正道〉
事の起こりはそこにある、そこに問題がある。我々同窓会執行部は、なぜ二高だけが18年度なのか、執行部は当然知っていたのだろう、ちゃんと聞いていたんだろうと随分責められた。実際には県教委は我々に説明していないし、校長も3月末にそれを出すまで全く説明していない。その後は、後任の校長が何かそろそろ近づいているような感じがするというようなことを言う。総会の挨拶の席では、今年の二高はスポーツがどうこうで、学校の成績はこうでしたという中で、共学の問題で何か話は出ていたという程度のことだ。そのあとの懇談会で一杯飲んだときは、何人かの校長が交互に壇上に上がって、俺は共学賛成だ、俺は反対だとやっていた。みんな個人的な意見を言っていた。それを総会とか何とかで説明したというように、(資料に)麗々しく書ける内容では全くない。

〈鈴木密明〉
教育長が仰ったように、二高共学化の1つの基軸が中期総合ビジョンだということであれば、このあたりのことをもう一度きちっとやらないと、この会議は前に進まないような気がする。

〈白石晃〉
柏葉校長先生、今のビジョンの関係、現在の状況をちょっと話して頂きたい。

〈鈴木密明〉
現在の状況がどうこうということではなくて、そこいら辺のところをもう少し議論する場が必要だ。

〈安部孝〉
立会人の立場でいうと1時間経った。この会議も時間が限られた中でやっているが、現場の関係のこともちょっと出てきたので、高橋さん、どう取り扱えばよいか。

〈高橋正道〉
今までの教育長の説明では我々は全然納得できていないので、これだけは念を押しておきたい。

〈安部孝〉
前回もこの問題はお互いの見解をお持ちの中で、接点があるということにはなっていない。今の話もやっぱりそういうことだ。次は共学化のスケジュールについて県の考え方があるということなので、その辺の話に移らせて頂く。また議論が戻ることはあってもよいと思うので…。

〈高橋正道〉
それでは戻るという前提で…。

〈安部孝〉
実は県教委としては、学力向上と二高の中期総合ビジョンについてのお考えを持っているようだ。時間も時間なのでその辺を手短にまとめてポイントを言ってもらい、その全体的な流れで話合いをした方が効率的な話合いになろうかと思うがよろしいか。

〈高橋正道〉
はい。

〈安部孝〉
それでは教育長の方から、議題の②、③、④ということで…。

〈白石晃〉
まず資料の2頁「県立高校共学化の進捗状況」についての説明、即ち、基本的なことで、共学化の進め方をどういうときにやるかということの説明をしたい。具体的にいうと、平成22年度までに全ての県立高校を共学化することを「将来構想」の中で決定している。先程からいうように、開始年度をいつにするかということだが、開始年度を決めるポイントとしては、共学化の方向が定まったということだ。それは資料2頁の1「共学化の進め方」の欄に書いてあるように、次の2つが要件だ。①学校として共学化後の学校のあり方の検討が進んでいること。②共学化に伴う施設整備の目途が立っていること。そういった要件が揃った段階で、いつからやるかということでまとめている。実際に共学化の開始年度を発表した学校は14校あり、一番最初は平成17年4月の角田高校、築館高校、気仙沼、東松島各高校だ。角田は角田高校と角田女子高校との再編統合、築館高校も築館高校と築館女子高校との再編統合、気仙沼高校も気仙沼高校と鼎が浦高校との再編統合だ。東松島高校は矢本高校・石巻高校定時制課程・石巻女子高定時制課程を昼夜間開講型体制の高校への組み替えたものである。いずれも平成17年4月の開始である。それから、古川黎明高等学校は前の古川女子高が名前を変えたものだが、これは併設型中高一貫高校で、これも同様に平成17年4月の開校だ。そのほかに平成17年4月では、古川高校が古川女子高との再編統合ではなく、今までの男子高だったものを男女共学化するという単独共学化だ。さらに先程もいったように、平成18年4月からやることにしている石巻高校、石巻女子高、石巻商業高校は単独共学化だ。それで手続き的にいうと、これに予算と学則改正が絡んでくる。各高校に従来からあった男女別募集定員に関する規則を改正するのが学則改正だ。さらに、男女共学化に伴ういろいろな施設整備関係の予算が通っているということが必要である。石巻高校、石巻女子高、石巻商業高校は学則も改正したし、予算も通ったので、平成18年4月には一応予定通りやるということになっている。それから三女高は校舎改築を機にやるということにして、現在のところでは平成22年4月に共学を開始したいということで今発表している。それで、まだ発表していない学校があるが、これも一応この前の常任委員会に資料を提出しているのでご覧頂きたい。未発表校は8校ある。仙台圏以外では、白石高校、白石女子高については再編統合ということで今進んでいる。それから塩釜高校、塩釜女子高校はお互いに魅力ある学校としての特色づくりというものを各学校で検討中である。一高の共学化に向けた課題としては通信制課程がある。現在、通信制課程が併置されているが、一高からはこれを独立してくれないと共学化は難しいということが出ている。これについて独立させるかどうかというところの兼ね合いがある。それから三高だが、これは三女高と同じように老朽化した建物の改築の問題がある。それを予算的にどう組ませるかという課題がある。一女高は二高が19年4月に共学化したときに、その共学化に向けて特長ある教育内容を現在検討中というところである。さらに二女高は、今のところ中高の一貫教育をやるということで、新たな学校のあり方を現在検討中である。さらに加えてあの学校の校舎も老朽化しており、改築問題もある。従って、この未発表校については、教科としての課題もあり、それから学校改築という予算上の課題もある。そういったものを一つ一つクリアしながら発表して行くという段取りになっている。

〈安部孝〉
取りあえず、資料が出ていることでもあり、次の学力向上まで行きましょう。教育長、少し手短に…。

〈白石晃〉
学力向上の問題は、山下さんからびりっけつじゃあないかというお話もあり、それについて我々も当然意識を持っており、どうにかしなければということで、今年の3月に初めてこのプログラムを作った。このプログラムは特に抽象的な話ではなくて、あくまでも目標値をしっかり考えた上で、フォローアップして行こうという考え方に立っている。そこでは義務教育、それから高校の関係が一応挙がっている。ポイントは結局、教育の質の話、それから家庭での学習時間、これをどうするかというところの議論だ。そこをきっちりとまとめた上で数字的な話をしている。そして4頁では、そのためにまた個別にさらに目標値を設定している。県立高校では県教委が直接入って行くのだが、義務教育の場合はもう一つ教育委員会が間にはいるので、かなりのお願いベースになり、苦労部分はあるが、いずれ学力向上は最大の課題だと思っているので、こういったプログラムを作らせて頂いているということだ。これ以外に、5頁には現在やっているいろいろな学力向上関連施策が載っているのでご覧頂きたい。

