2006年4月1日
1.開催日時
平成17年8月5日(金)18時~20時15分
2.開催場所
県庁行政庁舎11階1107会議室
3.出席者(敬称略)
《宮城県議会議員》
文教警察委員会委員長/安部孝(司会兼立会人)
《宮城県教育庁関係者》(文中では「県教委」)
教育長/白石晃
教育次長
鈴木隆一、矢吹隆志
高校教育課長
黒川利司
同課長補佐
浜田毅
改革推進班長/中川昭三(進行役)
同主幹
狩野宏史
高橋真由美
《宮城県仙台第二高等学校関係者》
(文中では「二高」)
校長/柏葉浩明
教頭/渡辺尚人
副参事兼事務室長/平川弘二
《宮城県仙台第二高等学校PTA関係者》
(文中では「親の会」)
会長/鈴木密明
副会長/内田正之、福島学
会員/高橋明美、松枝恵子
《宮城県仙台第二高等学校同窓会》
(文中では「同窓会」)
副会長/高橋正道
会員/柴田克彦、朝倉亮、山下健二、佐藤茂
〈安部孝〉
今日は前回に引き続き、第3回の話合いになる。6月の議会で議会関係者の人事異動があり、私は文教警察委員会を離れて、産業経済委員会に所属することになった。この話が出てから、文教警察委員長には従来とは違った方が就任されることになるので、立会人としてご辞退申し上げたが、その辺は当事者間の話合いをして頂いて私でよろしければ協力させて頂く。これまでの経過もあり、今回もそういった意味から、この問題について真摯に皆様のご期待に沿うようにして行きたいと思っており、引き続き立会人としての進行役を務めさせて頂くのでよろしくお願いしたい。今日の3回目の会議も午後6時から8時までの2時間を予定しており、前回に引き続き全面公開で、傍聴されている方々やマスコミの方々には議事進行へのご協力をよろしくお願いしたい。拍手あるいはご声援の言葉などはできるだけ自重して頂ければ幸いである。限られた時間であるが、後半の部分でPTAの高橋さん、松枝さんそれから福島さんにも発言の機会を作りたいと思っているのでよろしくお願いしたい。それでは早速、議事次第に従って進めさせて頂きたい。まず最初は、前回の議事録関係について話題にあがっているので、執行部の方から若干の説明があればお願いしたい。2点目としては前回、二高PTAから要請及び質問書ということで、当局の方に事前に質問の要旨等が出ていたので、最初にこれに対する回答を頂くことにしたいが、教育長よろしいか。
〈白石晃〉
お手元にペーパーが渡っていると思う。詳しいことはご精読頂ければと思うが、具体的にコメントしながらご説明申し上げたい。私からよりも担当の高校教育課長の方からご説明したい。
〈安部孝〉
それでは黒川教育課長からお願いする。
〈黒川利司〉
前回、7月25日にPTAの鈴木会長さんのお名前で調整会議に関する要請及び質問書を頂戴した。要請は1点、質問は大きく2点ということで頂戴している。この間、実質、中1週間ほどのところで私達も誠意を持って夜遅くまでかかって回答を書かせてもらった。資料が渡っているかと思う。まず、要請(1点)だが、これについては「調整会議の参加者の範囲を二高の父母教師会にして頂きたい」、そして、今後は「二高PTA」と書いて頂きたい、という要請であった。これについては、これまで調整会議の参集者を「宮城県の別学を守る仙台二高親の会」としていたが、これについてはPTAと父母教師会となると、やはり父母・教師ということで、教育長の組織化にある県職員も含まれるということ、それから県議会に請願を出された団体の中で、「宮城県の別学を守る仙台二高親の会」という名前であったということから、「宮城県の別学を守る仙台二高親の会」を調整会議の参集者ということにさせて頂いた。今回頂いた要請の趣旨や理由を踏まえれば、調整会議には仙台二高PTAとしてご出席頂くということについては、何ら支障はないものというふうに考えているので、この会議から仙台二高PTAということにさせて頂いている。但し、PTAとは申せ、先程申し上げたとおり、二高の教職員に関してはやはり教育長の下の県職員であるということから、実質的には保護者会、保護者の代表というふうに理解しているので、今後とも調整会議については保護者の方々のご出席ということにさせて頂きたい。それから、質問が2点ある。1つは一律共学化によるメリット・デメリットに関する質問、2つ目が一律共学化の時期に関する質問である。まず、一番目の共学化のメリット・デメリットに関する質問は細かく分けて5点ある。
《質問1》現時点の20%の別学校を残すことがなぜ問題なのか。現在の別学校にどのような問題があるのか。100年を超える別学の伝統校について、共学・別学併存の今の制度を変えなければならない理由があるのか。抽象的にではなく、具体的にご説明下さい。これについての私達の回答は大きく5点あると考えている。
1.県立高校は県民の方々の負担で設置運営されている公の教育機関であること。
2.学習指導要領の改正に伴い、平成6年度入学生から「家庭科」が男女必履修となるなど、学習指導上での男女の差異がなくなったこと。
3.進路選択面でも男女の差がなくなっていること、例えば、「看護婦」が「看護師」、「保母」が「保育士」など男性・女性の差がなくなってきていること。そういう面からも男女の性差だけで高校の受験機会を制限する合理性がないこと。
4.高校時代の3年間は自我が確立し、広い社会性を身につけるという時期であるだけに、このような多感な時期に男子生徒・女子生徒がお互いに学び合い、理解し合う場を日常的に設けることが教育環境として望ましいこと。
5.社会のあり方の反映である学校においても、男女が一緒に学ぶ方が自然であること。
そういう点から、平成13年に策定した県立高校将来構想において、全ての県立高校を共学化するということを決定した次第である。このような県立高校将来構想においては、県民の教育を受ける機会均等を保障するという観点から男女共学化を決定した、政策決定したということだ。何か問題があったというわけではなくて、そのような観点から高校教育を進めて行く必要があるというふうに考えて政策的な判断を行ったということだ。
《質問2》一律共学化するによって一部別学が残ることと異なるいかなる教育上のメリットがあるのか。なお、性差による受験機会の制限を撤廃できるということはこれまでの県教委の説明でも分かりますので、これ以外の点についてなるべく具体的にご説明いただきたいと思います。今申し上げたとおり、県立高校の男女共学化については、それぞれの別学校があった場合となかった場合、それを比較してメリット・デメリットで判断したということではない。先程申し上げたような観点から全ての県立高校において共学化を実施し、その結果、男女の性差による入学制限をなくして、全ての生徒に対して受験の機会、入学の機会均等を図るということから政策決定したものである。そのような考えに基づくもので、一部の学校を別学校として残すという判断はなかったものというふうに考えている。
《質問3》二高を受験したい女子生徒が引き合いに出されているが、男女別学高へ行きたい、行かせたいという生徒や保護者の希望、しかも新たにそうした制度を創設してほしいというのではなく、現在認められている別学校に行きたいという生徒や保護者の希望を一律共学化によって奪うことになっもよいという理由について、ご説明下さい。これについては、これまで申し上げてきたとおり、県立高校の今後のあり方を考えた場合に、男女共学校と別学校を残すということではなく、やはり将来の高校生になる県民に対して教育を受ける機会を均等に保障するということ、これがやはり大事ではないかというふうに考えている。そしてその全ての生徒に対して入学する機会を保障しながら、生徒がその高校に入学した後、その生徒の能力あるいは適性を引き出してその能力を高めて行くか、自分の人生の目標を達成できるように学校が支援していけるか、そのことの方が大事であるというふうに考えている。また、一般的な傾向として中学生が学校を選ぶ際に、別学・共学というものよりも、やはり学校の教育力あるいはその学校の特色というものを大いに選んでいるということが実態としてあると考えている。これについては、平成11年度のアンケート調査においても、例えば、高校の学習力、学力とかあるいは卒業後の進路あるいは家から近いことなど、こういったことを中学生達は上位にあげて学校を選んでいるという結果が出ている。
《質問4》県立高校進学で別学校と共学校とを選択できる余地があるというのは、それ自体素晴らしいメリットであり、宮城県が他に誇れる制度だとの保護者の意見が相当数ありますが、こうしたことを県教委側ではメリットとは考えていないのか。もしこれ自体もメリットと考えながら、なおかつ一律共学化にすることの政策決定をしたのだとすると、どういう点がこうしたメリットを上回るとお考えなのか、具体的にご説明下さい。
私達としては、今後21世紀を生きて行く生徒達にとっては、例えば、社会の国際化とか情報化とかあるいは科学技術の高度化あるいはそれから少子高齢化など、これまでになかったような社会の変化の中で、子供達一人一人の個性を伸ばし、そして引き出して行く、そして未来の社会を担うように人材を育成する、そういう学校のあり方こそが重要であって、別学とか共学ということ自体が誇れる制度ではないと考えている。学校の特色として、子供達の力を伸ばしてやれる学校、これを多く作ることを本県の教育の特色にしたいというふうに考えている。これまで仙塩学区も含め、あるいは県内各地の別学高校がそれぞれ数十年来、あるいは100年を超える伝統を有しており、その伝統の中で多くの有能な人材を育んできたということは全くその通りである。しかし将来の方向性を考える場合に、別学か共学かということを学校の特色として捉えるのではなく、まず基本的には学校の前提として、共学を前提とし、その上でこれまでの学校のそれぞれ独自の伝統、あるいは文化、その上に新しい伝統・文化を築いて行き、その学校の教育力を高めて行くということが大切なのではないかというふうに考えている。
《質問5》学力という点からみたときに、共学化された女子高の大学入学成績が下がるといった例を聞きますが、そうした共学化による学力低下の有無については、県教委側ではどのような認識や予想をしているのか、具体的にご説明下さい。私達としては共学化と学力の関係を考えたときに、一つ一つの学校の共学化の学力というよりは、例えば地域全体あるいは県全体の学力の向上、これが問われているのでないかなというふうに考えている。現実に全国の公立高校で進学校といわれ、国公立大学にかなり多数の合格者を出している高校のほとんどは共学校だし、ご存知のとおり、近年全ての県立高校を共学化した福島県の一例として、参考までに安積黎明高校の進路状況、それから安積高校の進路状況を表として掲げさせて頂いた。⇒「(仮称)第3回仙台二高共学化調整会議」資料3頁の(参考)欄参照。安積黎明高校については現役生のみの数字である。それから安積高校については、現役生と過年度卒業生を加えた数なので単純には比較できないが、平成15年度までは安積黎明高校は女子生徒だけ、安積高校は男子生徒だけだった。共学化の第1回生が平成16年3月に卒業した。この例を見ると、安積女子高から校名を変えた安積黎明高校においても、第1期生が卒業した段階で約60名ほどの合格者を増やしているという状況がある。これは当然、安積黎明高校において男子生徒を受け入れた後も、これまでの伝統を引き継ぎながら、生徒達や教員それから保護者が一生懸命努力した結果ではないかなというふうに考えている。こういった例からも男女共学化が学力低下に結びつくことはないというふうに考えている。それから質問テーマの2番目、共学化の時期に関する質問ということでお答えする。
《質問1》県教委の考える共学化スケジュールでは、共学化の時期が同一学区でも異なる場合が出てくること(まさに仙台の北学区についてはそう)、県教委側では、全く問題ないと考えているのか。それとも多少問題はやむを得ないと思っているのか。多少問題があると思っているのだとすると、どういう点がどのように問題だと考えているのか。具体的にご説明下さい。中部・南北地区以外、仙台・塩釜以外の別学校については、ご存知のとおり、今年、古川・気仙沼・築館・角田においては一斉に共学化を実施した。また、石巻については来年4月、共学化を実施することにしている。また、白石についても後期計画の中で述べているとおり、統合により一斉に共学化するということにしている。ただ、現実に中部・南北地区、仙台・塩釜地区については、別学校の数が多いということがある。これらの学校の共学化開始年度については、各学校の事情がそれぞれ異なっていることと、その共学化に当たっての検討の進捗状況が異なっていること、さらには共学化に伴って、施設の改善を要する部分があり、それに要する県の予算措置も限られていること等から、一斉に同じく、同じ学区内で行うことは困難であるというふうに考えている。ただ、共学化の開始時期が異なることによって、その入試の際の募集定員上の不均衡が生ずるということが予想される場合には、現在も行っているが、中部北地区から中部南地区への女子生徒の乗り入れ枠を設けるなどしており、このような措置などを講ずることによって不均衡が生じないような必要措置を講じて参りたいというふうに考えている。