〈安部孝〉
それでは柏葉校長先生、中期総合ビジョンのところを説明して下さい。

〈柏葉浩明〉
仙台二高中期総合ビジョンということでご説明を申し上げたい。全体の概略をお話申し上げると、この二高中期総合ビジョンは、平成12年度に100周年を迎え、さらに21世紀に向けての仙台二高の将来像ということで、仙台二高の伝統あるいは現状をあらめて吟味しながら課題等を抽出し、今後のあり方を探ったというのがスタートである。具体的には、平成12年度後半、12年度末近くに、「21世紀の仙台二高を考える会」というものを組織し、それが「二高ビジョン委員会」という組織に引き継がれる形で検討が進められ、平成15年3月に策定を完了したというものである。私としては記録、残されている文書等で確認するしかないわけだが、教職員はもとより、同窓会の方々、それからまた学校評議員の皆様からもご意見を伺いながらとりまとめを図ったというふうに伺っている。

〈高橋正道〉
していない。同窓会というのは嘘だ。

〈柏葉浩明〉
「21世紀の仙台二高を考える会」に同窓会の方も何人かお入り頂いてご意見を頂いたというその部分で…。

〈佐藤茂〉
ここに資料があるが、(中期総合ビジョンの)発行元は、「平成13年3月仙台二高ビジョン委員会」となっているが違うか?

〈柏葉浩明〉
それは、「仙台二高を考える会」が、いわゆる「二高ビジョン委員会」に吸収されたので…。

〈高橋正道〉
その中では共学の問題について私は反対している。

〈矢吹隆志〉
すいません。今、校長が話をしてるので、それが終わってから…。

〈高橋正道〉
いやいや、嘘を言われては困る。

〈佐藤茂〉
嘘を言っちゃあいけませんよ。

〈矢吹隆志〉
それは後から指摘して頂ければと思う。一応聞いて頂きたい。

〈柏葉浩明〉
嘘をついているつもりは全くない。それでその作業が進められている間に、平成13年3月に県立高校将来構想、これの最終案が発表になったということで、ここに男女共学化の問題について検討を進め、取りまとめたものという具合に考えている。こういった経緯で、この仙台二高中期総合ビジョンというものが策定されたわけであるが、基本的にはその内容というのは、男女別学あるいは共学にかかわらず、21世紀の仙台二高の教育のあるべき姿というものを検討したものという具合に考えている。先生方をはじめ多くの方々のこれまでの経験と知恵の集積から生まれたこのビジョンはこれからの仙台二高を考える際に、1つの大きなベースになるものという具合に考えている。ただ、この二高の総合ビジョンに盛り込まれている男女共学化に際しての学校のあり方等についてはまだ十分にオーソライズされていない部分もあり、その部分については今後の検討が必要であるという具合に認識している。ともあれ、このビジョンは本校のこれからのあるべき姿を示唆した貴重なビジョンと受け止め、共学化を含めた今後の学校のあり方に活かして行きたいと考えている。

〈安部孝〉
分かった。取りあえず7時30分まで今の3点についての質疑をさせて頂く。というのは、父母教師会の鈴木会長からこの調整会議についての要請と質問のことについてお話があるということなので、それを7時30分にしたいと思っている。その間の15分を今の3点についてお話をし、30分になったら切り替えるので、そのことを踏まえての質疑ということで…。最初はスケジュールに絞ってやりたい。高橋さんから。

〈高橋正道〉
共学化スケジュールだが、今の説明だと2年前と全く変わっていない。何をやっているのか分からないけれども、一高については最初から通信制の問題があるということを聞いているが、これが今もって解決されていない。予算の問題だといわれればそれまでだが、こと教育に関しては予算はかなり最優先でということをこの前も教育長が仰っていた。教育についてはやはりそうやって行きべきだと思うが足並みが揃っていない。お金の関係で足並みが揃っていないことが1つと、それから、学校がそのビジョンを出せば共学になるということで、二高がビジョンを出したから共学というように県教委が決定したのであれば、各学校はそれぞれの思惑でビジョンさえ出さなければ共学にはならない、少なくともそのように思われるわけだから、こういうことについてはやはり時間を区切って、1年以内にするとか、そんなことも以前聞いたことがあるが、それがさっぱり実行されていない。スケジュールについてもそうであるが、そういうことについてはやっぱりちゃんとして欲しい。それから学力向上について簡単に申し上げると…、

〈安部孝〉
先ずスケジュールで行きましょう。教育長。

〈白石晃〉
未発表校は字面からいえば確かに1年間変わってはいないが、何もやっていないんじゃあないかというと、これはやっている。非常にやっている。ただ対外的に公表できないだけの話だ。水面下ではかなりやっている。例えば、通信制課程で何年にやるということを発表したときに、それをきっちりと説明できるだけのことをやっておかなければならないと思っている。通信制を独立させるということであれば、じゃあそれはどこに、どういう形でもっていくんだろうかということでの部分が出てくる。そしてそのための予算の裏付けはどうするのかという話も出てくる。それをきっちりと説明できる状況まで作って行かないといけないわけで、その作業をやっているところだ。

〈高橋正道〉
それはいつまでの話になるのか。

〈白石晃〉
それは…、

〈鈴木密明〉
このスケジュールの関係で、きちっと説明できなければ共学化は進められないと今、教育長は仰ったが、二高についてはまで理解が得られていないということであれば話が矛盾する。それから2つ目に、共学化の進め方として、学校として共学化の学校のあり方の検討が進んでいること。いわゆる22年度まで、もう前期が13年から17年、後期が18年から22年ということであれば、もうそろそろ後期の段階に入ってきているという、かなりタイトな時期になっている。その中で、8校のうち内容は別としても、学校側からいわゆるビジョンとして共学化を踏まえた学校のあり方の、いわゆるペーパーとして出されている学校は具体的にどこか教えて欲しい。