《質問2》県教委で示している二高平成19年4月共学化を前提とすると、その時点では、同じ学区で女子と男子で受験できる高校において現時点と比較して、女子の受験機会が男子の受験機会より多いことになるが、こうしたことは不平等だと考えないのか。どうして同じ時期に別学校を共学化できないのか。具体的に説明して下さい。これについては、平成18年度の全日制募集定員を過日発表したが、中部北地区においては仙台北学区・塩釜学区・黒川学区である。ここについては、男子定員1,344名、女子が896名、共学が2,720名の合計4,960名、約5,000名の定員となっている。そして、今申し上げたとおり、男子の募集定員の方が女子より上回っており、その結果、女子の受験機会が少なくなるということから中部南地区への乗り入れを認めて調整を図っているところである。もし、現行の学区制のまま推移すると、そして18年度と同じ定員で19年度の二高共学化が行われたと仮定した場合、男子は1,024名、女子が896名、共学が3,040名となり、この時点では男子の方が女子よりも上回っていることになる。しかも男子については、18年度分と19年度分をその男子と共学を足すと、その意味においても変わりはない。男子生徒の受験の機会においては変わりはないと考えている。なお、全ての県立高校の共学化が実現すれば、基本的には募集定員の不均衡が解消されるのは当然である。
《質問3》とりわけ、北学区の二高以外の別学校は具体的な共学化スケジュールが明確になっていませんが、これこそ高校受験を平成19年度から22年度までに迎える生徒にとっては不安定な状態を強いることになるのではないでしょうか。それでもなお、二高だけの共学化スケジュールを明らかにしたというのは、何か理由があるのでしょうか。それとも単に、二高の共学化の準備が整ったからということでしょうか。具体的にご説明下さい。ご存知のとおり、現在は非常に生徒数の急減期を迎えている。少子化の中でも近年はこれまで経験したことのないような急激な減少期を迎えているわけだが、県立高校の共学化については、単に男子と女子が同じ校舎で学べばよいということではなくて、やはり学校間での適度な切磋琢磨が行われ、そしてそれぞれが魅力ある学校づくりを目指して取り組んでいるということが大切なのだろうと考えている。仙台二高については、平成10年に21世紀ビジョン作成委員会を設置し、よりよい二高の創造を目指した検討が始められ、その後、県が平成13年3月には県立高校将来構想を発表した。その後については、共学化を盛り込んで平成15年3月に「宮城県仙台第二高等学校中期総合ビジョン」として学校の将来像がまとめられたというふうに考えている。これらを受けて、校舎の施設面についても共学化を見据えた検討がなされているという状況があると考えている。このことから平成15年7月に、他の4校とともに共学化の開始時期を発表したということである。共学化の開始時期を発表するに際しては、中学生の進路選択に大きな影響を与えるということから、不安を招かないように発表から開始までの時間を確保するということで、また、関係者に対する周知期間を十分にとってきたというふうに考えている。
《質問4》二高以外の別学校の共学化スケジュールについて、現時点において極力明らかにして下さい。ご存知のとおり、県内の別学校については平成22年度までに共学化するということをもう既に決定している。しかしながら、下に掲げた8校(※)、男子高4校、女子高4校については共学化後の学校のあり方とか、あるいは現在校舎が老朽化している等、さまざまな問題をそれぞれの学校が抱えている。。これらの問題を早急に解決するように現在こちらも努力しているし、学校の方でも検討を重ねているところであり、年度内のできるだけ早い時期に共学化の開始時期を発表して、全ての学校のスケジュールを明確にしたいと考えている。(※)とは、「(仮称)第3回仙台二高共学化調整会議」資料5頁の【参考】欄所載の未発表校8校を指す。
〈安部孝〉
(回答)ご苦労様でした。前回の会議でPTAから提出された要請及び質問書は多岐にわたっており、今日初めてご覧になる方もいるかと思うので、議論としてはあとで戻ってもよいかとは思うが、取りあえずこの要請、質問書に対する回答についてご意見があれば取り上げたい。まず質問テーマ1に絞り、質問、確認等でも結構だ。では、鈴木さん。
〈鈴木密明〉
まず、ご丁寧な回答に感謝したい。質問テーマ1の(2)の回答で、共学化することと一部別学を残すこと、それぞれのメリット・デメリットを比較して判断したものではないというふうに書かれているが、3にあるように、アンケートをとって学校の学力とかいうものが非常に問題であってというところがある。ちょっと残念だったのは、単なる税金の問題とか性差ということだけで一律に共学化するというのは、宮城県の高校教育の学力を考えるという観点に立てば、県としては本当にどういうふうにやったらよいのか、本当に共学化、あるいは別学にすること、もっとメリット・デメリットをきちっと考えてやるのが本当のものの考え方ではないのかという気がする。先程の黒川課長さんの回答では、もう既に共学を前提として考えており、性差とか税金という2つの切り口で共学を前提に進めるというふうに残念ながら聞こえる。もっと宮城県の教育のことを考えるのであれば、本当に今の事態でよいのか、一律に共学化することの本当のメリットがどうなのかということを議論しないと大変なことになってしまうのではないかと非常に危機感を感じてしまう。これをずーっと見ると確かに素晴らしい回答だが、簡単にいうと性差の問題と税金の問題しか取り上げていない。一律に共学化することが本当に宮城県の教育のためになるのか、我々が本当に納得できるためには、単なる2つくらいの切り口ではちょっと寂しい。回答をお願いしたい。
〈矢吹隆志〉
男女共学がなぜ必要かという基本的な質問だと思う。我が国がいま創ろうとしている男女共同参画社会は、国の法律として制定され、女性も男性も互いに、性差の問題もまた入るわけだが、この法律ができてから互いに人権を尊重してという重い課題を宮城県はある意味で請け負ったことになる。喜びも責任も分かち合いつつ、性別にとらわれることなく、その個性と能力を十分に発揮できる。今からお話しさせて頂きたいことは、男女共学とか別学とかその歴史的背景も少し確認して進めさせて頂ければと思っている。この男女共同参画思考が始まったのは最近だが、何を目的にしているかというと、社会制度の確立、慣行の見直し、意識の改革、雇用等の分野における男女の均等な機会と待遇の確保、男女の職業生活と家庭、地域生活の両立支援、女性に対するあらゆる暴力の根絶、メディアにおける女性の人権の尊重、そして女性が多様な選択を可能にする教育の実現そして学習の充実ということ、それをもって男と女、この人類の課題、新たな危機、課題がいっぱい出てきているところをそこで協力して進めて行くということになる。ただ、この共同参画社会の法律が制定されて大分経っているが、相当批判が出てきているのも確かなことだと思う。まず、女性が社会に進出すると家庭破壊という害毒がでる。母性を否定し、専業主婦を軽蔑し、一部の働く女性のための施策のための法律ではないかという批判も今、出でいる。女性と男性の特性の差を否定する、これは日本の伝統や文化を破壊するものだ、フリーセックスや妊娠中絶を増やす、こういう批判が今あるのは間違いない。今、過渡的に非常に揺れている部分がある。なぜこれが出てきたかというと、明治12年、教育令によって学校は男女別の学級及び学校を分けること、但し、小学校に限り同一教室でも可能であるという教育令が出て、そのとき議論されたのは、なぜなのかというと男女の風紀の問題、男女の役割の違い、男女の能力・性格の違いのこの3点である。とりわけ孔子の「男女七歳にして席を同じゅうせず」という、この儒教の考え方が日本の教育の基本的な部分を持っているわけである。これは江戸時代も同じだと思う。例の「三従の道」の「家にあっては父や兄に従い、嫁としては夫に従い、夫の死後は子に従う」はこの時期に相当な浸透をみせている。男女によって性質、能力、社会的な仕事が違うので、教育の方法も違わざるを得ない。高等女学校においては低い教育内容と狭い運動場が原則、今でも女子高は狭いところもある。それは変わっていない。男女別学は、女らしく・男らしくの教育をするための不可欠な装置、制度として存在すべきもの、良妻賢母主義教育の確立、これが明治の学校制度の始まりである。1902年、当時の菊池文部大臣の公式発言である。「日本では婦女子というものは、将来結婚して妻になり、母になるもの。我が国においては、女子の食は独立してとるものでなく、良妻賢母となるのが大多数の仕事であり、女子教育はこのことをもって目的とする」。女子は自分自身の目的を持って道を歩む、いわば自立した女子のあり方は認めていない。これが公式発言である。夫を補佐し、子供を教育する充足的役割を負うものとして協力する。教育内容は、男子より低い水準に抑える。具体的にいうと、高等女学校の数字は4年間で8時間、旧制中学校では20時間、男子では24時間、英・数・国合計で高等女学校では42時間、旧制中学校は87時間、女学校はその分、家事・裁縫・音楽・手芸がカリキュラムの中に多く入れられている。東北大学が1907年、女子の入学を帝国大学では一番最初に受け入れを表明している。その時の総長の発言で、これは言葉としては非常につらい部分があるが、「門戸を開放するのは独立しなければならぬ不幸な女子のために必要なのであります。不幸なる女子は学者として世に立つしか道がない…云々」。
〈高橋正道〉
お話の途中だが、あとどのくらいの時間で説明が終わるのか。
〈安部孝〉
5分を過ぎたので、2時間しか時間がない。議論としてはやはりお互いに簡潔にやりとりしたいので、最大でも3分以内にしたい。そういうことで次長、まとめながら進めて頂きたい。
〈鈴木密明〉
次長、もう少しお母さん方に分かりやすくやって頂かないと勉強会のようになってしまうので…。
〈矢吹隆志〉
ただ、基本的なところを確認したいなと思うので…。そこで、戦後の男女共学がどういうふうに進んだかというと、基本的には宮城県の場合は大きく変わってはいない。これは私的な考え方も入るが、男社会がずっと創ってきた歴史がある。これは悪いとかよいとかという問題ではない。ただ、今、男社会が抱えている問題、病巣というのは政治・経済の混乱、世界的紛争の多発、難民問題の解決、環境破壊、核廃棄物、農林水産業の復権、食糧問題等いっぱいある。大人のモラル、特に社会的指導層のモラルの低下、医療、難病、ウイルスの氾濫、コミュニケーション不足による女性への暴力の増加、離婚率上昇、親の年金で国民年金負担金を払うフリーター、ニート等笑い事ではなくなってきている。このことは子供達には全然責任はない。責任あるのは我々、ある意味で男社会が創ってきた。今、日本人には男性・女性が半分ずついる。是非この課題を解決するために、女子の環境、学習環境を確保しなくてはならない。私はこう考えている。
〈安部孝〉
あと30秒でお願いしたい。
〈矢吹隆志〉
現在、宮城県の女子高は非常に学習環境に恵まれていない。もう1つは進学率も異常に低い状況にある。そういう意味で能力がないわけではないので、是非男女共学で、私学は別として県立高校としては、もう男女共学は当然のこととして進めて行く。もっと説明したいことがあるが、時間がないので…。
〈安部孝〉
時間がきたので…。では、鈴木さん。
〈鈴木密明〉
今、県の方が女性を含めて8人いらっしゃるが、この中で別学高校を卒業された方は申し訳ないが手をあげて頂きたい。
男子高・女子高出身者が挙手
中川さん、男子高で不都合を感じたことがあればお話し願いたい。
〈中川昭三〉
「不都合」と聞かれれば、特になかったような気がする。
〈鈴木密明〉
浜田課長補佐、端的にお願いしたい。
〈浜田毅〉
まずは時代背景が違うので…。
〈鈴木密明〉
いや、当時のことで結構だ。
〈浜田毅〉
当時、不都合といえば、ちょっと別世界だったなという、異色に世界だったなと…。
〈鈴木密明〉
いやいや、不都合があったか、なかったかでお答え願いたい。
〈浜田毅〉
「不都合」という中身がちょっと分からないが…。
〈鈴木密明〉
それは多分受け取り方だと思う。
〈浜田毅〉
不都合って、ちょっと異常な世界もあったかと思う。何か異性に対するかかわり方の中でちょっと…。
〈鈴木密明〉
では、嫌だったのか。
〈浜田毅〉
いや、嫌だってというのではなく、不都合というとちょっとまた特殊な世界だったと…。
〈鈴木密明〉
じゃあ、とりわけ問題なかったという認識でよろしいか。
〈浜田毅〉
問題なかったということではないだろうが…。
〈鈴木密明〉
黒川課長は?