〈安部孝〉
白石教育長。

〈白石晃〉
現在のところその話はできない。今のところは22年度までにやるということだけは申し上げておく。

〈鈴木密明〉
質問としては、ペーパーが出ている学校はどこかということをお聞きしているので、出ていなければ出ていないというふうに答えて欲しい。

〈安部孝〉
教育長。

〈白石晃〉
出ているか、出ていないかも申し上げられない。

〈鈴木密明〉
大変申し訳ないが、この辺りが多分お母さん方が一番納得しないところだと思う。だから、できないとかということじゃなくて、出ていないなら出ていないとはっきり言って頂いた方がみんな納得すると思う。回答できるとかできないとかいう問題ではなくて、事実としてその学校からの検討書が県の方に出ているのか、出ていないのかというところを聞きたいのだ。

〈安部孝〉
教育長。

〈白石孝〉
これはペーパーということではない。学校側との話合いになる。

〈鈴木密明〉
分かった。それではペーパーではこの8つの学校は県の方に対しては未だ検討書が出ていないということでよろしいね。ペーパーとしては出ていないわけだ。

〈白石晃〉
ペーパーということで、例えば、二高のように中期総合ビジョンという形では出ていない。

〈鈴木密明〉
分かった。結構だ。

〈安部孝〉
スケジュールの関連で、佐藤さん。

〈佐藤茂〉
多少繰り返し的になるが、前にご説明頂いたことと何ら変わっていない。要するに、説明不足ということはそういうことだと思う。だから誰も理解も納得もできないのだ。「今、やっている、やっている」と言うけれども、それではそば屋の出前と同じことだ。つまり、電話をもらってから、「出ました、出ました」というのと同じだ。これらの学校も全て平成22年度までに共学化したいということならば、日程とその裏づけである予算措置、これはちゃんと線表になって既にお作りのはずだ。そのようなものを出さない限り、平成22年度までやれるとは言えないはずだ。だから、白石教育長はそういった計画線表を隠しているのだと思う。

〈白石晃〉
いずれ、平成22年度まで各学校毎に予算を含めてそういう課題がある。この辺は我々だけの話ではなく、例えば財政当局との話もある。そういった話合いの中でも詰めて行かなければならない。財政当局の話になってくると、今度は健全化、財政再建計画の話も出てくる。そういうところで非常に拡がりがある。だから、我々だけでこれを決定するのであればそれは無責任というものだ。だから、そこは言いたくない。あくまでもある程度の裏付けがあって、それで自信を持ってこれはいつまでにやりますよということを言える状況をつくった上でないと、これはちょっと言えない。逆にいうとこれは行政の無責任になる。そこまではしたくないということだ。〈佐藤茂〉もしそうならば、平成22年度までに全部やれるとは言えないのではないか。言っていることがおかしくないか。なぜ二高だけ財政当局から理解が得られたのか。それは矛盾していないか、おかしい。

〈安部孝〉
佐藤さんの質問に、教育長。

〈白石晃〉
平成22年度までに(共学化を)やるということで構想にも書いてある。その構想に基づいて我々は作業をしているという話だ。だから、その作業を今詰めているということだけなのでそこは理解して頂きたい。

〈佐藤茂〉
理解できない。そもそも22年度までにやるということであるならば、当然そこは線表があって、予算措置を盛り込んだ想定図があって、それでもって当然財政当局と話合いをしているはずだ。二高の平成18年の共学化も本来であれば、平成18年後期の共学化の想定部分であり、全体像を見てその予算措置が定まらない限りそれは出せるはずがない。そのように仰っているのに、なぜ二高だけが単独で前倒し的に日程発表になるのか非常に疑問がある。だから要は、線表と予算措置と財政当局とがどういう状況にあり、どういう話合いになっているのか、これはちゃんと中間報告でもよいから口頭でお示し願いたい。そうでなけけば、これは不作為だと思う。私も前から何回も何回も全体日程を示して欲しいと言ってあるし、そもそもこの前の請願採択の附帯意見の第1項にも「共学化について全体日程を明示の上」と記されている。そこまで出ておきながら、今日のこの日にいたってそれを出していないというのは、さぼりか白紙かのどっちかでしかないと思う。

〈白石晃〉
今、仰った通り、附帯意見としてついているので全体スケジュールは当然に出さなければならないと思っている。それは今の時点なのか、もう少し先の時点なのか、そこは我々の中で水面下でいろいろ作業しているところだ。

〈安部孝〉
スケジュールについて、朝倉さん。

〈朝倉亮〉
予算に関連するが、平成17年末においては、県の借金は1兆4千億円になる見込みであるということが書いてある。そして年間の収入は1兆1千億円しかないわけだから、1年かかっても宮城県民は、その1兆4千億円を県の人口230万人で割ると、赤ん坊からお年寄りまで1人70万円のお金の負担をしていることになる、生まれると直ぐに…。そういう中での共学、小・中学生の共学を進めると、彼らに負担をかけながら強引に進めようとする計画自体がちょっと破綻しているのではないか。こんな状況では22年までできないと思う。ここが一番難しいところではないのか。

〈佐藤茂〉
教育長だって、(給料が)減らされているのだと思う。

〈朝倉亮〉
できるはずがないんだ。

〈安部孝〉
財政の問題を随分心配して頂いて、知事のような発言も出て、お気持ちはよく分かる。このことは私達もいろいろと懸念していることなので…。ほかにスケジュールの関係で、じゃあ、最後の質問ということで…。

〈高橋正道〉
今、いかにも附帯意見3のことだけで二高と話合っているような雰囲気だが、実際には二高も附帯意見の1,2と全部関係している。だから、附帯意見1の日程と構想についてきちっと出して頂かないとこの調整会議は進まないことになる。〈白石晃〉これ(全体スケジュール)はいつ出すかという話だ。今の時点で出すか、あるいはもう少し先に行ってから出すかの話だ。出すことは一応考えているのでその時点でいろいろ議論したい。

〈佐藤茂〉
いつ出すのか言わないと意味がない。

〈白石晃〉
そこは調整がかかって行って、はじめて…。

〈佐藤茂〉
何で二高だけが調整からはずれているのか、おかしくないか、言っていることが矛盾している。

〈白石晃〉
全然矛盾はしていない。さっきから言うように、共学化の進め方、このポイントがあれば、共学化を発表するということにしている。つまり、学校のあり方の検討が進んでいることと予算的にきっちりと目途が立っていること、この2つの部分をクリアしているということである。その点でいけば二高はこれをクリアしている。だからこそ発表したということだ。ほかの学校については大規模な改築等が結構あるので、その段階で長いスパンの中で、どの程度金が回せるかという議論も当然出てくる。その点で一定の調整に時間がかかる。

〈高橋正道〉
前は、昨年の12月までには発表できそうだ、いや、ちょっと遅れて年度内、3月までには…、という話は何回か聞いているが、それが全然実行されていない。今もそれをはっきり仰れないというのは、ちょっと怪しいなと思う。一高なんかはもう食い逃げできるんじゃあないかと考えていると思う。これで(発言は)やめておくが。

〈矢吹隆志〉
ちょっと、よろしいか?

〈安部孝〉
じゃあ、このスケジュール関係で…。

〈矢吹隆志〉
この立場で私から言いたい気持ちはある。ただ、教育長としてこれは今、言えないということだ。

〈佐藤茂〉
何で言えないのか。

〈矢吹隆志〉
今は言えないと、言えないと言っている。

〈浜田毅〉
教育委員会だけで解決できる話ではないので…。

〈佐藤茂〉
じゃあ、なぜ二高だけが解決しているのか。

〈浜田毅〉
それは解決できたわけだ。

〈佐藤茂〉
それはおかしいではないか。全体像が決まらなければ予算も決まらないのに、なんで二高だけが解決できたのか。

〈安部孝〉
はい、はい、分かった。取りあえず(テーマが)2つ残ったが、時間的に余裕があればまた戻りたいと思う。今回の調整会議への要請及び質問書という形で鈴木会長からペーパーが出ているので、時間を短めに、ポイントのご説明をお願いしたい。

〈鈴木密明〉
私と内田氏から質問等をさせて頂きたい。先ずはじめに、「仙台二高PTA保護者アンケート結果報告書」という全56頁の小冊子が県の方のお手元にあると思う。傍聴の方々にはA3版の「アンケート調査表」がある。小冊子の1頁を見て頂くと、共学化についてはやはり賛成、反対いろいろな意見があることはザ-ッと分かっているが、保護者の適切な意見を数値的に、あるいは生の意見を聴取してこの調整会議で意見を反映させることが、PTAの本来の活動だろうということで初めてだけれどもアンケートをとった。実際は今年の6月20日から28日の間実施した。回答数は624通あり、うち5通は白紙回答であり、有効回答数は619ということになる。全生徒数が名簿上は962名になっているので、有効回答率は実に64%ということでPTA活動並びに共学化問題に関する意識が非常に高いということが分かると思う。このアンケートは全部で15問あり、PTA活動等についてもやっている。時間もないので、共学化に関するところだけを取りあえず私の方から中身の説明をさせて頂いて、後ほど内田さんの方から質問させて頂きたいと思う。まず4頁の問7と問8はパラレルの問題で「共学化についてどう思うか」を聞いている。問7が「仙台二高の共学化についてどう思いますか」、問8は「宮城県の県立高校一般は、現在約80%が男女共学だが、県立高校について全て男女共学にすることについてはどう思うか」といういわゆるパラレルの問題だ。1年生とかいろいろあるが、「大いに賛成」「どちらかというと賛成」等々、後ほどじっくり見て頂きたいと思うが、結論からいうと、問7の「仙台二高の共学化について」は、「大いに賛成」「どちらかというと賛成」というのが全校生徒数の約13%である。それから、cからfまで「どちらかというと反対」「やむを得ない」とか「大いに反対である」とか、いわゆる共学化について、二高について反対というのが実に82%だ。だから仙台二高の父兄の60%のうち、13%が賛成、残りが82%といういわゆる生の結果だ。それから問8の、県立全部を一律平成22年度までに男女共学化することについてどうですかということだけれども、同様に賛成は僅か13%、反対が81%である。従って、問7と問8を見て頂くと分かるが、傾向としては二高についても、あるいは宮城県の一律共学化についても、二高の保護者の方は実に8割の方が反対だという意見だ。次頁の問9で、ちょっとややこしい質問だが、問7でcあるいはdと回答した、いわゆる問7を見て頂くと、「どちらかというと反対であるがやむを得ない」「大いに反対であるがやむを得ない」という方に聞いているのだが、この共学化についてどうなのかということだが、「共学化はやむを得ない」「やっぱりやむを得ない」という方は24%で、「やはり共学化は避けるべきだ」という方が、「どちらかというと反対」あるいは「やむを得ない」といった方でも共学化は避けるべきというのは62%ある。次の問11だが、これは問8でcとd、いわゆる問9と問10がパラレルの問題だ。問8のcとdを読んでみると、「どちらかというと反対であるが、やむを得ない」「大いに反対であるがやむを得ない」、やむを得ないという方でもそれでも一律共学化はやむを得ないのか、あるいは見直す余地があるとするならば避けるべきかという質問に対しては、「避けるべきだ」というのが約7割近い回答だった。それから問11だが、先程から共学化の時期についていろいろ議論があったが、ちょっと問11を読ませて頂くと、「県教委では、平成22年までに一律共学化を達成したいと発表していますが、既に共学化された高校や共学化の時期が発表された高校(仙台二高もそうだが)がある一方、未だ共学化の時期について発表にならない高校がある。こうした共学化の時期についての設問である。a.「共学の時期が高校毎にずれることは特に問題ない」等々なのだが、一番驚くのは、避けられないならやはり一斉にしてくれというのが43%、お母さん方の感情かも知れないが、43%がやはり同一にやらなければいけないという意見だ。それと、共学化前提の質問ではないか、この設問自体が共学化を前提している設問ではないかというのが実に32%である。一方、「同じ学区であればやむを得ない」が12%、「問題ない」が5%、「やむを得ない」が5%だが、共学化前提の質問である「e」と、避けられないなら一斉にという「d」を合わせるとやはり7割近い方が時期について何らかの非常な不信感を持っているということになる。それから6頁の問12、この調整会議で保護者としてどういう議題で話合うべきかということだが、a.「男女共学化を前提とした話題に絞って話すべきである」というのが僅かに10%だ。そのほかは、「共学の見直しを進めてくれ」が33%、「共学化と見直しの双方の議論」ということで50%、いわゆるこれから読み取れるものは、やはりいずれにしてもきちっとした議論をして欲しいということだと思う。それから最後の質問になるが14番、あなたのお子さん方は共学化に賛成なのか、反対なのか、どうなのかという質問である。「共学化に賛成である」が4%、在校生の「共学化反対」が58%、「どちらでもよい」が22%、「わからない」、まさに親子の断絶家庭が2%ということである。いずれにしても、在校生としても共学に反対なのが6割に近いということだ。ただ一方で、共学化に賛成というのが4%ということである。7頁以降の「自由意見まとめ編」をず-っと見て頂くと、自由に回答して頂くのが実は3問ある。県の方でもこういうアンケートをやられていると思うが、自由に記載してくれというとほとんど書いて頂けないが、これが7頁から51頁まで全て意見である。賛成意見が37名、反対意見が137名、どちらとも言えない意見が42名である。調整会議についての意見が58人、その他いろいろな意見が7件、PTAに関するもの、激励とかあるいはPTAとしてやるのはおかしいという意見が78件で全部で357名である。賛成が37人、反対が137人ということでこの比率だけで見ると、反対の方が80%も意見を書いているということだ。これを踏まえて内田さんの方から質問をさせて頂きたい。