〈黒川利司〉
私は男子高しか経験していないので、共学校は経験していない。(共学校)は教員として経験した。高校時代は嫌だったという印象が残っている、これは男子高だったからなのかどうかは分からない。
〈鈴木密明〉
了解。鈴木次長は?
〈鈴木隆一〉
私は一緒だったので…
〈鈴木密明〉
了解。私と同じ高校の白石教育長、どちらが先輩・後輩か分からないが…。
〈白石晃〉
おそらく私の方が先輩だと思う。私は特に問題というか、対一高がどうだこうだといわれるのが嫌だった。それからあと、近くには一女高や尚絅(女学院)があったので、そちらの方に行くときは非常に楽しかったなという記憶がある。
〈鈴木密明〉
それは私と同じだ。矢吹次長は?
〈矢吹隆志〉
共学だった。ただ、私の通った学校は最高だった。
〈鈴木密明〉
了解。狩野主幹は?
〈狩野宏史〉
男子高だったが…。
〈鈴木密明〉
何か不都合があったんだろうか?
〈狩野宏史〉
まあ、あの~、卒業後は女性とのコミュニケーションがなかなかとれなかった。現在でもそのような状況が続いているが…。
〈鈴木密明〉
私もそうだったけれども、それはその人間の資質だと私は思っている。高橋さんは女子高だと思うが、不都合はあったのだろうか?
〈高橋真由美〉
他の学校を経験していないので分からない。
〈鈴木密明〉
了解。大方の聞き取りでは、どうも不都合がないということのようだ。先程、矢吹次長が歴史を連綿とお話しされたが、宮城県は100年以上も男女別学をやって、それが100年経っても現にあるということは、多分制度的には何ら問題がなかった、もし、何か問題があれば当然どこかの時点で共学になっていたはずだ。例えば、皆さんもほとんど問題がないと仰った中で、敢えて共学にするのであれば、先程言ったようにメリット・デメリットをきちっと検証しないと、何回も言うが、単なる税金の問題とかそういう切り口だけで議論するのは、人間の教育を本当に考えるとちょっと切り口が違うのではないかと思うので、やはりここに書いてあるメリット・デメリットをもう一度きちっと我々にご説明願いたい。
〈鈴木隆一〉
逆に質問するが、鈴木会長さんの方でメリット・デメリットを整理をして、お互いに議論するということはできるか。
〈鈴木密明〉
それをやりたいと思う。そうしないと、多分皆さんは納得できないと思うし、納得するかしないかという問題ではなくて、今まで何ら問題がなかった制度を変えるのであれば、やはりその辺りをきちっと議論する必要があるのではないかというふうに思っている。
〈鈴木隆一〉
ただもう1つは、我々として最初から申し上げているが、メリット・デメリットということで出発した話ではないというのは、これは何度も申し上げている話なので、どうしてもそこを説明し理解してもらわないと…、そこを了解できないということであれば、この議論については多分お互いに言っても、こういう状態でメリット・デメリットを議論してもおそらく解決できないくらいの代物というか、問題、テーマというふうには思う。
〈鈴木密明〉
ということは、それほど重要なことだということだ。裏返せば時間がかかるということは、今、次長が仰ったように大変時間がかかるということは、逆にいうと、それだけ重たい課題だと思う。
〈鈴木隆一〉
いやいや、時間がかかっても解決できないという…。
〈安部孝〉
教育長、メリット・デメリットとの関連でお願いしたい。
〈白石晃〉
男女共学の話は今、突然出てきた話ではない。前から話しているように、12年度の将来構想、それを策定する過程の中で、男女共学をどうするんだという議論をやってきた。そして、男女共学だけが話題になったのではなくて、例えば、学校の統合のあり方をどうするか、子供がだんだん少なくなって行ったときに学校をどうするのかとか、それから学校経営をどうするのかとか、いうところまで踏み込んでいろんな課題を出しながら検討した。そしてその1つとして共学化の話が出てきたのである。そして共学化の話については、いろいろ批評、批判はあるかと思うが、この構想について、まずはいろいろまとめ、原案をまとめてそれを地域に出して、地域の人達の意見を聞いたということでもある。それからいろんな会議も経てやってきた。将来構想の中で一応共学化を進めようということで政策決定した話である。そこで今、次長から申し上げたように、そこら辺の議論、例えばメリット・デメリット論をもう一度振り出しに戻ってやるとすれば、我々がやっている今の話合いの中では、おそらく歩み寄りというものがないのではないかなという感じがする。我々は立場として、12年度の将来構想がそういうふうに認知されて進んできたので、その前提でもって我々は今、施策をやっているのだから、時計を元に戻すような形での議論をするのであれば、それはちょっとしょうがないなというふうに考えている。
〈安部孝〉
では、内田さん、関連で?
〈内田正之〉
関連で申し上げたい。この問題、要するに一律共学化の必要性について十分に納得できるようなご説明を伺いたいというのは、この前のアンケートをお示しした時にも分かるように、賛成、圧倒的な反対、一部の反対を問わず、これを求めている。この文書は今日いただいたばかりなので、また十分検討させて頂いて必要な場合にはまた書面でもって質問させて頂くが、書面以外の補足的な説明として矢吹さんが仰ったことはここにはほとんど書かれていないことだと思うが、これは…、
〈矢吹隆志〉
これが出てくる背景についての説明だ。
〈内田正之〉
まず、私の話を聞いて頂きたい。お話を伺っていると、要は歴史的にそういういろいろなことがあったのだろうけれども、先ずそれ(別学制度)は今は時代にそぐわない、それ自体が1つのデメリットだというふうに聞こえる。それから質問テーマ1の(1)では、別学に問題が顕在化しているわけではないというふうに書いていて、(2)でもそれぞれのメリット・デメリットを比較して判断したものではないというふうに書いているけれども、結局、その③で性差により教育を受ける権利が制限されているという今の状態がデメリットであって、それを解消できる一律共学化というのはメリットだというふうな、まず、そういうメリット・デメリットの判断をしているように読める。あともう1つは、今の制度が違法だとか憲法に違反しているとかいうのであれば、これはもう細かなメリット・デメリットの問題ではなくて、直ちに改正しなければ、やめなければならないという話になるのだろうけれども、これは政策判断だというふうに仰っているから、政策変更の問題だと思う。政策変更の問題をやるときに、変更前の政策と変更後の政策のメリットとデメリットの判断をしない政策変更なんてあるのか。聞いていると、要するにろくな政策変更のメリット・デメリットの判断もせずに平成12年に決まったとしか私には思えない。いろんなやりとりを通して、実はそこのところを明らかにしたい。もし、そこのところで納得のできる説明ができるのであれば賛成・反対にかかわらずそれはそれでお互いにとってよいことだと思う。ただ、お話を伺っているとその政策変更に伴う必要な検討、議論というのは十分になされていなかったように見える。だから繰り返し質問するのだ。
〈安部孝〉
教育長、そのことについて答弁を。
〈白石晃〉
これはまさしく質問テーマ1の(1)の話だ。第1段落の最後の方だが、「本県では、平成13年3月に策定した県立高校将来構想において、全ての県立高校の共学化を決定した」と言い切っているわけだけれども、その理由として、①から⑤までの話をあげているわけである。それで、こういった理由、こういった状況変化があるので、今までは確かに男女別学できた、それできたわけだけれども、こういった状況変化が出てきたので、これからは全ての県立高校について共学化しましょうということで政策決定した。だから、構想を作る前と作った後の、それは当然違ってくる。作るに当たって将来の高校についてどう考えていくのかということでの議論をこの中でした。そして、平成13年3月時点で将来の県立高校を考えていったときに、本当に別学でいいのかどうかというところの議論をしている。そして、その議論をした結果、5つくらいの理由があって、それで共学化しましょうという結論になったということだ。だから、メリット・デメリットという言葉にするかどうかは別にしても、その構想を策定するに当たっての状況分析はやってきたという判断だ。
〈安部孝〉
関連があれば、朝倉さん、どうぞ。
〈朝倉亮〉
この前も私がお話ししたが、家庭科の問題がなぜ政策決定の根拠になるのだという質問をした。それに対する回答ではなくて、PTAの方からの回答に対して、(1)で県立高校将来構想を決定した理由として①から⑤までをあげておられる。例えば、①の公の教育機関であって、県民の負担でやる、これはいわゆる税金論でこれは前からある話だ。何も平成13年に共学化を決定する理由にはならない。②は今、重要な話なのでこれは後回しにする。③の進路選択面での男女の差がなくなっている。これはもう当然だから、奈良女子大や茶の水女子大とかは別にして、どこの大学だって男女を区別することはない。それから④高校生活の多感な時期に男女別々に習うよりも一緒に学ぶ方が自然である、こういう議論も前からある議論だから何も平成13年に将来構想に大々的にこれが政策決定の要因だというべき問題ではない。それから⑤、社会のあり方の反映である学校においては、男女が別々に学ぶよりも共に学ぶ方が自然だあると、④も⑤も同じようなことだ。これだって前からある話だ。何も平成13年3月に、将来構想に取り立てて、際立てて、これだから俺たちは、私達は政策を変えたんだということにはならない。つまり①、③、④、⑤は理由にならない。一番問題なのは②だ。一番具体的なのは②で、初めて具体的なことが書いてある。今までのものは全部抽象的な話だ。こんなことは政策決定の原因にはならない、理由にはならないのだ。②は具体的だが、具体的には何かと思ってよく読んでみると、この間も話したように、家庭科が平成6年から必修になり、学習指導要領上、男女の差異がなくなったということだが、これは何のことはない指導しやすくなったということだと思う。家庭科の指導がしやすくなることがなぜ政策変更につながるのか、①、③、④、⑤は全くの抽象論、具体論は家庭科の問題、家庭科が指導しやすくなったことが、なぜ一高や二高の100年の歴史を変える原因になるのか、政策変更になる理由をお伺いしたい。
〈安部孝〉
②について、どうぞ。
〈鈴木隆一〉
①、③、④、⑤が抽象的というお話しだったが、果たしてこれが抽象的かどうかはやはりちょっと議論の分かれるところかなと思っている。私達は今の行政を担当する者として、やはり税金で運営されている学校というのは、非常に大事なことだと考えている。それから②で、学習指導要領の改正に伴って云々というところだが、高校では平成6年から、小中学校では平成4年から学習指導要領が改正された。その結果、例えば中学校では技術は男子だった、家庭科が女子だったのが、技術も家庭科も男子も女子も学ぶということになっている。それから高校においては家庭科が男女必修ということになっている。やはり学習面において、学ぶ面において性差はない。男子も女子も同じように学ぶということは非常に大きな、これは要因ではないかと思っている。やはり男子も女子も同じことを学び、そしてその中でそれぞれの進路を達成する、あるいは人格を陶冶していくという方針に変わったということは、学校のシステムとしても男女共学化を前提にしているものというふうに私は考えている。
〈佐藤茂〉
はい、今の関連で…。
〈安部孝〉
では今の関連で、佐藤さん。
〈佐藤茂〉