〈安部孝〉
じゃあ、内田さん。

〈内田正之〉
質問の具体的なものは、私よりもむしろ池原さんあるいは田中さんの方からして頂くとして、私としてはこのアンケートの概略についての補足を若干2,3分だけ行う。このアンケートについては、先程、安部さんがいらっしゃる前に、要請書の趣旨について私の方から大分詳しく説明した。このアンケートは校長先生も含めた、いわゆるPTAの役員会で決定したものである。その時に、教員についてはどうか、教員についてこういったアンケートをとることはどうかという設問を実は入れておいた。ところが学校側からは、学校側として既に政策決定されたものについて個人の立場では意見が申しにくいので、その設問ははずしてくれないかということで、役員会ではずすことにした経緯があったことをお知らせしておく。平成13年3月の基本構想が政策決定される以前には、おそらく現場の教員から広く一律共学化の当否について意見を聞くということはしなかったのではないかと思う。先程の有識者会議やいろいろな県民アンケートの話の中でも、現場教員という話は含めてこなかった。まず、私はこの点に手続き的に非常に問題があるのではないかと思っている。学校の先生からの意見は、学校内の委員会等で、あるいは職員間で十分にくみ取ることはできるんだといっても、それは一律共学化が既に政策決定された後の時期についての、あるいはやり方についての話であって、一律共学化の当否についての意見ではない。まず、手続き的に私は非常に問題があると思っている。さらに今回のアンケートの特長は、鈴木会長の方からもあったが、自由記載の意見が非常に多かったという点だ。これは私も仕事柄、いろんなアンケートが沢山あるが、これだけ自由記載欄にいっぱい書いてくるアンケートというのはまずない。これは役員としては、やはり忠実に調整会議に反映させるべきだという、そういった考えから、これは全部アンケートの報告集に一字一句、ワープロミスがあるかも知れないが、全部漏らさず載せることにしたものだ。まず、それが2つ。皆さんもぜひ細部にわたって読んで頂きたいと思う。それで今回、2つだけ質問の趣旨というか、質問としてテーマを挙げたのは、やはり一律共学化にするその必要性、あるにはメリット、デメリットというふうに言い換えてもよいと思うが、政策変更の必要性、今の別学と共学の共存、併存の政策から一律共学化への政策変更するその必要性についての理由が何とも理解できない。これ(この意見)が極めて多い。これは反対の立場の方は勿論だが、どちらかというと共学に賛成の方からもそういった意見は多数出ている。あともう1つは、この前の話にあったが共学化時期の問題だ。つまりなぜ同じ学区でこういったズレの問題が生ずるのか。県教委はよく受験機会の均等ということを仰るが、まさにその同じ学校で、男子高だけで共学化すれば、これは男子に不利になるのは目に見えている。しかもまだ共学化のスケジュールが明らかにならないところも随分ある。その間に受験期を迎える中学生は非常に不安な時期を過ごすのは間違いない。この点について一体どう考えているのだろうかということについての疑問、質問、これはもう賛成、反対を問わず、非常に多かった。この2点について取り急ぎ、役員の方でまとめて頂いたので、具体的には池原さんと田中さんの方から時間の範囲内で質問させて頂きたい。