家庭科を引き合いに出しておられるが、男子高ても家庭科を今、現にやっている。二高でも家庭科教室があって、調理実習や何やらはできるようになっていて現に私も体験した。そこまで中身が同じになっているのだったら敢えてわざわざ一緒にくっつける必要なんかないではないか。同じ内容を学んでいるんだったらそれでよいではないか。
〈鈴木隆一〉
逆に、それではなぜ(男女を)分ける必要があるのかと…。
〈佐藤茂〉
それは水掛け論にしかならない。家庭科が男女共々必修になった、だから共学にするんだとなったら、もしも大学進学に必要な科目が現在の男子高でしか教えていないというのであれば、そこに女子を入れろというのは合理性があると思う。しかし今仰るように、男子高でも女子高でも男女共々同程度、同内容の科目を教えているという状況ならば、なおのこと共学化する理由なんてないと思う。だからそこがそもそもおかしい。税金云々と仰るけれども、私立学校へも県のお金が流れている。私が調べたところ、年間約120億円、宮城県から流れている。これだって税金だ。それなのに、公立高校だけが一律共学化で、私立高校がそのままというのも私はおかしいと思う。税金云々を言うのであればそういうところからもう一度見直すべきだと思う。
〈安部孝〉
では、黒川課長から答弁頂くことにする。
〈黒川利司〉
逆に同じ内容を学習するのであれば、分ける必要があるのか。
〈佐藤茂〉
だから家庭科を引き合いに出すのであれば、(共学化の)根拠にはならないと言っているのだ。
〈鈴木隆一〉
家庭科というか、今、佐藤さんから水掛け論という話があったが、まさにメリット・デメリットの話は、同じ1つの観点をとっても、1つの項目をとってもこういう議論になってしまう。まさに水掛け論になるのだ。今、メリット・デメリットの話が発端だから申し上げたいのだが、その議論というのは全く違う。結局そういうことだと思う。
ここで鈴木密明・内田正之両氏より、“でも、水掛け論という問題ではないんじゃないですか”との発言あり
〈鈴木隆一〉
(鈴木隆一氏が続けて)議論の整理のために…、議論しているのは、共学全般対別学の議論では決してないのだ。私達も8割方共学になっていることを前提にしての原則的共学、それと一律共学化が行われるということだ。ここのところが一般的に共学かどうか、一般的に別学かどうかなんていう議論は全くしていない。そこは先ず確認しておきたい。
〈内田正之〉
あともう1つは、政策変更、しかも60年近く続いてきた制度を政策変更するのであれば、政策変更しようとする何かメリット・デメリットについての論証責任を持つというのは、これは当たり前の話ではないか。この点をどう考えているのか。
〈安部孝〉
はい、教育長。
〈白石晃〉
最初の私学の話は、私学そのものも法律上は公教育を行うということになっている。私学であったにしても公の教育をやるということになっている。実態を見ると、公立と私立では例えば、授業料という話でいけば父兄の負担が格段に違う。そういった差を埋めるために国として私学に対して支援をして行かなければならないという趣旨から法律が作られて、補助金を出しているということだ。というところは理解して頂きたい。
〈鈴木密明〉
それではそれについて…、もしそういう答弁だったら①は削除すべきではないか。
〈白石晃〉
それから、(内田)副会長の話だが、説明責任というところは確かに我々が政策変更しているわけだから、これはそういう説明をする必要があると思う。それで今、我々が説明しているのは、あくまでも質問テーマ1・(1)の話で、将来構想がどういう経過で、どういう背景で出てきたのかという説明をしている。だからこの説明に対してこれは不十分だということであれば、またその評価は別だけれども、その説明責任は果たしていないんじゃないかという議論ではないだろうというふうに思っている。だから我々としてはいろいろな批判はあると思うが、いろいろ議論の積み重ねをやってきて、それで今なぜ「構想」ということで変わってきたのかということの理由を①から⑤で述べているのだ。
〈内田正之〉
説明責任を果たせと言っているのは勿論だが、その説明する内容の合理性についても説明して下さいと、それをきちっと分かりやすく説明して下さいという話だ。単に説明責任を尽くせばよいという話ではない。それが政策変更しようとする者の責任だと思う。
〈安部孝〉
ではこの関連で、柴田さん。
〈柴田克彦〉
今、お話を聞いていて、PTAの鈴木さんと内田さんの話が本当に要点を得ている。具体的にいうと、政策決定した段階で本当にその政策決定に携わった人、将来構想に携わった人の間で、全部共学化することが宮城県の高校教育を根本的に変革するような、そういう風な教育改革であるという立場、そういう論点があったのだろうか。白石教育長さんのお話を聞いたり何かしても、そういう点がこの政策決定の際に落ちていたから、PTAの人も同窓会の人も説明されても、どこか1つ大事なところが抜けているような気がしている。政策決定するときに、只今申し上げたような宮城県の学校制度の大変革だというふうな観点に立った議論があったのであれば、メリット・デメリットの話もきっとあっただろうと思う。例えば戦後だけ考えても、昭和23,4年にときの教育委員会と教育長さんがこういうことを決めている。皆さんもご存知だと思うが、先生方、ちゃんと頭の中に入れておいて欲しい。というのは、宮城県は今、新しい教育制度で学校改革をする。その際に1市町村に1校しか高校がないところは全部共学にする。1市町村に2校あるところは、1校目を男子高校、2校目は女子高校に、こういうことでやって行きますよということを当時の教育委員会で議論して、占領軍と交渉してそのとおりやったのだ。それから昭和27年だったと思うが、あるいは28年だったかも知れない、その辺は調べて頂ければ分かるはずだが、教育委員の方々が5人おられる教育委員会の決定として、宮城県はこれ以降、男女共学校は創らないということを決めたはずだ。そして昭和38年、初めて宮城県として高校を創ったとき、いくつ創ったかというと白石工業高校、石巻工業高校、仙台三高の3つだ。1つだけが昭和37年に創られている。この3校を創ったときは男女共学の「共」の字も出てこなかった。そして昭和48年に泉高校ができたとき、何であそこが男女共学になったのか?「いゃあ、あの辺から男女共学の流れが厳しくなったから…」ではないのだ。今、言ったように、1市町村に1校しか普通高校がなかったから、男女共学になったのだ。昭和48年当時、泉市は仙台市だったか?(合併による仙台市への編入前だった)。それから後、県の教育委員会はその決まりをはずしたのかどうかは分からないが、全て男女共学校になっている。だから歴史を知れとか何とかいうのは、皆さんのその委員会の中での歴史を知ることなのだ。共学構想といってもよいくらいのこの将来構想の中の委員長さんは、ある雑誌に次のような主旨のことを書いている。つまり、男女別学にしておくのは19世紀の遺物である、だから、一律共学化はおめでたい話なのだと。その方が、もうほとんど一方的な発言をして構想をまとめたのが将来構想だと私は思う。さらに、将来構想についてのいろんな残されたものをいろいろ調べもし、読んでもいる。将来構想云々のときに、そういう政策決定のときに、いろいろメリット・デメリットを考えて、そういったところはこうなんだ、これからはこうせざるを得ないんじゃないだろうかというふうな感じで話された部分を出して頂ければ、私達もある程度、「あゝ、こういうことも一生懸命考えたんだなぁ」というようなことも分かる。しかしそういうものがないと言われたら、「こっちは政策を決めたんだ」と言われたら、もはや我々としては、「それなら政策を変えて下さい」と言うしかないような気がする。これは基本的な問題だ。だからこの辺についてどこかで少し時間をとってお話しながら白石教育長さんは本当につらいと思うけれどもお話を聞かせて頂きたいなぁと思っている。
〈安部孝〉
ご質問というより、意見というか要望ということで…。ここでちょうど1時間が経過した。松枝さんから手があがっていたが、本件についてのことか?
〈松枝恵子〉
いえ、またあとで…。
〈安部孝〉
ここでちょっとお諮りしたいが、はい、高橋さん、簡潔に。
〈高橋正道〉
メリット・デメリットについて県教委の方は説明する必要はないと…。
〈鈴木隆一〉
説明する必要はないということではないけれども…。
〈高橋正道〉
ちょっと待ってほしい。そういう感じで今まで何回か仰っている。実際にこういう改革を本当にしようとしているときに、そういうことがはっきりしないと歴史的検証もできない。今、県教委が出しているような理由でやったのでは、あとからそれを検証することができない。言ってみれば、時代の流れでやったんだというだけに過ぎない。それではみんなが納得しないのだ。時代の流れというものは前からいろいろある。その中で別学でずっと100年以上やってきている学校を変えようといっているのだから、それでメリット・デメリットの議論はしたくない、「それだったらむしろそちらから出して下さいよ」というような言い方は全く失礼なことだ。変えようと仰っている方がそれを整理して出すべきであって、そこから議論が始まると思う。今までその姿勢がないから何回も同じことになる。先日の保護者のアンケートで、現在子供さんを抱えている保護者の方がこれだけこの問題について分からない、疑問がある、おかしいと言っていることをどう評価するのか。
〈安部孝〉
次長。
〈鈴木隆一〉
どうしてもそのメリット・デメリットという話を我々の方から出して説明しないとご納得がいかないということであれば、むしろそのデメリットといわれる部分について我々としてはあまり認識がないのだ。
〈高橋正道〉
それでは言うが、今の別学が悪いとはいわないと、こう仰った。悪いと言わないけれども変えようとするのだから、共学の方がよりよいという理由だけは説明しないと駄目だ。
〈安部孝〉
教育長、この辺については少し時間をとるということになるのか。
〈白石晃〉
これは繰り返しになるかも知れないが、まさしくこの(1)にみんな話が突っ込んでいるのだ。我々としては、一律共学化しましょうということで政策決定したのは将来構想だと。それが13年3月に決定したと。それでその政策決定に至るまで、当然ながら単純に我々だけが議論してきたわけではない。我々は確かに当事者としてやったけれども、こういった我々の考え方が本当によいのかどうかというところを世の中にさらしてきて、それで意見を求めてきた。アンケート調査もやった。それからいろんな方達の意見も聞いた。それで最終的に政策決定をしたということである。手続き論的にはそうである。そして内容的にはどうなのかというと、これはまさしく繰り返すようだが、①から⑤まで、その説明、それが理由だ。だからそこのところは全然違うということで言われれば、我々としてはこれ以上のものはない、あくまでも5つ、ここの中で将来構想をきちっと作って、それで将来構想の中に一律共学化というものを打ち出したということだ。
〈安部孝〉
皆さんにお諮りしたい。取りあえず1時間過ぎて、今までは質問テーマ1だった。この後は質問テーマ2に入るが、前回の調整会議でペンディングになっていた質問もある。3人のPTAの方の意見もあるのでその辺の時間配分も予定通り行かないことを含めて質疑してもよいのかどうか?この問題、メリット・デメリット論はなかなかこれ以上ということにはならないかも知れないが、佐藤さん、何か(意見が)あるか。〈佐藤茂〉要するに、白石教育長がまさに①から⑤までの内容を突っ込んでいると仰っている以上、また、そこを一律共学化、強制共学化の根拠としているのだろうから、やはりここは丹念に議論すべきだと私は思う。それに皆さんが賛同されるかどうか?