〈安部孝〉
じゃあ、質問という形で、池原さん、ず-っと言いたかったような顔をしているので…。

〈池原理枝子〉
質問といわれると…。

〈安部孝〉
意見でもよい。

〈池原理枝子〉
2月に議会を傍聴させて頂いた印象では、1年間というのは十分話合うための期間ということで、その話合う内容は二高を急いで共学化しなければならないのかといったことも含めての議論だと思っていた。この会が始まってみると、もう決まったことで19年からやるにはどうするかという具体論になっているようで、県会としてはどういったお考えで話合うようにと仰ったのか、安部先生への質問ということで集約すれば先ずそのことだ。恐れながら安部先生に訴えたい。それは平成13年3月に将来構想が発表されて4月に息子が二高に入学した。従って5年目、この間3人の校長先生を拝見させて頂いた。将来構想には何回も繰り返されていることだが、対象校毎に関係者の十分な理解を得ながら云々とあるにもかかわらず、先程申し上げたように13年4月に入学して以来、PTAの会員を続けている私は決してPTA活動に無関心なわけではない。このような席にも出ているし、定期戦はじめ運動会、文化祭と全て参観させて頂いているし、保護者会も1回も欠席していない。それにもかかわらず、15年7月18日に記者発表するまで、こういうふうに具体的に二高の共学化の話が進んでいるのかというようなことを説明された記憶が、これ、私だけがされていないのかどうか分からないが、記憶がない。先程盛んに同窓会の方々が質問、質疑応答していたが、本日の資料の1頁目を安部先生、あらためてご覧になって頂きたい。「2.PTAへの対応」のところ、その面積でご覧になって頂きたいと思う。上の「同窓会への対応」はまだ10センチくらいあるかも知れないが、PTAの対応に関しては、最初の年月日、平成13年3月策定云々を除いて、14年7月から15年7月18日に発表になるまで何行?、4行か5行だ。その間、職員室で二高ビジョンの策定についていろいろ話合いがあったようだが、その経過については一部PTAの会長さんとかには内々にあったのかも知れないけれども、少なくとも一般のPTA会員への周知の事実はなかったと記憶している。欄外の※印のところに、入学式、卒業式云々のときに趣旨を踏まえて云々説明とあるが、少なくとも13年に長男が入学したとき、15年に次男が入学したときにそういったお話、ご挨拶、校長先生の挨拶というか祝辞というか、その中には少なくとも含まれていなかったと思う。もしあったら、多分私は相当ショックを受けて記憶していると思う。将来構想では「校舎改築とか学科再編とかを機に」とあるが、二高に関しては勿論いずれでもないわけで、それで関係者の十分な理解といっても、その理解をさせるための話合いというか、機会さえもなく、とにかくビジョンをこういうふうにしたのだからという事後報告的にPTA会報で校長先生のお話の中に示されただけだ。それでも関係者が十分な理解を得たのかどうかというご判断を県議の先生に申し上げたいと思う。15年7月18日に記者発表されたが、その2,3日前に、実は夏休み前の保護者会というものがあり私は講堂にちゃんと出席していた。その時に当時の同窓会の副会長が一言挨拶をすることになっているが、今、県知事に呼ばれて到着が遅れているというようなお話で、さんざん待たされた記憶がある。その待たされている時間に、せめてその経緯でも、共学化に向けてこうしているというお話でもされればまだしも、待っている間、当時の生徒指導部長から何やら長々しいお話をさんざん聞かされて、ただ時間つなぎに待たされただけだった。その時に、しようと思えば共学化の時期の発表が2,3日後であるということもできたはずであるが、あえて保護者には知らせないようにしたとしか、それはもうあとになって気づいたことだが、そうとしか思えないような学校の対応だった。このような過去の経緯を今さらぐちっても仕方がないというのであれば、6月末頃に私が知り得た情報だが、県議会棟の会議室で先に公立校が一律共学化になった福島県での事例の説明を聞く機会があった。かつて男子校であったところが共学化になってどうなったかというと、そのお話しされた方はかつて県立高校で長く教鞭をとられて、しかも校長先生の要職も務められたという方のお話だったが、元の男子校の男子の覇気が以前に比べてなくなったと。進学の数も数的には女子が入っても同じであるが、進学の内容は悪化しているというようなお話もあった。そういったこと、他県の例、前例、いろいろお考えなって、あくまでも構想は構想なのだからもう一度お考え直し頂けないものかなぁと思ってここに座っている。それからもう1点、これは校長先生に申し上げたいことだが、7月13日に保護者会があり、その際校長先生のご挨拶は大変流暢でご立派で、さすがというふうに私は感服したけれども、その時には既にこのアンケートの結果がおそらく校長先生のお手元にあり、ご覧になったはずだと思う。それで父母の8割は反対という結果が出ているにもかかわらず、もう決まったことは粛々と進んで行くんで、今さら反対してもどうしようもない、このまま共学を推進するのだという固い決意が私の気のせいだけならよいのだけれども、その場に居合わせた多くのお母さん達が校長先生お話の途中だし、口を挟むわけにも行かなかった。そのあと、3年の場合は受験の日程やら説明があったので取りあえずは聞き流したが、会が終わった後、親達は皆ほとんどあれではもう決まったことみたいねという不満の声が随分あったことを申し上げておく。先程から何回も繰り返すように、将来構想には「関係者の十分な理解を得ながら」といいながら、それは単なる書いてある文言に過ぎないかのような教育長さんのお話で、それはそう書いただけのようなお話だったが、じゃあ、二高の中期総合ビジョンも書いてあることは文章で、文言でしかない。それをもって、仮に共学化をしたとして、その文言通りになるかどうかというのはそれは書いただけの作文等にもなりかねない。13年の将来構想の例と同じように…。そういうことも申し上げて、これはまあ、私の意見だ。それから、二高の教育目標、うたい文句、「至誠業に励み、雄大剛健の風を養い、ともに敬愛切磋を怠らず」ということはどういうことかという説明がどこかに書いてあったのを控えてきた。大きくたくましい人間性を養うというようなことがそのビジョンの中にあったわけだが、校長先生は聞くところによると生徒達に、これは今さら決まったことをいくら反対してもやるものはしょうがないんだ、お前ら、と言ったかどうかは分からないけれど、そんなことを言ってないで勉強さえしていればいいんだというようなことを仰ったと漏れ聞いている。もしそうであるならば、何をもって雄大剛健の風を養うのか、単に目先の勉強だけしていればいいというのが教育目標なのか、具体的にこの雄大剛健の風を養うために学校としてはどういう教育をなさっているのか、質問といわれれば今、咄嗟にそういうふうに考えた。よろしくお願いしたい。

〈安部孝〉
時間も迫ってきたが、私の方にも質問があったので、手短に議会の状況ということで…。皆さんご存知のとおり、文教警察委員会というのは10名(の構成)である。私は司会進行で、自分の意見を述べるという機会は与えられていない立場だ。委員間の協議というのは数回にわたってあった。最終的に附帯意見をつける請願の採決ということになったので、そこの場面の状況をお話ししたい。9名の中にはいろいろな意見があった。お一人お一人みんな違う。それを何らかの形で採択、不採択かということになると、まとめるという形になる。そこで出てきた結論は平成22年度の共学化を進めましょうと、そういった意見では各委員まとまった。しかし請願に書かれてあるように、果たして二高の問題が18年でよいのかどうかということについてもいろいろ意見があった。二高以外の問題もあると思う。それはスケジュールの問題であるとか、宮城県が抱えている教育の問題、学力向上であるとか、学区制の問題、そういったこともこの問題は絡むのでということで附帯意見の項目になった。さて、採決になった。反対した方もいた。退席した方もいた。だから9人の委員の方が全会一致という状況ではなく、過半数を超えたという意味での請願採択であった。そして、県会議員全員による本会議、池原さんもご覧になったあの場所でも全員が反対とか賛成ではなかった。やはりこの採択は4割ちょっとぐらいの方々が議員としても反対した。勿論、討論を聞いて頂いても、賛成する方、反対する方、さまざまな角度で討論が行われたという状況での我々の附帯意見だということは理解して頂きたいと思い、その状況だけはお話ししておきたい。時間も限られているので、それでは田中さん。

〈田中留美子〉
私の方は短いので、質問というところまで行くかどうかちょっと分からないが、今回意見を述べさせて頂くことになり、いろいろいっぱいあるものを読んでみた。それでこの共学化推進に大きな役割を果たしたことが読み取れる平成11年のアンケート、私達は今「親の会」で参加していて今度から保護者あるいはPTAになるということだけれど、この「親の会」の親達もこのアンケートに参加していたら、「共学化賛成」と回答すると思う。なぜなら「一律」あるいは「別学全廃」とは一言も書かれていないからだ。非常に誘導性に満ちたアンケートだったと思っている。

〈内田正之〉
平成11年の県のアンケートか?