〈安部孝〉
議事進行の話でお願いしたい。
〈山下健二〉
ここの部分は突っ込むべきだと思う。これはかなり具体的な細かい内容になっているので、持ち帰って細部にわたる検討はしなければならないが、これだけいろいろな意見があがっているので、もうちょっと時間をかけて頂いた方がよいかと思う。
〈安部孝〉
それではこのことについて10分延長する。このメリット・デメリットの質問ということで、はい、山下さん。
〈山下健二〉
質問テーマ1・(1)で、①から⑤までこれで決めてしまったんだと仰るが、それはあくまで県教委側の一方論理だ。それはそれ以前に何かある程度やったとか、有識者会議をやったとか、県民各界各層の意見聞いたとか、そのようなことでこれがオーソライズされたようなことを言っているが、平成11年のアンケート自体が大問題だ、我々はあれが公正なアンケートだとは全然思っていない。それから、有識者会議の中でも一応メリット・デメリットみたいなことは言われているが、この前も申し上げたように、具体的な別学のデメリットというのは、水原座長が言ったふざけた話だけで、あとは全部印象発言だ。男女共学が望ましいとか、具体的な説明・理由が全くなくて、結局ごちゃごちゃしている間に水原座長が決めてしまった。それから2回にわたり各30回の公聴会の問題にしても、果たしてどこまでやられたのかということについて、実は我々は不信を持っているが、そういう手続きを仮にしたところで、これはあくまで一方の論理であって、受ける我々としては本当にそうなんだろうかというのが、県民の立場であり、また、二高関係者としてはそれを検証するというのは当たり前だと思う。それでお前ら何も言うな、これで決まったんだからと言うのであれば、これはもう全体主義だ。全くこれは一方的な問答無用の非民主的な態度だ。教育を司る人が個性が大事だとか、男女の多様な人格を形成していくんだとかいろんなことを仰りながら、こんな硬直的な押しつけ的なことで決まったんだから、後はもう問答無用だと。メリット・デメリットにしても、この中では男女共学の、一律共学化のメリットとははっきり言っていないが、随所に一律共学化にすればこういうことが実現できるんだとか、こういうことが期待できるんだとかメリットを言っている。それならば我々は一律共学化のデメリットをあげることもできるし、逆に別学のメリットもきちっとあげて、それで検証するのがフェアなんじゃないかと思う。一方的な論理で自分達のその5つの項目を含めて、それに関連した一律共学化のメリットみたいなものだけで一方的に決めた、決めたというのはあまりに全体主義的な、それこそ21世紀にそぐわないやり方だと私は思う。
〈安部孝〉
はい、教育長。
〈白石晃〉
ちょっと反論するようだが、我々としては今、将来構想をどういう経過で決めてきたのか、そしてその理由はこうですよという話をしている。それで①から⑤まで、さっき朝倉さんがそれこそ言ったように、例えば②のところだけが具体的じゃないかというような話についてご質問があって、これに対して答えているということだ。いずれ①から⑤までのことについて、今、テーブルにあがって話を進めているわけだから、それが一方的にというところとはちょっと違うのではないかと思う。
〈山下健二〉
これから議論するということでよいか。
〈白石晃〉
我々の立場からすれば、将来構想を前提にして今までずーっと政策を進めてきている。それは県全体をにらんだ話でやってきている。ということでいわばプロセスの話だから、その点からすればいろいろ意見が異なるかも知れない。
〈安部孝〉
それでは質疑ということで、簡潔に。
〈朝倉亮〉
今、教育長の方から、このことは既に決定したという話、プロセスの中にあるという話だが、テーマ1の(1)も(2)もこれは質問したPTAの皆さんは当然のことながら、私達もこれは論理的に駄目だということを言っているのだ。ここをもう一度説明して下さいと言っているのだ。しかもこの(1)、(2)というのは一番最初の基本的な問題だ。これの検証なしに、これを議論しないで共学を実施しては、あとの議論は砂上の楼閣になる。どんなに進めようとしてもどこかでまたひっくり返る、どこかにまた戻るということになる。前回私が質問した家庭科の問題などにしても、じゃあ、これからプロセスの中で取り上げるのか、この前は教育長さんが関連して話しましょうというからやめたのだ。私達はじめ傍聴者も県民の皆さんもこの内容を公開すれば誰だって納得できない。一高、二高、一女高、二女高、三女高だって昭和初年からの名門校なのに、何で急に共学になるのかその理由をきちんと言ってほしい。10万人近い卒業生と家族も親戚も多いわけで、何十万人もいるわけだから。
〈安部孝〉
今のは意見だが…、では、鈴木さん。
〈鈴木密明〉
今、私共同窓会、PTA関係者を含めて、一律についていろいろ議論をして欲しいということと、メリット・デメリットをやらなければいけない。一律にすることについては、いささか反対があるということを申し上げたが、今、お話を聞いていると、これについてはもう課題ではないというふうに聞こえてしまうのだが、もう課題ではないのか。課題であるか、課題でないか端的にお答え頂きたい。
〈白石晃〉
先程言ったように時計を戻すことはできない。
〈鈴木密明〉
我々がこういう活動をしていることを課題と捉えているのか、課題とは考えていないのか答えてほしい。イエス、ノーで答えてほしい。
〈白石晃〉
これはちょっと説明させてほしい。我々はこの構想に基づいて進めてきた。それで18年4月から一応やりますよということでやった。我々は十分な手続きをとって、予算関係も議会の方でやった。それは方針として18年4月にやるということで決めてきたと、それで動いてきたという話になる。
〈鈴木密明〉
ということは、課題ではないと聞こえるが、それでよろしいか。
〈白石晃〉
議会の方から1年延ばしなさいという話があって、それに従ってやっているということだ。
〈鈴木密明〉
では、もう一度聞きたい。しつこいようで恐縮だが、課題と捉えているのか、捉えていないのか。
〈白石孝〉
鈴木会長さんがいう課題というのはどういうことなのかちょっと分からないけれども…。
〈鈴木密明〉
「いろいろ問題である」「議論すべき課題」、課題とはやはり課題のことだ。
〈白石晃〉
一応、19年4月まで1年延ばしなさいという話があって、そこで十分な話合いをしなさいということだから、その話合いのことだと理解している。
〈鈴木密明〉
勝手な解釈で恐縮だが、どうも話を聞いていると、もう粛々と決まったことで、課題ではないというふうに聞こえてしまう。そうすると、揚げ足をとるようで恐縮だが、資料5頁の(4)にあるように、仙台一高での課題として同窓会、保護者及び生徒会の反対の動きを課題として真っ正面から捉えている。我々はやはりこれは課題だと思うので、未発表校の状況も共学化に向けた課題としてきちっと議論して行かないと、既に決まったことであり、あるいは政策であり、既に時計は戻せないというのはいささか違うので、この辺りは今後きちっと議論させて頂きたいと思う。
〈高橋正道〉
関連質問ということで…。
〈安部孝〉
関連というか、約束の10分が過ぎたので、今のメリット・デメリットについては、なかなか意見を残すところがあると思うので…。今、鈴木さんの方では次のテマに入ってしまったようなので…。
〈鈴木密明〉
質問テーマ2ということではなくて、テーマ1の流れに過ぎない。
〈安部孝〉
そちらの方に移っていってもよいだろうか?
〈高橋正道〉
テーマ2に入っていかないと今日の時間には間に合わない。
〈安部孝〉
ちょっと頭を冷やして、お互いに冷静に考えるところもあるのかなぁと思うので、次のテーマの資料4頁の方に行きたいと思うが…。
〈佐藤茂〉
ちょっとだけ事実関係を申し述べたい。将来構想で議論してきた、その過程は経たと仰るが、共学・別学問題についての議論は1回しかやっておらず、正味90分だ。しかも各委員から意見を述べて頂いているが、各人の個人的な思い出で、女子トイレがなくて不便だったとか、別学の3年間はよかったとか、そんなことでしかなくて、あげくの果てに、水原委員長が宮城出身の男性は異性との付き合い方が下手だと、こんなことでもって締めくくっておられる。それが議論だったのだ。そういう過程を経ていたということだ。
〈安部孝〉
じゃあ、高橋さん。
〈高橋正道〉
PTAから今日出されている回答については、テーマ2に入っていくと多分時間がなくなると思うので、PTAの方の了解が得られれば一応次回ということで、どうか?
〈安部孝〉
鈴木さん、内田さん、どうか?
〈内田正之〉
構わないが、資料の関係で確認しておきたいことがある。私や他の保護者で必ずしも知らない言葉、例えば、「中部北学区」とか「中部南学区」とか、県教委では自明のことなのだろうが、それについてどこからどこまでがそうで、そこにどういう高校があって、定員がそれぞれどうなっているのか、それを知りたいのと、あとはもう1つ、資料的なことでいうと3頁(5)の〔参考〕欄に載っている安積高校関連表の国公立大の内訳はあるのか。
〈矢吹隆志〉
ホームページに全部出ている。ただ、安積高校の場合は現役と浪人の内訳が分からないので、学校に直接聞かなければならない。
〈鈴木密明〉
「共学化1期生」というのは現役の意味か。
〈矢吹隆志〉
安積黎明高校については現役の数だ。
〈鈴木密明〉
特段に増えているかどうかというのは、この資料(数表)だけではちょっと判断が難しいと思う。
〈矢吹隆志〉
実際に調べれば分かると思うが、相当な増え方をしている。
〈鈴木密明〉
そういう定量的な話ではなくて、こういうものはきちんとした定性的な表も必要だ。
〈矢吹隆志〉
これは学校に確認しないとできない。
〈鈴木密明〉
もし分かれば資料としてお願いしたい。
〈矢吹隆志〉
了解した。
〈安部孝〉
分かるところは資料として出すようにお願いする。じゃあ、高橋さん。
〈高橋正道〉
今までの議論でも、これからの議論でもまた最大のテーマになると思われる部分なので申し上げたいと思うが、「はじめに共学ありき」で、それを進めるためにいろいろな理由をつけてきている。最初に別学と共学をパラレルの状態で考えたということではなくて、共学ありきで考えてきているので、時間がいくら経ってもその部分について我々は理解できないのだ。それを責めると、これはもう決まっていることだと言うが、決めてきたのはそちらの方であり、それはその立場で共学ありきを決めその説明しかしていない。だから我々はいつまで経っても納得できない。この1年で理解するように説明をしなさいということになっているが、そういう基本的な立場を変えなかったらいつまで経っても理解はできないのだ。
〈安部孝〉
では、鈴木次長。
〈鈴木隆一〉
教育長が非常に申し上げにくかったように回答していたので申し上げる。その決定したという話だが、結局、ずーっと議論があって、議会の場でも我々は議会に説明もし、質問も受け、皆さん方も議会の方には十分説明したと思う。その結果、議会が二高を1年延長して、もう少し話し合いなさいという、あのような判断をしたのだ。ただ、全体スケジュールについては明らかにして進めなさいと。全体スケジュールについては、この文書にも回答してあるように、それはお示しをする時期は必ずくることになると思う。その議会の決定を受けて、教育委員会としても再度決定して、留意事項まで付して決定した。これはもう公になっている話だ。こういう前提、経過があるということだ。
〈高橋正道〉
それはもう十分に分かっている。議会と教育委員会が学校関係者である生徒、PTA、それから同窓会も含めて理解をしてもらうように説明しなさいと、そのためにこの1年を設定したわけだ。だからこの1年の中で、県教委はどのような姿勢で我々に説明をするのかということが、まず基本的に大事ではないかということを申し上げているのだ。それはもう決定しているんだから、まぁしょうがない。1年間の調整会議、1年経てばあとはないんだから…、というふうな感じに受け取れかねないような…。一歩攻め込むと、これは13年に決めているんだというふうに教育長はさっき仰っている。それでは話にならない。理解がいつまでも進まないということを申し上げておく。
〈安部孝〉
はい、鈴木次長。
〈鈴木隆一〉
決定しているという事実は文書でも何でも全て事実になっているから、そこは動かないと思うし、説明せよと言われる部分については、あと何回この会議ができるかも分からない。あとはこの会議に限らず、いろいろなところでの接触はさせて頂く用意にはなっている。そこは我々としても本当に誠意を持って説明はしたいと思う。ただ、時間が非常に限られているのも事実で、あとはものによっては、これは水掛け論というさっきの佐藤さんのお話があったが、そういうテーマも非常に多いということも事実だと思う。ただ、我々としては精一杯、本当に真摯に説明させて頂く。
〈高橋正道〉
水掛け論をするつもりは全くない。だからさっきの矢吹次長さんの何か大変長いお話のようなものが、もし必要だと感じていらっしゃるのならば文書にして頂いて、この2時間をもっと有効に使えるようにお願いしたい。
〈鈴木隆一〉
そこの部分については、今後の我々の対応の仕方を十分考えさせて頂く。
〈高橋正道〉
いろいろ考えていらっしゃることがあるようなので敢えて申し上げない。
〈安部孝〉
次回もいろいろあるが、そういうところは配慮して、資料等をお願いしたいと思う。
〈黒川利司〉
先程の内田副会長さんの(学区等についての質問)は、口頭でよいか。
〈安部孝〉
資料がよい。
〈内田正之〉
どこどこの高校の定員が何人で…、というような…。
〈白石晃〉
(口頭では説明に)時間がかかるから、資料を出して…。
〈安部孝〉
PTAから出た質問テーマ1と質問テーマ2について、今日は触れられなかったが、質問テーマ1はお互いにまた持ち帰って、それぞれの質問事項として次回にでも取り扱うこととしたい。前回7月25日の調整会議に出ていた関係で、皆様のお手元にある頁数は打ってないが6頁になるのか、一番最後の頁(仙台二高同窓会提出文書)の①、②、③、④について、19時45分までやりたいと思うので、執行部から説明があれば、最初にお願いしたい。
〈内田正之〉
45分といっても多分延びるかも知れないので、できれば今日初めて参加した人にまず全部で10分なら10分、5分なら5分というように決めて頂いて発言してもらった方がよいのではないか。
〈安部孝〉
その方がよろしいか?できれば2時間以内で終わるというのがルールなので、そういうつもりで45分と言ったつもりだが…、それではPTAの高橋さん、松枝さん、福島さん、一人5分以内でどなたからでも結構なのでどうぞ。
〈福島学〉
今日初めて参加させて頂いたので、内容的にちょっと分からないところが多々あるが、1つがっかりしたのは、説明があまりにも抽象的で非常に分かりづらい。いろいろアンケートをとって、父母からいろんな意見を聞いたわけだが、その中でもなぜ今やらなければならないのだ、何の理由でやらなきゃあならないんだ、そういったことが分からないという意見が多かった。その辺の説明を今日聞けるのかな、一部でもそういったことが聞けるのかなと思っていたところ、抽象的な話をしておられるようで、ちょっとその辺がっかりした。だからもう少し掘り下げて、先程の質問テーマ1・(1)の答えが5つあったが、この点についてももう少し具体的にお話を聞けたらなと思っている。特に県立高校将来構想の内容が、先程の教育長さんのお話ではいろいろなことを含めてその中の1つとして共学化が出てきたというお話しだったので、共学化というものが構想の中でどのような位置を占めていたのかなどについても今回初めてでもあり、ちょっと分かりにくかったのでその辺も説明して頂けたらなぁと思った。
〈安部孝〉
一通り発言をお願いしたい。
〈高橋幸子〉
今日初めて出席させて頂いた。勉強不足の点もあったかと思うが、政策決定したというお話しを頂いて、えっ、じゃあ、何のための会議なのかなというような、何かちょっと愕然としたものを感じた。私は一PTA会員だが、こういうことはやはり生徒、息子も勿論反対しているし、私自身も女子高を卒業したが、結婚して子供も産めている。男子高だから、女子高だから、そこで性差というのもジェンダー論を考えると、高校時代の3年間がそんなに大きく人間形成に関わるものなのかなと大学のジェンダー論などを聞いても思うけれども、その辺が全然触れられていないと率直に思った。それと、先程からメリット・デメリットが出ているが、私達の息子が高校に入学して初めて今度共学化するんだということを風の便りのような形で聞いた。その前に平成13年、中学生のときだったかなと思うが、そのとき中学校の方にはそういう話は一切なかった。だから、知らないところでこうやって政策っていうのは決まっていって、決まったからやりなさいってなる、それもまた違うし、私達子供を育ている親としてもやはりその辺は自分で見極めて、もう少し考える子供に育ってほしいし、また、ここで学力とかうたっているのであれば、今、他県の方でもゆとり教育の弊害とかで見直しがされているところもある。そういうものを置き去りにして、こっちは共学だ、何だとそっちの方に走っていってそれじゃあ宮城の学力は伸びるんだろうか、率直にその辺を感じた。
〈安部孝〉
はい、では松枝さん。
〈松枝恵子〉
私は初めてではなく、また出てきたので聞いてほしい。皆さんが教育行政を預かってくださっている割には本当に現場のことが分かっていないなと思った。今、女子高の持っているパワーなんて凄いと思う。男の子なんかもういないものとして、何でも先生頼りにしないで自分達でもう自主自立、もうはなっからないものとして自由な発想、自由な行動力で重たいものだって持つし、高いところのものだってやる。同様にうちの男の子は二高に入っているが、運動部だけれども率先してみんな運動着や部活で使ったものはみな洗濯機でガラガラガラッ、洗濯機でやるんだから男がやっても女がやっても同じなんだけれども、それでちゃんと体育館の手すりにかけて帰る。あゝ、女のマネージャーがいたらいいな、女子マネージャーがいたら洗濯してくれるんだろうなんて誰もそんなことは思っていない。それで高校生は家庭科というものが、それは男の子も女の子もよいだろうけれども、やっぱり体育科というものも3年生まで必修である。それで差別は絶対駄目だけれども、区別っていうものはやっぱり必要だと思う。私は二高のことしか知らないが、入学して直ぐに1,500メートル走るのだが、男の子は5分以内で走れたら満点をもらえる。そのときにうちの息子は、あゝ、女子が入ったらどうなるんだろう、女子はどうせ1,000メートルで満点をもらえるんだろうなって、やっぱりボソッと言っていた。学校だから教育で何か評定っていうものをもらう。太っているからとか、足が長いからなんていうハンデはない。男の子はみんな同じだ。5分以内で走れたら満点。だから平等でいいのだ。それで何か感動したことがあればワッと肩を組む。“やだぁ、セクハラ!”なんて言う女の子はそこにはいない。もう二高というだけで感動して、隣の子と肩を組む。こういうものは本当に目に見えない大事なものであり、進学率とか合格者数というものとも違う、形に見えない凄く大切なものなのだ。皆さんが破壊してしまおうとしているものとか、奪い去ってしまおうとしているものは、そういう目に見えないものなのだ。それで目に見えないものを私達は凄く大事にしていて、それが全然分かっていない方たちが決まったからやりますって言う。伝統っていうものは時間が経って、放っぽらかしておけば伝統っていうものじゃあない。それが大事なものであると認識した人達の手によって大事にされていくから「伝統」というのだ。伝統っていうものは、どこかの業者に発注して、“はい、学校に配ります”というものでもないし、本当に目に見えないもの、今回皆さんが奪おうとしているもの、破壊しようとしているものはまさしくこれで、文化っていうものがどれだけ人間を形成していく上で、勉強、学力ということではなくて、これが好きだ、好きだから大事にする、愛するものを守るということは、本当に人間のすっごく大事なことだと私はいつも思っている。そういうことが分からない人達が国のトップになったり、権力者になったりするとその人達にとっては大事なものじゃないから壊す、変える。でもそれを大事に思っている人達はどうなるのか。その価値観に合わないから全部一緒にしてしまおう、例えばここに書いてあること、皆さんが仰ることは凄く立派なことだ。でもそれは共学にしなければできないことだろうか。私は別学がよいとか共学がよいとかそういうことを話しているのではなくて、今ある大事なものを奪い去ってでも、取り上げてでも何を目指そうとしているのか、また、目指す人はそれでよいが、では奪われてしまった人、権利を、その文化を、伝統というものを壊されちゃっている人、皆さんに分かってくださいって、それを感じて下さいとお願いしているのだ。そういう人がいるのだ。それを変えてまで何をやろうといているのかというところを知りたい。もう1つある。私の娘が水泳部に入っているが、二高は凄く立派なプールがあるんで、夏は合同練習とかしているし、人里離れた山にそれぞれ分離しているんじゃなくて結構交流している。それで女子を歓迎してくれるし、二高生は優しく、“よくきて下さいました、ようこそ”ということで入れてくれるし、一女高の方にも雨漏りのするような汚い校舎だけれども、そこに二高生が自転車でバーッと橋を渡ってきてくれれば、あっ見てくれたっていって凄く仲がよい。そうやって部活動同士の交流とか行事のときに、一女高の子なんてパワーがあるから、遠慮もしないで堂々と“あゝ、きたよ”みたいな感じで凄くほほえましく思う。その行事が終わったらパッと自分達の世界に戻って勉強なり何なりする。凄くよいバランスでやっている。
〈安部孝〉
(傍聴席からの拍手に対して)ルールはルールなのでよろしくお願いしたい。今、お三方からご意見、質問ではない部分もあるようだが、そこの部分を取り上げるとまた長い議論になってしまうので、このことについて執行部としてお考えをお示しするものがあればどうぞ。
〈鈴木隆一〉
2つぐらい言いたいのだが、例えば今のお話しの中に、将来構想の話がまだ分かってないとか、あるいは議論の過程がよく分かっていないとか、初めてきたのでよく分からないというお話しも随分あった。ゆとり教育の話も出ていたが、我々が行政を進めるときにそこは我々としても非常に苦慮しているところだ。議会でもこういう大きな問題だと当然に大きな議論になるし、報道もされる。我々としてはインターネットを通じたり、いろんな紙面を通じたりして、できる範囲で広報をする、お知らせはする。ただ、それがどこまで伝わっているかということはやはり心配なところがある。例えば将来構想は既に世の中に出てもう何年も経っている。ただ残念ながら今、福島さんがその中身なり、どこにどういう位置づけにされているのか分からないというお話しをされた。まさしくそういうことなのだ。この話だってよく理解を得るための時間が少なかったんだろうから、議会からも1年よく話をせよという話をされた。従って我々は先程高橋副会長さんに申し上げたとおり、一生懸命説明はさせて頂く。そこはご理解頂きたい。ただ、何年も前の話に遡った議論というのは、先程申し上げたとおりそこは無理があるということははっきり申し上げたいと思う。あとは、今、松枝さんの方から二高のことしか分からないというお話しがあった。確かに一女高も素晴らしいし、二高も素晴らしい。素晴らしい伝統を持っているし、文化も持っている。例えば、アンケートなどではその応援団、定期戦の話だとか、学区内でのいろんな学校祭の話についてお母さん方がお話をしておられた。例えば、以前は共学でもよいと思っていたが、いざ二高に入ってみると、そこの伝統なり何なりに触れて、やっぱり男子高はいいなというように思ったという話も大分多くの人が書いていた。そのとおりだと思う。それは全く否定しない。ただ、他の学校もみな素晴らしいところはあるのだ。その各学校の父兄でも生徒でも皆それは感じてやっている。我々は現場を知らないと仰いましたけれど、ここにいるうちの職員も学校現場では長くやっているし、校長も経験した人間もおり、決して現場のことを知らないということではなく、ましてや今、皆さんが感じられているよい伝統なり何なりを破壊しようなどとは微塵も思ってないということはご理解頂かないと我々も立つ瀬がない。
〈松枝恵子〉
略奪以外の何ものでもない。
〈鈴木隆一〉
そういう話になればまさに水掛け論になってしまう。
〈佐藤茂〉
この問題の本質を分かっていないのではないか。みんな不満に思っているのに、その辺が何も分かっていないのではないか。
〈安部孝〉
ちょっと待ってほしい。この問題についてはみんな関連するけれども、先程のお三方の意見を聞いて、今のことについてお三方でまた質問などお有りか。
〈福島学〉
時間がないので…。
〈安部孝〉
よろしいようなので、はい、では山下さん。今のことについて簡潔に。
〈山下健二〉
鈴木次長にお伺いしたい。先程のお話しで将来構想あるいはそれを踏まえて一律共学化を決める過程についての説明はするけれども議論はしないと仰ったのか。
〈鈴木隆一〉
いや、議論をしないつもりはない。
〈山下健二〉