〈田中留美子〉
そうだ、県のアンケートだ。これが大きな役割を果たしているといろいろ見て感じているので、私は避けて通れないことだと思っている。私には卒業生と在校生の2人の男子がいるが、2人とも高校の3年間は男子校で学びたいと希望していた。署名活動などをしていろいろな子供達とも会ったが、中には共学は楽しいよという声も聞いた。楽しい共学を否定するつもりは毛頭ない。でも、本当にその「楽しい」だけでよいのだろうか。これからの日本を背負って立つのはこの子達ではないのか。皆さんは3年間、楽しいよりも勉強に、勉学に集中したいという希望を持ってここに入学している。それで共学、楽しい共学を否定するつもりはないが、3年間、男子の中で勉学に集中したいという希望も否定しないで欲しい。特に今のわが子は1年生だが、ゆとり教育で大きな被害を被っていると思っている。県立高校には当てはまらないかも知れないが、学校は指示があれば常に粛々と準備を進めていると思わざるを得ない。こういうことでゆとり教育に一気に変わってしまった。この一律男女共学化も一気に進めようといている。教育に携わる現場で一気に変えることがこんなに間違いが多いということを、どうして皆さんが気づいて下さらないのかと思っている。私達は、子供に諦めるなと常々言っている。諦めたら何も始まらないと。親達はみんな同じ思いだ。駄目かも知れないと、もうそんな無駄なことをやっているといわれても、私達は子供に今の私達の姿を見せたいと思っている。諦めてはいけない。どんな困難な状況でも一律共学化反対に向けて私達は頑張って行こうと思っている。今までいろいろな資料を本気で見たのだが、男女共学を強硬に実現する意味を全く見いだせなかった。どこにメリットがあるのか、本当に聞きたい。お答え頂きたい。それから学校、校長先生にお聞きしたい。先程池原さんも仰っていたが、子供達は「もう何をやっても駄目だ」と、お前達は何もやるな、それこそ勉強していろと、それが本当に二高の子供達に向ける言葉だろうか。二高の子供達はやはりある程度選ばれた子供で、これから宮城県を、日本を背負って立つ子供達ではないか。そういう子供達に、もう決まったことだからと、それでは有事の際にどうなるのか、決まったことだからもう何も反対しないで、戦争に向かうかも知れないではないか。こんなにいろいろな周囲の状況、日本の周囲の状況がどんどん目まぐるしく変わっているときに、ただただ意見を述べるなということでいいのだろうか。最近、育英高校が飲酒撲滅署名活動を学校で先生が子供達に、勿論全部ということではないが、共学化反対の署名活動も同じではないか。飲酒撲滅の署名活動はよくて、自分達のおかれていることに、おかれている状況に、駄目かも知れない、何をやっても無駄だといわれても、1票を自分の名前を書いて表現する、こういうのはやはり片手落ちだと思う。それを認めるなら、例えば、学校で子供達が自主的に自分達の大事な、今おかれている状況に対して一言、名前を書くことで表現したいというのを摘んではいけないと思う。

〈安部孝〉
折角だから、渡辺さん、何かあればどうぞ。

〈渡辺幸枝〉
皆さんはとても立派なことを仰っていたが、私は簡単なことだ。まだ発表されていない8校、いわゆる一女、二女、三女の校名が変わるという噂があるが、県の方では校名が変わるとか、変わらないとかについて考えているのか。女子校だから共学化されたら変わると思うが、取りあえず仙台二高はそのままの形でやりたいと思っているのか、他校はどうするのか。

〈安部孝〉
ほかにあれば、続けて質問をどうぞ。

〈渡辺幸枝〉
それだけだ。

〈安部孝〉
それではその点について、教育長。

〈白石晃〉
今仰ったとおり、女子校ということであればこれは共学化になれば、名前はふさわしくないと思う。従って、校名は変更になると思う。

〈渡辺幸枝〉
そうすると、それはもう考えているのか。

〈白石晃〉
それは考えていない。それで、二高の場合はどうなるかというお話しがあったが、これは学校の中で十分に検討して頂きたいということで…。今までの例を見ると、学校の中に校名変更委員会というのをつくる。そしてその中で議論をしてもらっているということだから、基本的には、最初の入口は学校の中でどうするかということを決めていくということだ。

〈渡辺幸枝〉
校名の委員会はいつ立ち上げるのか。

〈白石晃〉
それは先ずこの話合いがずっと行くので、その過程の中で出てくると思う。

〈渡辺幸枝〉
この1年間の中できちんと話さなければならないのに、そんな悠長なことを言っていてよいのか。

〈矢吹隆志〉
だから、そこの話に早く入りたいわけだ。ただ、まだ入口のところにいるということなので…。

〈高橋正道〉
そういう話に行くかどうかも分からないよ。

〈安部孝〉
それじゃあ、校長先生どうぞ。

〈柏葉浩明〉
いろいろ保護者の方のご意見を頂いたが、これは公の会議になるので1つだけお話しさせて頂きたい。先程、もう決まったことだからお前達は勉強だけすればいいんだという言葉だが、私は公式にも非公式にも一度も言ったことはない。どういう形でそういうことが伝わったのか分からないが、言ったことがないという事実だけはここでしっかりと記録にとどめておいて頂きたい。それから、雄大剛健、どういった教育でそういった人材を育成するのかということだが、非常に難しいことだと思う。兎に角、どんな困難にあっても将来この社会を背負って立つような夢大きく、そして逞しい人間になって欲しいということに尽きると思う。そういった力を授業なりあるいは部活動なり、あらゆる学校での教育活動を通してそういった力を養って行きたいと…。

〈傍聴席から、“そういうものが伝統なのだ”との発言あり〉

〈柏葉浩明〉
そういう点での伝統は尊重して行きたいと考えている。

〈安部孝〉
今の校長先生のお話について、池原さん、どうぞ。

〈池原理枝子〉
部活動というお話もあったが、次男を二高に在学させ、三男の方が泉館山高校に在学されている同じクラスのお母さんからつい最近聞いた話だ。泉館山高校では、バスケット部は女子と男子が1時間ずつ区切ってやっていると。二高だったら2時間だったら2時間びっちりできるのを、共学になると1時間ずつ体育館を分けてやらなければいけない。だから、館山高は弱くて当たり前よ、総体はすぐに負けて当たり前よ、みたいなことを仰っていた。部活動等を通して雄大剛健の風を養うのであれば、女子を入れてコートを半々にしなければいけない、時間を半々にしなければいけないということは分かっているわけだ。ということと、もう1つだけちょっと言いそびれたが、決まったことだということで全て押し流してしまう。そういうことを周りが、身近な大人から繰り返し、生徒がまだ人格も形成されていない生徒が吹き込まれたとしたら、現在、近く市長選挙があるが、若者をいかに投票所に行かせるかということで随分いろいろ策を練っていると、ヒップホップグループに何か歌を歌わせているということもラジオで聞いた。なぜ若者がそんなふうに選挙に無関心なのかといえば、今さら誰を選んだって仕方がないよということを学校で学んでいるわけだ。それなのに、授業では公民の授業とかでいろいろ知識だけは教えてくれるわけだけれども、じゃあ、それを現実にどういうふうに実践するのかということになると、お前そんなことを言ったって何やったっておしまいみたいだみたいな、まして親に対してもこのアンケートの結果など全然読んでいないかのように流されている。だから今回の県議選の投票率もどうなっているのだろうか。そういうことで議会制民主主義もこうやっていけば危機に瀕するということもあるかなと思う。全てやはり教育というものが一番の国の基本だと思うので、それに関わることなので軽々しく結論づけて頂きたくないということを申し上げたい。