鈴木次長は、説明は一生懸命しますよ、どんなことでもしますよ。ということは、まさに一方的にもう決まったことを繰り返し同じことを説明はしますよと。しかし、それに対してそれが是か非かという疑問があってはじめてこの会議というものはあるのではないか。一方的に、決まったから説明します、説明しますということでは、それは単なる説明会であって、1年間でその理解を得なさいという、あるいはもうこれは当然に将来構想の中にも出ているわけだが、理解というものはお互いに議論し合って、お互いが全くの反対意見であっても、その中で徹底的にやることで理解のできるものもあれば、できないものもあるけれども、この議論を避けて単にその説明はいくらでもしますということになると、この会議の意味は全くなくなる。説明以外は問答無用ということになるのではないか。
〈安部孝〉
質問になるかと思うが、じゃあ、答弁を。
〈鈴木隆一〉
説明も議論もさせて頂く。だからこの会議の冒頭、この調整会議の趣旨目的、これは前回出たと思う。従って我々はその趣旨目的については、それはもう高橋副会長さんを筆頭にしてきっちり議論しながら、どういう趣旨で、どういう名称で、どういう参集範囲でこの会議をもっていきますかという話をさせて頂いた。そこで我々としてはその議論をした上で、この趣旨についても了解を得たものとしてスタートしたというように理解している。
ここで高橋正道氏より、“そこはちょっと違います”との発言あり
〈鈴木隆一〉
(鈴木隆一氏が続けて)ただ、「名称については」という話があったので、そこは趣旨を変えないということであれば、名称については我々としてはご提案があればという話で承ったということだ。
〈安部孝〉
高橋さん。
〈高橋正道〉
そちらの趣旨もあるが、こちらの趣旨も4項目出してある。それは「採択の解釈」の問題とか。だからそちらが出したこと全部をOKするということで始まったことではない。それについて答えを出していない部分もかなりあるから…。だから名称の問題もそれだけにこだわっていると時間が経過してしまうから、それはそれで前に進みましょうということできている部分がある。従って、県の方で出された前提について全部了解の中でこれが進んでいるんだということではない。
〈安部孝〉
鈴木次長。
〈鈴木隆一〉
ただ認識として、議会の附帯意見なり、それを受けた委員会の決定事項、それを前提として話をして、このお互いのこういう会議の中で、そういう前提を覆す、会を導くということであればそれは無理があると思う。
〈高橋正道〉
覆すとは言っていない。解釈の違いが必ずあるはずで、その解釈の違いについて議論しましょうというふうに言っているのだ。
〈白石晃〉
まだちょっと残っているので、そこを先に進めたらどうか。
〈安部孝〉
またこの問題-原点論-になってしまうので…。調整会議で予定しているものもある。それで次のペーパー、時間はあと20分ぐらいしかないが、最後の頁(仙台二高同窓会提出分)、前回出ていた質問書の①から④まで…。
〈高橋正道〉
頂いている資料の最後の頁、「調整会議」となっている分だが、ちょっと簡単に説明する。①について、同窓会の対応ということで資料提供されているが、この内容について何回か言っているが、イ、ロ、ハ、ニとして正式説明の有無について全く説明がなかったとは言っていない。但し、この前頂いた資料、これは何回か出ており、前回も指摘しているが、同窓会の対応ということで20項目出ている。そのうち校長が総会あるいは常任委員会あるいは支部会に行って説明をしたことが14項目、つまり20項目のうちの14項目がそれぞれ類似したものである。PTAの方からも、PTAは5センチ、同窓会は10センチと言われたが、これを見ると、校長が我々のいるところで、あるいは一緒に行って校長挨拶、来賓挨拶をしたという中で、共学問題に触れているからこれを説明したんだという解釈で載せているが、これは議会や委員会に出されていることについて我々としては非常に不満である。そういうことについてはもっと整理をして、これだけは間違いなくやっているという部分についてならば納得できるが、これが巷に横行している。同窓会にこんなに説明してるのに、同窓会はなぜ分からないのだと言うことになっている。これは非常に卑怯なやり方だ。あまり言いたくはないが、同窓会が経費を出して校長先生と一緒に行っているのだ。こんなふうに利用されるのだったら、いくら来賓の要請がきても校長先生行かないでくれ、あるいは要請を出さないでくれというようになってしまう。折角、同窓会と学校との関係の中で、新しく校長が2年か3年で代わるわけだから、校長が新しくなったらきて欲しいのだということで、母校の状況、それは共学の問題も少しはあるかも知れないが、いろんなことを聞きたいわけだ。そうやって来賓として招待しているのに、そこで喋ったことが、他のことは除いて共学の問題を説明したというふうにここに載せているのは是非取り除いてほしい。まず、これを申し上げておきたい。それからこの前の会議で教育長は、議会の説明とかいろいろなことがあって、正式発表前は県教委からの説明はできないという発言をなさいましたが、これはどういう部分が説明できなくて、どういう部分はよいのか、その辺をその都度上手に使い分けられては困る。ついては、こういうことは説明できないのだとか、時期を待って下さいとか、そういうふうなことをもっときちんと説明してほしい。これは議事録を見ながら書いているのだから…。
〈安部孝〉
ということは、このペーパーは今日初めてみたことになるのか。
〈白石晃〉
いや、初めてではない。だから一応内容は分かる。
〈高橋正道〉
学校が関係者に正式説明を行う、学校が説明するのだとこの間仰っている。学校が説明すると言ってて、学校が本当に説明したかどうかの確認をしているのか。これがまず、「ハ」の問題だ。それから中期総合ビジョンについては、「ロ」と関係しているかも知れないけれども、15年3月に、(二高側から)県教委に真っ直ぐに出して、我々が聞いたのは次の校長に代わった5月2日だ。その中期総合ビジョンがどんどん県教委にまかり通って、二高は18年度にやっていいんだと、学校からもOKが出ているんだというふうなことになっている。だから中期総合ビジョンというのを問題にしているのだ。
〈安部孝〉
はい、了解。じゃあ、①の「イ」から「ニ」について、教育長、どうぞ。
〈白石晃〉
おそらくこの問題、つまり正式説明云々は、全体として問題となっているビジョンの経過にいろいろ疑問点があると思うので、まず二高の校長先生の方から今までの…。
〈高橋正道〉
中期総合ビジョンのことか?
〈白石晃〉
そうだ。④の…。
〈高橋正道〉
今の校長先生の前の前の校長先生がやったことだ。2代も引き継ぎしていることを今の校長先生からではなくて、県教委が責任を持って説明すべきだ。
〈白石晃〉
④について先ず説明させてほしい。それから議論したらどうか。
〈高橋正道〉
県教委が説明するのか?
〈安部孝〉
二高同窓会資料の④ということになるんだけれども…。
〈高橋正道〉
校長先生より私の方が知っている。そのとき関係しているのは今は私しかいないのだから…。
〈白石晃〉
まず聞いて下さい、どうぞ聞いて下さい。
〈高橋正道〉
2代も経った人が説明したって分かるわけがない。
〈安部孝〉
じゃあ、ちょっと校長先生がいらっしゃるから、前のところでも説明したいことがあるかと思うので…。
〈高橋正道〉
短くやってほしい。
〈安部孝〉
トータル的に5分以内で…。
〈柏葉浩明〉
2代も経過しており、(高橋)副会長さんも分かるというお話しなのでいささか説得力に欠けることがあるかも知れないが、まず校長が来賓挨拶の中で触れる程度で正式な説明とは認めがたいという部分だが、先ず学校としては県、それから県教委が定める政策、あるいは施策については、議会などの然るべき機関での審議、あるいは手続きを経て、県民の意思を集約し、方向性が定められたという具合にして、組織を預かる者としては重く受け止めて、全組織をあげてその施策の遂行に努めると、これは県の教育機関を預かる者として当然の姿勢だという具合に考えている。またその遂行に当たっては、その内容に応じて生徒を含めて関係者に説明していくということも当然の責務である。但し、説明に際しては、施策に関する意思形成のその段階に応じて、あるいは施策遂行の段階に応じて、その時々にご説明しうる内容には一定の制約がかかる場合もあるという具合に思っている。従って、特に大きな制度上の変更が伴う等の内容については、説明に際してもできるだけ私見が交じらないように施策の内容を正確に伝え、混乱が生じないようにするため、特に慎重に対応することが求められるという具合に校長としては感じている。この説明ということについては、まず校長が挨拶の中で話しただけでは説明にならないというご指摘、前回から何度かあったけれども、今述べたような事情から時間的にはたとえ短い時間であってもその重みを受け止めて、慎重な言葉で前校長、あるいは前々校長が説明をなされてきたものという具合に考えている。私も校長として、そのように重く受け止めながら誠意を持ってこれまでご説明申し上げたつもりである。この前の資料に載っている細かい部分については、時間の関係で説明の繰り返しは避けたいと思うが、特に生徒に対しては一方的な説明にならないようにということで、校長、教頭が生徒会役員との意見交換をする、あるいは生徒総会での質疑応答、これに答えていく…
〈高橋正道〉
今は同窓会のことを聞いているのだから、生徒の部分は時間があったときに言ってほしい。
〈柏葉浩明〉
じゃあ、ここのところは省略する。
〈安部孝〉
あと2分あるので、続けるように。
〈柏葉浩明〉
時間の制約があるのであれば、別の観点から1つだけお話しして、機会を与えて頂けたらまた発言したいと思う。学校としては二高をよくすることしか考えていない。従って、生徒の中にも賛成・反対、反対は割合からいうとかなり多いという結果は書いてあるが、しかし一人一人の生徒を大事にしながら今後の進路達成に向けて、学校としてできることを一生懸命考える、学校としてのスタンスはこれしかない。例えば、共学になるあるいはこのまま別学でいく、それぞれの学校としてのメリットと思われる部分、あるいはデメリットと思われる部分、こういう問題があるな、こういうよいところがあるんじゃないかという部分はそれぞれにある。しかし、我々の仕事としては預かった生徒、どちらのシステム、枠を与えられても、本気になって指導して進路達成のために全力で指導、支援していく、それだけである。そういった意味では、この是非論の部分について発言できる立場にはないので、その辺の方向性がもう少し明確になって、校長としての考えを述べよと言われたらそういう場面ではもう少しはっきりと学校として目指したい方向をお話し申し上げたいと思う。
〈安部孝〉
折角の機会なので、校長先生とやりとりがあれば、少し…。はい、高橋さん。
〈高橋正道〉
だから校長先生に申し上げたわけだが、同窓会に対して正式な説明がない中で、校長が来賓で挨拶したものが正式な説明だというのはおかしいはずだ。組織である同窓会あるいはPTAなどにきちっとした説明をしていて、その上でその説明の内容をコンパクトにしたものを来賓として行ったときに説明するんだったらまだ分かるが、正式な説明がなされる前の14年6,7月にそういった会合で説明したと麗々しく書いてある。これはけしからんということで除いてくれと言っているのだ。校長が今、感想的に言っているいろんな学校長としての方針とは関係がないことだ。
〈安部孝〉
はい、教育長。
〈白石晃〉
さっきからくどいようだけれども、将来構想は13年3月に作られた。それでそのときはかなり議論になって、とにかく将来構想の中では全ての県立高校の共学化をやりますよということで決定している。もう世の中に出ている。
〈高橋正道〉
我々には(知らされて)ない。
〈白石晃〉
いや、だからその辺は…、
〈高橋正道〉
学校が説明すべきだというのか。
〈白石晃〉
それは…、
〈高橋正道〉
学校長が説明すべきことだったのか。
〈安部孝〉
発言を続けて…。
〈白石晃〉
方針に則って、県教委としては将来構想発表直後に全ての別学校に対して、共学化した後の特色づくりについての基本的な考え方、それから特色づくりの具体的な手法、それから特色づくりを進めるに当たっての課題について学校の方で考え方をまとめなさいという指示をしている。それを受けて、二高は既に平成10年からご存知のとおり、21世紀ビジョン作成委員会というものを設置して、これには当然に高橋副会長も入っていたけれども、よりよき二高の創造というものを目指した検討が始められていた。そして、平成13年3月にそういう構想が発表されたわけだから、その段階で共学化ということも盛り込んで、15年3月に中期総合ビジョンとして学校の将来像というものをまとめたという経緯である。ということは既に分かっていると思う。もう少し話をさせてほしい。それで正式説明の話があった。学校側から言ったのは、全ての県立高校については共学化いたしますという話を当然している。それで残っているのは共学化開始の時期、それを学校としていつからやるかということだけなのだ。
〈高橋正道〉
誰に説明したのか?
〈白石晃〉
だから、そこはいろいろ見解があると思う。
〈高橋正道〉
見解ではなく、事実だ。
〈白石晃〉
事実としてはそこにあげているような何年何月にどういう話をしているということだ。
〈高橋正道〉
いや、これはそういうふうには認められない。
〈白石晃〉
だから、そこは認めるとか認めないとかの話になってくると、また水掛け論になってしまう。
〈高橋正道〉
水掛け論ではなくて、現実に我々は聞いていないのに、言ったように言うからだ。平成13年3月に将来構想が決まったあと、そういうことは校長から全然話しはない。21世紀ビジョン委員会も、そういう将来構想が決まったから21世紀委員会を作るというのではなくて、21世紀が近いから21世紀の二高を考えましょうということで言ってきたのだ。その辺の校長のねらいというのは簡単にいえば、「共学にすれば進学率が上がるからね~」ぐらいの感じの話だ。教育長はそういうふうに校長に指示したので言ってるのだろうが、そのときは校長は言っていない。
〈安部孝〉
ちょっとそこの事実のこと、校長先生はご存知かな?
〈柏葉浩明〉
ちょっと長くなるが…。
ここで、高橋正道氏より、“何で長くなるの”という発言あり
〈安部孝〉
長くなる…?今、言っているのは同窓会への対応ということかな?短く答えられるのであればどうぞ、もし長くなるのであれば…、
〈柏葉浩明〉
これまでの「21世紀ビジョン作成委員会」と今の「21世紀のよりよい二高を考える会」と、それから「ビジョン委員会」というその関連をお話ししないといけないので、ちょっとその経過を積み重ねながらお話ししないと分かりにくいと思うので…、
〈安部孝〉
長くなるね。
〈高橋正道〉
要らない。
〈安部孝〉
要らない?では、柴田さん。
〈柴田克彦〉
長くならないように、簡潔に1,2質問したい。13年の3月に構想決定を発表した。そして各校長、別学高校の校長全てに対して同一的に、これをやるから共学を前提としたビジョンを出すように指示を県教委はなさったわけだね?なさったわけね?全部にね?一高も二高も三高も全部ね?それでなぜ二高だけが、ポン、ポン、ポンと15年に出てきて、他の学校は指示を受けても知らん顔をして、つい最近まで投げておいたんだろうか。その辺は教育長としては催促を、二高は出てますよ、出しなさいという催促を2年以上も経っているのだが、何度ぐらいしているのか。
〈安部孝〉
これも前から出ている議論だが、教育長、その辺で何かあれば…。
〈黒川利司〉
私は平成14年から男女共学対象校である塩釜高校にいた。その間、14年、15年、16年と高校教育課あるいは改革推進室から男女共学化について、どのような特色づくりを進めるのか、それに当たっての課題は何なのか、そしてそれまでの進め方をどのように考えるのかということについて、何度も報告を求められ、その都度各校長は出している。間違いなく出している。そのことについて各学校でそれぞれの委員会なり、何なりの組織を作って検討しているという状況である。
〈柴田克彦〉
出てるのね?出しているんだよね?出しているのに、何でその出した高校について、そのビジョンで何年って決められなかったのか。
〈鈴木密明〉
前回、その質問を私もしたけれど、白石教育長は未発表校の8つ、白石高校も含めてペーパーは出ていないと仰った。
〈黒川利司〉
ビジョンではなくて、今検討している中での課題は何なのか、そういうものを出しなさいという、そういう…、
〈鈴木密明〉
ペーパーで出したのか?
〈黒川利司〉
そう、各学校に指示があった。
〈鈴木密明〉
では、ペーパーが出ていないというのは…?
〈黒川利司〉
課題が何なのか、そして今、現在進めている中…、
〈鈴木密明〉
大変恐縮だが、ここは大変大事なところだと思う。(ペーパーが)出ていないと仰ったから…。
〈白石晃〉
何か揚げ足をとられているようで…、例えば、ビジョンというのは、こういうふうに冊子とか起承転結があって、それで論文としてまとまっているものがおそらくビジョンだと思う。二高ではそうだったから。だからそういう体裁のものではなくて、例えば課題であるとか、それからあとは専攻科でもって行きましょうとか、そのくらいの話だ。そのくらいの話としてはペーパーではないということだ。
〈鈴木密明〉
しかし仕事のやり方って、そんなものだろうか?県の方からビジョンを出せと言われたら、それも13年3月に指示されて、只今現在もう4年も経っているのに、きちっとしたペーパーベースで出ていないというのは教育のあり方を考えるという観点からいくと、甚だちゃんとしているとは言えないと思う。ペーパーが出ているというのは、正式文書ではなくて、いわゆる我々が出すけれども、例えば課題についてはこういうものですよという、いわゆるちょっとした課題検討書のことだ。ビジョンとしては出ていないのだから。
〈黒川利司〉
だから、ビジョンは今、各学校が策定中だということだ。
〈高橋正道〉
二高にだけは特別にスピードを上げて出せという指示をしたのか。
〈白石晃〉
また揚げ足を取られたようだけれども、先程から言うように、ご存知のように21世紀委員会というものを平成10年からやってきている。もう既にご存知のようにそういうベースがあったわけだ。そこから始まっているので、13年3月に将来構想という考え方が出てきて、そこでまたいろいろ変更しながら変えてきたということだから、我々の方で早くやれやれということではなくて、二高さん自体がもう既にベーシックなところで議論をしてきたという経過があって、それが結果的に早く出すことができたということだ。
〈高橋正道〉
いろんなところでそのようなことを仰るが、我々としては疑わしいと思うところがかなりある。というのは、21世紀委員会には我々も入っていた。その後、不正事件を挟んで、また21世紀委員会が始まるんだと思って待っていたが全然なしで、その間、PTAが入っていたかどうかは分からないが、我々同窓会は入らないでビジョン委員会が作られた。そして15年3月に(中期総合ビジョンを)作って、我々が全然見ないうちに(県教委に)真っ直ぐ出された。だから、同窓会を完全に意図的にはずしたんだなといってもよいぐらいのやり方をしている。しかもそういうことが時々ある。さっきの経緯の中の同窓会への対応もそうだが非常に疑わしい。しかも議会の委員会に出ている第1回か何かの時には、我々に出した資料についてははずしている。そういう操作をしているのだ。いろんなところでそういう疑わしいことをされている。だから今、質問にあったようなビジョン委員会だって何が出たか分からないけど、そんなのは指示がなくたって毎年学校が県教委に出すものだ。それを特別に指示をしてビジョンを出せということについては、ただの課題ではなくて、前提があったかどうかは別にして二高が1年で出したのだから、もっと真剣に考えて他の学校も出せないわけがない。但し、ここに問題があるよ、これを解決しないと前に進めないよというようなことはあるだろう。そういうことだと思う。ところが、よそ(の学校)からは書類は出ていたがビジョンが出ていなかったという話だろうと思う。だから二高だけ、二高の校長だけが早とちりをして走って行ったのでこういうことになってしまったのだ。
〈安部孝〉
時間も時間だが、はい、校長先生。
〈柏葉浩明〉
これだけ時間が経過するのであれば、最初からご説明申し上げればよかったと思う。事実だけ申し上げる。
〈安部孝〉
短くね、短く。
〈柏葉浩明〉
はい。将来構想が策定されたのが13年3月。4月になって間もなく、先程高校課長さんからお話しがあったように、今後の共学化の基本的な考え方あるいはその進め方等について、学校の特色づくりをどう考えていくか、あるいは共学化に向けの課題、どんな課題があるかといったようなことについての書類の提出を求められた。それを二高の場合は7月27日に提出している。その後、当然課題といったような…。
〈高橋正道〉
何年の7月か?
〈柏葉浩明〉
それは13年だ。当然その中には検討しなければいけない課題というのがいっぱい出てくる。避けて通れない大きな流れであるならば、まずこの部分も含めてビジョン委員会の中で検討するということになり、ビジョン委員会を立ち上げ、8回の検討を経て総合ビジョンをまとめた。簡単にいえばこういうことだ。ただ、これはあくまで校内の体制をどうして行くかという校内での意見のまとめということであり、実際に共学化に向けてのタイムテーブルが示されたその段階では、当然学校としてはこういう考えを持っていた。こういう共学化のタイムテーブルが示されたという中で、当然PTAの方、あるいは同窓会の方々に今後細かいことの意見を頂きながら体制づくりをしていくと、その土台となる校内の資料としてビジョンというのがまとめられたというふうに伺っている。
〈高橋正道〉
校長先生にお伺いするが、3代前の校長先生が出したんだが、あなたがその場に、その立場だったら将来ビジョンを同窓会や何かに見せてから県教委に出されたか、それとも真っ直ぐに出されたか。
〈柏葉浩明〉
その辺は想定でお話しすると無責任になるかと思う。ただ、なぜ二高だけ早く提出されたかというそこの部分だが、先程もちょっと言ったが、いずれこの避けて通れない流れ、大きな流れというものであるならば、いわゆる他校の動きを見ながら、その時期を先延ばしするよりは、二高としての主体的な話し合い、検討の中で未来の二高のあり方というものを検討すべきではないかということで、普通の検討を進めた結果、この時期に総合ビジョンが策定されたという具合に伺っている。
〈高橋正道〉
よく分からないのだが、教育長、高校教育課と校長先生との関係では校長会をしょっちゅうやっていると思う。校長会の中でそういう意見交換はしないのか。
〈黒川利司〉
校長会は全ての校長達を集めているので、全ての学校に関わる部分についてこちらから指示を与えている。
〈高橋正道〉
将来ビジョンなどについて二高が先に出してますよとか、他の学校はどうなっているかというような意見交換はしないのか。
〈黒川利司〉
基本的には全ての学校に関わる内容についてのみだ。
〈安部孝〉
はい、柴田さん。
〈柴田克彦〉
中期総合ビジョンの件だが、先程、当該校長を呼んでお話しして毎年毎年やっているとのことだった。毎年毎年やっていた中で、15年3月までに二高以外に何か総合ビジョン云々で反応のあった学校はあったか。二高は15年3月20日に出している。まあ、その1年ぐらい後でもよい。16年3月20日頃までに、当該指示した学校で何かしらの反応があった学校はあったのか。
〈矢吹隆志〉
大きいのは二女高がある。
〈鈴木隆一〉
(柴田さんのお話で)「反応」か?、「反論」か?
〈柴田克彦〉
「反応」というのは、それに対して「はい、今やってます」「もう少しです」「こういう問題があります」「県教委さん、相談に乗って下さい」とかのことをいう。
〈鈴木隆一〉
さっきお話ししたように、「反応」という意味では全てあるだろう。
〈柴田克彦〉
「反応」は全部あるということだね。それなら例えば、仙台一高の問題点はこの次の議題にさせて頂くが、定通(定時制通信教育課程)があるから問題なんだと言うが、定通というのは随分前からあった。今の問題ではない。15年前にも定通を独立させようかなどという動きは県教委にもあったはずだ。こういうことは(県教委の)皆さん、ご存知なんだろうね?そういう立場で、こういう質問にお答えになっているのだろうと思う。
〈安部孝〉
では、(今日)最後の答弁をお願いしたい。
〈鈴木隆一〉
それは存じているが、この場は他校の状況なり問題点なりを議論する場ではないというふうに思う。
〈高橋正道〉
それはちょっと違うと思うが…。
〈安部孝〉
いろいろあるとは思うが予定の時間が過ぎた。人間というのは、2時間ぐらい話すと思考能力が低下するものだ。いろいろと持ち帰って、再質問なり、答弁を考える機会が必要だと思う。そこで、次回調整会議、今日で3回目だが、4回目ということになるので、次回会議の調整をしたい。私の立場を尊重して頂けるのであれば、9月は議会が入り、今回はちょっと早い。今、いろんな動きがどんどん出てきているので、8月の私の予定を優先させてもらえば、29日か31日の18時からということで検討して頂きたいが、31日でよろしいか。
〈一同〉
了解。
〈安部孝〉
それでは、次回の調整会議は8月31日(水)・午後6時から、県庁舎内ということにしたい。本日の会議はこれで終了する。
以上