〈安部孝〉
私共にとっても耳に痛いご指摘で、どうも有り難うございました。

〈田中留美子〉
校長先生に今の育英高校の飲酒撲滅署名活動がOKで、二高の男女共学化反対が駄目ということについて…。

〈安部孝〉
今、学内で行っているのか?

〈田中留美子〉
いや、やってはいない。今は行っていないけれども、「何をやっても駄目だ」と子供達はそう受け取っている。校長先生はそういうことは、そういう言い方はしていないと仰ったからそうなんだと思うが、ただ子供達はそう受け取っている。これは親達もみんな何人も聞いている。

〈渡辺教頭から、“その件に関して、ちょっとよろしいでしょうか”との発言あり〉

〈安部孝〉
校長。

〈渡辺尚人〉
署名活動に関しては、現柏葉校長は全く知らない。これは昨年度のことであり、昨年度、私が主に対応したのでその対応について簡単にご報告申し上げたい。校内的に全校あげて反対運動、賛成も反対も両方ある中で、反対の署名活動については学校としてはまずいのではないかというような話を生徒にお話した。但し、そういった署名に賛成する人もいるので、学校内の生徒活動ではなくて、各自が自主的にやる分には一向に構わないので、その分は反対の人はやってもらって構わないというようなことを生徒に話して、それで何名かは分からないが、かなり多くの生徒の署名が集まったということは聞いている。ただ、学校の活動としては反対ということを率先してやるというようなことはちょっと難しいし、実際できないことなので、その辺りはやる生徒はやっても構わないというような形で、容認する形で昨年度やったところ署名簿の紛失とかいろいろあり、学校としてはその辺について状況が分からない中で、できるだけ誠意を持って調べようとしたが、なかなか分からないことがあって、ああいう結論になってしまったが、学校として禁止したということはない。

〈安部孝〉
一応、予定時間の8時は過ぎたが、質問なり…、では1つだけ。

〈佐藤茂〉
1つだけ申し上げる。平成15年7月18日の県教委の発表以前に、いろいろ説明した、説明したと仰っているが、実は私共同窓会の有志が教育長に宛てて質問状を出した。その回答が平成15年12月10日にきているが、それにはこのように書いてある。「本年7月18日の共学化開始年度の発表前において、県教育庁から仙台二高の同窓会執行部に対する説明を行ったことはありません」。「説明していない」、こうきっぱり文書で回答がきている。この発信元は「教育庁高校改革推進室改革推進班、橋浦、狩野」とある。以上だ。

〈安部孝〉
今日の予定の時間がきた。まだ残された質問等が相変わらずいっぱいある。それから、今回新しく鈴木会長さんの方からアンケートに基づくいろいろな質問書が出ているが、県当局も熟読をしていないと思うので、次回の調整会議ではそんなことが焦点になるのかなと思っている。

〈内田正之〉
ちょっとお願いがある。この質問の中にも書いてあるが、これに対する回答は文書でお願いしたい。この傍聴席も限られているし、私達もPTAの役員を兼ねている立場としては、この質問書に対する県教委側の回答、これを並べた上でPTAの通信文その他の方法でPTAにきちんとしたいと思う。

〈安部孝〉
教育長、それは可能か?

〈白石晃〉
はい、結構だ。

〈安部孝〉
それは大丈夫とのことだ。次回の会議の日程はどうなっているのか。調整できているのだろうか?

〈浜田毅〉
8月5日(金)ということで…。場所はまだ決まっていないが、8月5日は七夕の花火大会の夜なのでできれば県庁の会議室でお願いしたいと思っている。第4回目の会議の場所は二高ということでも…。

〈安部孝〉
時間は?

〈浜田毅〉
午後6時から8時。
〈内田正之〉
月に1回ペースでやるということだから、できれば第何何曜日の何時からやるというように定例的に決めて頂ければ…、もしそれが駄目なときは、事前に調整すると…。そうでないとなかなか…、2週間前に決まってもなかなかスケジュール調整ができない。

〈浜田毅〉
それについてもいろいろあったが、議会の関係とか何かいろいろあり、基本的には教育長も出たいという話もある。そういったことで、例えば、第3金曜日とか、そういったことはなかなか難しいということでこういった調整をしてきた。6月はできなかったので、8月に2回というふうな格好でお願いしている。

〈白石晃〉
その(内田さんの)話は分かるんだけれども、私の場合だと例えば、議会が始まると全部拘束されてしまう。

〈鈴木密明〉
土曜日も議会はあるのか?

〈白石晃〉
土曜日は質問の関係もあって…。

〈鈴木密明〉
仮に押さえて頂いて、もし教育長の都合が悪かったらそれを変更してもいいのではないか。我々もなかなか難しいので、取りあえず仮にでも結構なので…。

〈白石晃〉
おそらく議会中は土・日も無理だと思う。というのは、質問に対する回答文を書かなければならないので…、議会のところをはずした上で決める分にはよいと思う。

〈安部孝県議より、“議会中は難しいね”との発言あり〉

〈鈴木密明〉
せめてそのくらいはお願いしたい。

〈安部孝〉
それでは取りあえず、8月5日は両者よろしいか?

〈高橋正道〉
はい、結構だ。

〈安部孝〉
県庁で、時間は午後6時から8時ということで…、では、次回は8月5日、18時から県庁で…と、前の会場でということで…?

〈浜田毅〉
マイクも使わないということで、こういう会議にしたいと思うので多少変更も…。

〈安部孝〉
あと、質問とか持ち帰るものとかいろいろあると思うので…、先程内田さんが仰ったように文書ででも…。もしあれば、取りあえず事前にやった方がお互いに効率がよいところもあるのでお願いしたいと思う。よろしいか?

〈一同〉
はい。

〈安部孝〉
では今日は閉会する。有り難うございました。
以上